インタビュー=坂本聡 写真=瀬口陽介
アビスパ福岡の中心選手として活躍する若きストライカー、金森健志。自身のプレースタイルや、本気でプロを目指す転機となった出来事、そしてリオデジャネイロ・オリンピックへの思いを語った。
スピードに乗ったドリブルができるところが強み
――金森選手は「博多のネイマール」というあだ名がありますが、元々は誰が呼び始めたのですか?
金森 初めはアビスパ福岡のサポーターの方が言っていて、徐々に浸透してきました。自分自身もネイマール選手が好きですし、プレースタイルも映像で見たりしています。
――ルックス的にも?
金森 高校の時に結構似ていると言われてました。
――「博多のネイマール」と呼ばれるのは、どんな気持ちですか?
金森 高校の時は「ネイマール、あまりかっこよくないじゃん」と思っていたので少し嫌だったんですけど(笑)、今は嬉しいです。
――プレースタイル的には近いものがありますよね。仕掛けるところやドリブルが自分の武器だという意識はありますか?
金森 そうですね。ドリブルしてる時が一番楽しいですし、自分の良さが一番出るところだと思っています。もっとネイマール選手に近づけるくらい、周りも見えてパスを出せて、自分で仕掛けて点も取れるくらいの選手になりたいです。
――金森選手のドリブルは他の選手と比べてどう違うのですか?
金森 ドリブルしていてスピードが落ちないところ。だいたいの選手がドリブルすると普通に走っている時よりスピードが少し落ちてしまうのですが、僕はスピードに乗ったドリブルができるところが強みだと思います。
――その瞬間は何を考えているのですか?
金森 正直、何も考えていないですね。無心でやってます。
――DFを抜く時に意識していることは?
金森 1人目だけじゃなくて2人目の位置を見るようにしていますね。でも、そこまで考えてはないです。頭がいいタイプでもないですし(笑)。
――ドリブラーの人はみんなそう言いますよね。その瞬間、その瞬間で反応するのが楽しいと。
金森 僕もそう思います。
A代表に入って、海外でも点が取れるストライカーになりたい
――プロを意識し始めたのはいつ頃ですか?
金森 中学生(筑陽学園中学校)の時に全国で2位になって、すごく自信がついて、高校はそのまま筑陽学園高校に上がりました。高校入学時は「プロになりたい」とは思ってましたけど、実力的になれないかな……と思っていて。本気で「プロにいこう」と思ったのは高校3年生の時です。
――どんな転機があったのですか?
金森 その時に母親がガンになってしまいまして……。そこから苦しい生活が続いてたんですけど、治療しながら僕の試合を見に来てくれてたんです。そのために頑張ろう、親孝行しなきゃいけないなと思いました。その時期にちょうどプリンスリーグ(九州)でゴールを決めていたので、アビスパから声を掛けてもらいました。母親が病気になったことは大きなきっかけになりましたね。
――プロに「憧れる」のと、本気でプロに「なろう」と思うのは少し違いますよね。
金森 そうですね。ただひたすら母親を元気づけようと思ってやっていたんですけど、その時期くらいから本気でプロになるんだという気持ちになりましたね。
――金森選手はリオデジャネイロ五輪を目指すU-22代表の一員です。五輪への思いや、その先のA代表への思いを聞かせてください。
金森 オリンピックが最終地点ではないですけど、今は一番近い目標なので、必ず出場することを常々思って、日々努力しなければいけないと思っています。そして最終的にはA代表に入って、しっかり活躍して海外でも通用する選手になりたいです。海外でプレーしたいという思いは強いので、海外でも点が取れるストライカーになりたいと思っています。
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト