第24回全日本高等学校女子サッカー選手権大会が、2016年1月3日(日)から10日(日)まで、兵庫県を舞台に開催される。大会は32チームによるノックアウト方式で行われ、女子高校生の日本一を決定する。
参加出場校をチームのコメントとともに紹介する。
北海道文教大明清(北海道1位)
24大会連続24回目の出場。高校選手権第1回大会からすべて出場している北海道の強豪校で、今夏のインターハイではベスト8だった。最後まで走り切れる走力・持久力を持つチーム。北海道という土地柄、冬場は雪など天候が悪くピッチでの練習ができないことが多いが室内での練習でチカラを蓄えている。
清野訓靖監督
「目標のベスト4に向けて全力を出し切る」
北海道大谷室蘭(北海道2位)
8大会連続10回目の出場。北海道第2代表として10回目の選手権出場となる。部員29名中25名が寮生活を送っており、練習以外の時間でも家族のように過ごしチームワークは抜群。息の合ったパスワークに攻守の切り替えの速さが武器だ。
渡邉純一監督
「前回大会で大敗し、悔しい想いを持ってやってきた1年間のすべてをぶつけたい。これまで辿り着くことのできなかったベスト8の壁をまずは破りたいです」
キャプテン・山村弥久(3年)
「今年のチームは、1年生が多いです。練習などでは学年関係なくコミュニケーションを大切にし、お互いがお互いを刺激しあっています。毎日の練習で辛いことや厳しいことも多くありますが全員で盛り上げて乗り越えています。今の2、3年生は前回の大会で大敗してしまいとても悔しい思いをしました。あれから1年、今シーズンがスタートし、なかなか思うような結果を残すことはできませんでしたが、最後の全国大会、一年間の集大成を見せ、自分たちらしく戦い、勝ちたいです!」
常盤木学園(東北1位/宮城)
16大会連続16回目の出場。高校選手権歴代最多5回の優勝を誇る。この世代の女子サッカー界を牽引してきた名門校。選手権2連覇で迎えた前回大会は準決勝で、前回大会は決勝でともにPK戦の末に敗退した。今季は主戦場であるチャレンジリーグでも優勝。数多くの日本代表を輩出してきた名門として目指すものはタイトル奪取しかない。
キャプテン・小林菜々子(3年)
「強い気持ちでチームを引っ張りたいと思います。高校3年間ともに過ごしたみんなとの最後のサッカーを最高のものにします。チーム全員が笑顔になれるよう全力で戦います」
聖和学園(東北2位/宮城)
24大会連続24回目の出場。全日本高校女子サッカー選手権、全24回連続出場、3度の優勝を経験している初代女王。アイデア溢れる変化ある攻撃、細かいパスワークが最大の武器だ。選手一人一人が高いテクニックを持ちポゼッションサッカーでゲームを支配する。
国井精一監督
「1戦1戦、一瞬一瞬を大切に戦い、聖和サッカーの良い点を披露したい。目標は優勝」
キャプテン・高柳朱々奈(3年)
「私たちのチームのサッカーは、ポゼッションサッカーです。他のチームにはないパスだったり、ゴール前での崩しは観ている人を楽しませることができると思います。聖和のサッカーを全国で輝かせたいと思います。普段からコミュニケーションをとり、アイデアを出し合っています。全員が戦い、全員でメダルをとるために日々のトレーニングに励んでいます。チームワークはもちろん、技術もパスワークも負けないチームになり、全国制覇を成し遂げたいです。国井先生のために必ずメダルをとります。これが恩返しです」
明桜(東北3位/秋田)
2012年創部初年度から3年連続秋田県大会で優勝し、東北予選に出場。過去2大会、ともに3位決定戦で敗れて本大会出場を逃したが、悲願の“あと1勝”を勝ちとり、“3度目の正直”で初の全国の切符を手に入れた。チームのストロングポイントは全員サッカー。選手・ベンチ・マネージャー含めた全員で気持ちを共有し、きつい練習や辛い状況でも笑顔で乗り切る「明るさ」が強みになっている。局面や展開に合わせた緩急のあるサッカーをベースに、今年はスプリント力を意識することで縦への速さを取り入れている。「全国1勝」を目標に、チームのモットーでもある「初志貫徹」を胸に挑む。
西澤拓也監督
「3度目の正直で全国大会出場を決めることができました。歴史の浅いチームですが、チーム創設時にかかげた全国大会出場、初勝利を目指し初志貫徹で頑張ります」
キャプテン・柴田夕海香(3年)
「私たちのチームは明るく個性が豊かでそれぞれに特徴がある性格のメンバーばかりです。サッカーのプレースタイルもパワフルで守備では泥臭く体を張り、攻撃では何度も粘り強くゴールに食らいつくといったスタイルです。まずは全国1勝を目指し、正々堂々勝負し秋田の女子サッカーを盛り上げたいです」
十文字(関東1位/東京)
2大会ぶり10回目の出場。文武両道をかかげ、勉強と部活動を両立させる進学校で、前回大会は全国の舞台に出場出来なかったものの、過去3度選手権で3位に輝いた実績を持つ実力校だ。今回の予選では前回選手権全国ベスト4の村田女子など強豪校と争った激戦区東京予選、そして関東予選を勝ち抜き2大会ぶりに全国の舞台に戻ってきた。この予選2大会ではインターハイベスト4の修徳に2連勝を収めた。「今の代はタイトルも全国出場もなかった。それだけにこの大会では絶対に負けない」と石山隆之監督と3年生たちが話す通り選手権での勝利への意欲は非常に強い。1回戦の相手は2大会前に1回戦でPK負けを喫した作陽。1年生として当時のピッチに立ち涙を呑んだキャプテンの相良理子を中心にまずはこの一戦での勝利を勝ち取り、過去最高位の全国3位を超える結果を目指す。
キャプテン・相良理子(3年)
「今大会は今までで一番大きな大会でもあるし最後の最後までみんなとボールを蹴るためにも絶対に決勝まで進出したいです」
修徳(関東2位/東京)
6大会連続6回目の出場。前回選手権は全国ベスト16。今夏、初出場となったインターハイでベスト4に入り、その実力を証明した。大商学園に敗れた準決勝はPK戦での敗戦だけに、選手権ではあと一歩に迫った全国制覇に照準を定める。
有賀重和監督
「一戦一戦丁寧に、そして大胆に戦い納得できる試合を行い、過去最高の結果を狙っています」
キャプテン・藤田理子(3年)
「私たちはサッカーの技術だけではなく人としての基本である挨拶や返事を大切にしています。そして人の気持ちを考えて行動し、思いやりがあり団結力のあるチームです。1人1人がチームのことを1番に考えて行動しています。試合に出場する選手が頑張ることは当たり前です。しかし修徳は試合に出ない人たちの頑張りがとてもすごいです。自分の役割に責任を持ちチームを支えてくれています。全員がチームのことを想い支えてくれるから全国の舞台でも戦うことができます。これが私たちの強みです。そして試合中には素晴らしい応援歌を歌ってくれます。私は日本一の応援だと思っています。いつも応援歌を聴くと心が震えます。こんなにも応援してもらえるメンバーは幸せです。だからこそメンバーはプレーで感謝の気持ちを表します。私はこんな素晴らしいチーム、仲間に恵まれてここでキャプテンとしてチームを引っ張ることができることに誇りを持っています。だからこの大会で優勝して日本一ということを証明します。試合に出る人、ベンチの人、応援の人、とそれぞれの立場がありますが自分の役割を理解し、全員がそこで全力を出して戦えるところが修徳女子サッカー部です。今までの悔しい思いを胸に、日々の練習で培ってきたことを発揮し全力で大会に臨みます。見ている人を感動させられるような試合をして日本一を目指します」
前橋育英(関東3位/群馬)
2大会連続2回目の出場。強豪校の多い関東予選を3位という結果で終え、2大会連続の出場を決めた。全国トップクラスの強豪・男子サッカー部と同じグラウンドで練習をこなし、男女ともに励まし合い応援し合い切磋琢磨している。2回目の選手権全国大会出場だが今年のインターハイにも出場している実力校。強固な守備からのカウンターを武器に全国大会初勝利を目指す。
大手真智子監督
「インターハイ合わせて3回目の全国大会で、一戦必勝をかかげ初戦突破をしたいと思います」
キャプテン・高橋もも(3年)
「今年のチームは47名と部員が多く、それぞれ個性豊かですが上下関係が厳しくなくて仲の良いチームです。学年が違っても互いの課題を練習するのに夜遅くまで一緒に自主練習をしていたり、ミスした時には意見を言い合えるので、個人もチームも成長出来ていると思います。私たちの代は新人戦で負けて“個のバラバラ集団”と言われながら始まりました。確かに個をそれぞれが出し過ぎてチームとしてまとまりがなかったかもしれません。けどその日から全員で頑張った結果、インターハイに出場することができ、そこで良い経験が出来たおかげで、2年連続の選手権出場切符を手にすることが出来ました。私たち3年生にとっては集大成。それぞれ色々な想い、立場はありますがチーム全員で戦い、最後は笑顔で終われるように頑張りたいです」
湘南学院(関東4位/神奈川)
4大会連続13回目の出場。昨年のインターハイで全国3位に輝いた神奈川の強豪校が、今大会は関東第4代表として出場する。運動量豊富な選手が多く、ピッチを広く使い最後まで走り続けるサッカーが武器。なでしこジャパンの近賀ゆかりなどを輩出した名門校が、全国制覇を目指して選手権のピッチを駆け上がる。湘南学院、彼女たちが試合前に歌う歌の通り「ほしいものは一つ、全国優勝!」
木村みき監督
「サッカーができるこの環境に感謝して、湘南らしいチーム力でサッカーを楽しんでいきたいと思います。目標は優勝です」
キャプテン・白井未来(2年)
「私たちは、チーム力で最後まで諦めずに全員で走りきって戦い、明るく、楽しく、元気よく、をモットーにチームのために、湘利(勝利)のために、全国制覇目指して可能性のある限り、戦い抜くチームです」
健大高崎(関東5位/群馬)
3大会ぶり2回目の出場。関東予選第5代表として3大会ぶりに全国の切符を手にした。今年度からチームを指揮している植木雅也監督はザスパクサツ群馬U-15レディースの監督経験もある知将。今回のチームはボールポゼッションをベースにサイドを活かした攻撃がストロングポイントだ。
植木雅也監督
「チーム全員で最後まで楽しみ、戦います。目標はベスト8進出」
キャプテン・原島望(3年)
「私たちは学年関係なく仲が良く全員が明るいチームです。『の・こ・ぜ(乗り越えよう困難は全員で)』を合言葉に、辛いことも苦しいことも全員で乗り越えてきました。人数が少ないからこそ、一人一人がとても大きな存在であり、チームに欠かせない存在です。今年のチームのモットーであるenjoy footballを目指して日々努力しています。目標はベスト8!今まで支えてくれたすべての人にサッカーで恩返しします!」
幕張総合(関東6位/千葉)
3大会ぶり3回目の出場。関東第6代表として3大会ぶりに全国大会出場を決めた。現在3年生が2名しかおらず、1、2年生中心の若いチーム。経験という意味では他校に劣る部分はあるが、若いチームなだけに勢いに乗れば大きな力を発揮する。チーム一丸となり3大会ぶりの全国に臨む。
峰岡洋平監督
「3大会ぶりの出場なので、選手にとっては初出場と同じ。初戦を何とか突破して波にのりたい。一戦一戦全力で戦います」
キャプテン・酒井理湖(2年)
「私たちのチームは、『全員攻撃・全員守備』で日々の練習や試合に取り組んでいます。練習の時は真剣に取り組み、練習外の時は楽しく話し合ったり、ふざけ合ったりしてオンとオフをしっかりしています。全力で戦い、1試合でも多く勝ち上がりたいです」
星槎国際湘南(関東7位/神奈川)
2大会連続2回目の出場。今年創部2年目ながら関東予選最後の出場枠を勝ち取り2年連続での全国大会出場を決めた。神奈川県予選決勝でも全国大会常連のライバル湘南学院に勝利するなど着実に力をつけてきた。前回大会では常盤木学園に1-2の惜敗しベスト16。少なからず得た手応えを今大会に活かせるか。名誉校長は、奥寺康彦さん。
柄澤俊介監督
「攻守ともに主導権を握る、美しく勝つ、をテーマに堂々とプレーができるようにしたい。悔いの残らない試合をしたい」
キャプテン・川倉愛梨(3年)
「美しく勝つ、をテーマに見ている人が楽しいサッカーをしていきます。また、サポーターへの感謝の気持ちを持ち、それをプレーで表現していきます。どんな試合でもベストを尽くして戦います」
開志学園JSC(北信越1位/新潟)
3大会連続3回目の出場。創部1年目から全国大会に出場し、今年は創部3年目で3大会連続の出場を決めた。今夏のインターハイでは強豪・大商学園にPK戦の末敗れたものの、互角以上の戦いを見せた。JAPANサッカーカレッジレディースの下部組織でもあるため、チャレンジリーグの試合に出場経験のある選手も多く、そのチカラは全国トップレベル。これまで選手権では結果を残せていなかったが、創部3年目の今回は優勝争いに食い込める実力をつけている。
鈴木聡監督
「全員で1秒でも長く一緒にプレーしたいです。1戦1戦がすべてなので目の前の試合に全力を尽くします」
キャプテン・大友千夏(3年)コメント
「私たちの3学年仲が良く、笑顔がたえないとても最高のチームです。モットーは『やるっきゃない』と『笑顔で帰ろう』です。日本一目指します!」
福井工大福井(北信越2位/福井)
12大会連続12回目の出場。文武両道を目標とする教育で、他部活の多くが全国大会に出場する。女子サッカー部創部は2002年で、専用の寮があり全員が寮生活を送るためチームワーク抜群。前線からのアグレッシブな守備とボールポゼッションを大事にしたサッカーで頂点を目指す。
久保直也監督
「全員の力で強豪校に挑んでいきたい。目標は優勝です」
キャプテン・角野友有子(3年)
「私たちのチームは『応援されるチーム、魅力あるチーム』をテーマにしています。サッカーだけでなく普段の生活で挨拶、礼儀、返事、整理整頓、ゴミ拾いなどにチーム全員でこだわってきました。ON=OFFということを頭に入れ、普段の行いが全てサッカーにも繋がるので常に謙虚に明るく生活しています。最後の大会、福井高校らしくチーム一丸となって戦います」
松商学園(北信越3位/長野)
2大会連続2回目の出場。男子サッカー部は県内有数の実力校だが、女子サッカー部は34名のうち半分が未経験者。男子サッカー同様、監督発信で指導するのではなく生徒たちが練習を考えるボトムアップを取り入れ始めた。中心選手はFW高橋あすか(3年)とボランチの西本芽久(3年)。お互いを相棒と呼び合う二人は、小学3年生から同じチームでサッカーを始めた仲。
そんな松商学園の試合前の円陣は「置かれた場所で咲きましょう。1人1人が咲く場所は違うけど、自分が置かれた場所で全力を尽くせるように」という願いが込められている。初出場となった前回大会では1回戦で敗退。今大会まずは面川辰雄監督も掲げる「全国での1回戦突破」を目指す。
藤枝順心(東海1位/静岡)
12大会連続12回目の出場。過去全国制覇1回、準優勝1回の実績を誇る今大会の優勝候補だ。今夏のインターハイ1回戦では日ノ本学園との優勝候補対決となり、負傷離脱者が多かったこともあり敗戦。今大会ではその雪辱を誓う。チームの主軸を担った杉田妃和(現INAC神戸レオネッサ)らが卒業した今季、目指すサッカーは遅攻も速攻も状況に合わせてできるチームを目指し、エースの児野楓香、キャプテンの黒﨑優香を中心に2度目の全国制覇を狙う。
多々良和之監督
「今年度のチームの集大成として、毎回ベストゲームをできるように臨みたい」
キャプテン・黒﨑優香(3年)
「集大成となるこの大会で、メンバーに入れなかった人の思いを背負って戦い、最後にみんなで最高な花を咲かせたい。見ている人に感動を与えたり、今まで支えてくれた人たちに恩返しが出来るように全力でプレーする」
常葉学園橘(東海2位/静岡)
9大会連続9回目の出場。地元静岡県の選手を中心に中高一貫の6年間で「育てる」をテーマにチーム作りを行っている。中には御殿場から2時間かけて通う選手もいるため、朝練習は実施せず、通常練習時間に短くとも集中した練習を心がけている。選手権では9大会連続出場と全国大会常連の実力を持ち、春先の大会では女王・日ノ本学園にも勝利を収めた。その常葉橘の組合せ抽選結果は1回戦でインターハイ出場校の開志学園JSC、勝ちあがった後の2回戦では日ノ本学園vs常盤木学園の勝者と戦うことになる。全ての試合が優勝候補との対戦になるが元日本代表選手でもあった半田悦子監督のもと目標のベスト4を目指す。
半田悦子監督
「初戦を突破し、2回戦の優勝候補に勝ち上位進出を目指します。目標はベスト4」
キャプテン・鈴木千尋(3年)
「中高一貫高校なので、ほとんどの人が中学の時から一緒にプレーしてきました。長い時間一緒にサッカーをしてきた仲間との集大成。もう一緒に出来ない人、ベンチの人、ベンチ外の人、その人たちのためにも1試合でも多く勝って最後に全員が笑って終われるように責任を持って1戦1戦戦います。」
三重(東海3位/三重)
2大会連続2回目の出場。東海予選3位決定戦では、今年も聖カピタニオ女子高校と激闘を繰り広げ、2大会連続で全国の切符を手にした。スピードを活かしたショートカウンターは今年も健在。ボランチからの正確なパスと、前線の一瞬の速さと決定力でチャンスを作り出す。前回大会初出場でベスト16だった三重高校、今回はさらに上の成績を目指す。
田中伸弥監督
「前回のベスト16を上まわれるよう1戦必勝で頑張ります。目標はベスト8」
キャプテン・切畑汐梨(3年)
「三重高校は学年関係なく仲が良くて横の関係も縦の関係も大切にしています。ピッチの上では褒める事も厳しい事も言い合えるチームです。プレー面ではスピードを活かした攻撃が出来、守備では相手の嫌がる事をし、ボールを奪ったり失点させないように出来るチームです。私は前回の全国大会2回戦の前半でケガをしてしまい最後までピッチに立てなかったので今回は何があっても最後までピッチに立ち、キャプテンとしての最後の役目もしっかりやり遂げたいです」
大商学園(関西1位/大阪)
8大会連続8回目の出場。過去3大会連続ベスト8の関西の強豪校だ。関西地域予選では決勝で絶対女王・日ノ本を破り、関西第一代表・第1シードとして8大会連続8回目の全国大会出場を決めた。インターハイでは決勝で日ノ本にPK負けしたが、日本一まであと一歩に迫るなどチーム力は全国トップクラス。これまでは裏のスペースを狙う大きな展開を得意としてきたが、今年のチームはディフェンスラインからのしっかりとしたビルドアップが特徴。2年前から始めたダンストレーニングも効果を表し、軽くしなやかな動きを武器に全国制覇を狙う。練習は全員で円陣を組み、「心が変われば行動変わる、行動変われば習慣変わる、習慣変われば人格変わる、人格変われば運命変わる!やれば出来る必ず出来る絶対出来る!」の掛け声で始まる。
岡久奨監督
「このチームは、メンバー、メンバー外関係なく、全員で練習し、お互いを理解し合い、チームのためにできることをそれぞれが全力でできるチーム。目標は日本一!」
キャプテン・中山桃香(3年)
「日本一になるために一戦一戦全力で戦います。キャプテンとしてチームのために戦い、笑顔終われるようにしたいです。全員で戦います。親、先生、コーチ、チームメイトへの恩返しをここでする!」
日ノ本学園(関西2位/兵庫)
14大会連続15回目の出場。選手権3連覇を狙う女王。今夏のインターハイでも4連覇を達成し、3年連続での夏冬2冠という偉業に挑む。昨年度チームの主力を担った3年生23人が抜けた今年度、周囲から女王と見られるプレッシャーに苦しみチーム内で衝突した時期もあった。その中で迎えた夏のインターハイで1回戦から優勝候補の一角・藤枝順心と激突。結果、疑心暗鬼だったチームに確かな自信を抱かせる勝利を得て勢いそのままに全国制覇を達成。
今回の選手権も1回戦の対戦相手は優勝候補の常盤木学園。日本一には避けては通れない相手を前にしてインターハイの再現を成し、3年生は同世代での全国大会無敗で卒業を目指す。
田邊友恵監督
「楽しんで勝ちます。目標は優勝です」
キャプテン・中田有紀(3年)
「私たちのチームは、謙虚な姿勢、絶対的な自信、感謝の気持ち、チャレンジなき者に勝利なし、をモットーとし、主体性を持って行動してサッカーでも日常でも自分で判断することを大切にしています。サッカーが出来ること、支えてくださる人への感謝の気持ちを忘れず日々努力しています。一戦一戦全力で戦い優勝してみんなと笑顔で終わりたいです」
大阪桐蔭(関西3位/大阪)
6大会連続7回目の出場。第20回大会では準優勝、第22回大会&第23回大会はベスト8の関西の強豪校。「今年はスタープレーヤーがいない」と天野泰男監督が話すように、飛びぬけた選手はいないものの、チーム全体で守備をして選手同士の距離を離さない短いパスで攻撃する。戦術理解が高く、試合中のシステム変更や戦術変更に柔軟に対応できる。モットーは「仲間力」。チームスタイルは「パスサッカー」。楽しく美しい「魅せるサッカー」を理想としているチーム。
天野泰男監督
「20回大会では準優勝したので、今回はぜひ優勝したい。私の生まれ育った町であり、指導者として20年活動した神戸市で絶対優勝したいと思っている。さらに決勝はノエビアスタジアムで行われるが、ここは私が前の仕事(ヴィッセル神戸)の本拠地で何度もスタンドから試合を見た。そこのピッチで自分のチームを優勝させたい」
キャプテン・永野未紗樹(3年)
「私たちのチームは、本当の仲間になるためミーティングをしたり、サッカー選手である前に一人の人として大事なことは何かを考えて行動しています。サッカーを向上させるためにサッカー以外の所にも目を向けてきました。今年はチーム力で戦います。1人1人の個性を活かし全員がどの役割でもチームのために輝き、お互いがお互いのことを考え信頼しあえるチームです。お世話になった方々に恩返しできるように日本一になります」
京都精華女子(関西4位/京都)
2大会連続4回目の出場。昨年のインターハイで並みいる強豪校を倒し準優勝に輝いた。テクニック向上をかかげ技術面を日々強化しているため選手個人のテクニックの高さは今大会でもトップクラス。目標は全国大会の過去最高順位となるベスト4。
越智健一郎監督
「目指すはベスト4」
キャプテン・山下えりい(3年)
「私たちのチームは個々のテクニックとパスを主にした楽しく明るいチームです。たくさんの方に京都精華の試合を見てほしいです。この仲間とサッカーが出来るのも最後だし集大成として精華らしく楽しみ勝って良い結果で終えたいです。ひとつでも多く勝ち進みメダルをとりたいです」
神戸弘陵(開催地枠/兵庫)
開催県代表として初出場。同じ兵庫県の日ノ本学園高校が関西第2代表での出場のため、兵庫第2代表だった神戸弘陵学園高校が全国の切符を手にした。創部2年目、1、2年生のみで構成されたチーム。丁寧にボールをつなぎ全員攻撃、全員守備を大切にし、練習に励んでいる。地元の声援を背に、全国大会での躍進を誓う。
伊達優子監督
「1戦1戦を大切にしたいと思います。初戦にすべてをぶつけます」
キャプテン・杉本知紘(2年)
「私たちのチームは、昨年創部され、一期生13人で全国の舞台で戦えるチームになるため、1年目の歴史を刻みました。そして二期生8人が加わり全国の舞台に立つという1つの目標を果たすことが出来ます。しかし私たちは全国の舞台に立つことだけでなく、その舞台で戦えるチームになるため全員で練習に取り組んでいます。二学年だけということもありチームはとても仲の良いチームです。でも仲の良い中でもサッカーになれば1年2年関係なく本気でサッカーが出来るところもチームの良いところです。私たちのスローガンは『感謝〜勝利で恩返し〜』です。これは一期生全員で考えたもので私たちを応援してくれる方々に香って恩返しをしたいという思いから決めました。今大会では昨年の悔しさを胸に、どこよりもチーム力があり、どこよりも走れる、弘陵のサッカーを見せたいです。チーム力、笑顔、根性、情熱はどのチームにも絶対負けません!」
作陽(中国1位/岡山)
8大会連続8回目の出場。2013年、2014年と2年連続インターハイベスト4。今夏は2回戦で鎮西学院(長崎)に敗れた。この大会では準決勝で対戦することが予想された日ノ本戦を意識しすぎ、足元をすくわれた形になったが「自分たちは常にチャレンジャーなんだという原点に戻れた試合」と池田浩子監督は振り返る。
同校はなでしこリーグ湯郷Belleの下部組織で、池田浩子監督は湯郷Belleの元選手。「人とボールが動くサッカー」をコンセプトとし、男子サッカー部も全国屈指の強豪校だ。1回戦の対戦相手は前々回大会で後半アディショナルタイムに追いつき、PK戦の末に勝利した強豪の十文字。再びこの優勝候補に勝利を収めることで勢いに乗りたい。
キャプテン・伊藤さくら(3年)コメント
「みんなが繋いだ全国に少しでも早くケガを治してピッチに立つ。3年間一緒に戦ってきた3年生との最後の大会、笑って終わりたい。作陽のみんなを笑顔にしたい。応援してくれる人、男子の分まで戦う」
広島文教(中国2位/広島)
10大会連続10回目の出場。チームの中心選手の中には、なでしこリーグ2部所属のアンジュヴィオレ広島でもプレーしている選手がおり、上位を狙える力は十分。中国予選決勝の作陽戦では敗れはしたが、完成度の高いチーム力を見せた。前々回の選手権はチーム最高位となるベスト8。まずは今大会その成績を越えることを目標に、さらに上を目指す。
松木俊博監督
「出場する32チームすべてに優勝するチャンスがあるので目指せ優勝です」
キャプテン・筬島彩佳(3年)
「私たちのチームは全員がサッカーを楽しみながら毎日やっています。このチームの集大成として日本一目指して頑張ります」
高梁日新(中国3位/岡山)
2大会連続2回目の出場。なでしこリーグ2部所属FC吉備国際大学Charmeの下部組織。「ひたむきに、明るい、仲が良い、諦めない、全力で、最後は必ず勝つ」と掲げる高梁日新らしさの土台をぶらさずに個々のアイデアや長所を活かすサッカーを目指している。初出場となった前回大会、全国大会の雰囲気に呑まれ普段の高梁日新らしさを出せずに藤枝順心に大敗。当時ピッチに立っていた選手たちはその悔しさを今も忘れていない。
山川莉々加監督コメント
「現実目標は1回戦突破でのベスト16。挑戦目標はベスト8」
キャプテン・門田伽菜(3年)コメント
「今年の目標は全国大会で1勝することが目標です。今の22人のメンバーで少しでも多くの試合をするために1戦1戦、日新らしさを表現し勝ちに繋げていきたい」
鳴門渦潮(四国1位/徳島)
4大会連続4回目の出場。2012年徳島県初の体育科設置にともない、女子サッカー部が設立された。創部4年目で、4大会連続の選手権全国大会出場となる。創部一期生が昨年度で卒業し、今大会は新しい代で挑むこととなった。目指すは過去最高位ベスト16を越えるベスト8だ。
吉成浩司監督
「まず一戦必勝で四国のチームでもこれだけやれる選手がいるところを見てもらいたいです。目標ベスト8」
キャプテン・平島寧々(3年)
「私たちの横断幕にある『皆輝共鳴』という言葉の意味は、1人1人が頑張って、みんなが輝き、同じ目標に向かって、同じ音色を奏でる。という意味です。みんなで1つの目標に向かって日々の練習でお互いに切磋琢磨しています。本気でぶつかり合い、助け合い、協力し合っていて、『団結力』はどこのチームにも負けません。試合に出られなくても応援してくれる子、ベンチで出番を待っている子、そしてチームの代表でピッチに立っている子がそれぞれの役目をはたし、一つになって戦っています。試合をしている自分たちも、見てくれている方たちにも楽しく、そして感動をあたえられるような渦潮らしいアグレッシブで粘り強いパスサッカーをしたいです」
津田(四国2位/香川)
3大会連続3回目の出場。高校からサッカーを始めた選手が多く、技術・体力では強豪校に届かない部分も多いが、チームの約束事を最優先しフォア・ザ・チームを掲げ最後まで粘り強く守り、少ないチャンスを活かして全国初勝利を目指す。
山根康彦監督
「いつ始めたかではなく、今頑張っているから、サッカーの神様が微笑む。今からサッカーを始める女子に勇気を与えたい」
キャプテン・田中絵里香(3年)
「高校からサッカーを始めた選手が多いですが、今まで自分たちよりレベルが高い相手でも強い気持ちと粘り強さで勝ち抜いてきました。上手いサッカーというより泥臭く最後まで強い気持ち、粘り強さでかつチームです」
神村学園(九州1位/鹿児島)
22大会連続22回目の出場。第21回大会は準優勝、前回と前々回大会はベスト4、過去全国制覇2回と実績十分の九州を代表する優勝候補の一角。中高一貫の6年間、部員全員が寮生活を送っており家族のような関係を築いている。親元を離れ6年間サッカーに情熱の捧げたのは「日本一」の称号を手にする為。6年間で培った「絆」を武器に戦う。
寺師勇太監督
「この26人のメンバーとひとつでも多く試合をする。一戦必勝。ひとつずつ上がっていきたい」
キャプテン・橋谷優里(3年)
「神村学園は26名全員が寮生活を共にしているため一人一人の仲間意識が高いと思う。和となって初戦を全力で戦いたい。今年、いい結果が出なくて苦しい時に、OGや両親、友人に助けられました。恩返しの意味も込めて日本一になる」
鳳凰(九州2位/鹿児島)
4大会ぶり13回目の出場。しばらく全国大会の舞台から遠ざかっていた鳳凰高校が4大会ぶりに選手権出場を果たした。過去選手権2度の優勝を誇る鹿児島の名門校で、今回の九州予選は準優勝で第2代表となったが、県予選では強豪・神村学園に勝利し優勝している。強固な守備と全員ハードワークを武器に名門が再び選手権の舞台で輝きを放つ。
嶋田正照監督
「自分たちの取り組んでいることが少しでも表現できるように残された時間を大切にします。目標は初戦突破です」
キャプテン・米里ひなた(3年)
「私たちのチームは、サッカーを通して人として成長することをテーマに普段の生活から気遣うことや挨拶、礼儀をサッカー選手として大切にしています。技術のあるチームではないので普段から大切にしている当たり前のことを全力で取り組み、1人1人が実行することで力を発揮するチームです。全国の経験がないチームですが、粘り強さを出して一戦一戦全力プレーで挑みます」
鎮西学院(九州3位/長崎)
8大会連続8回目の出場。長崎県で2番目に古い134年の歴史がある鎮西学院高校。選手権出場常連校ではあるが、これまで結果が残せていなかった。しかし今夏のインターハイで全国3位に輝くなど、今回の大会への期待は大きい。
川原武監督
「自信を持ってピッチに立ち、鎮西のリズムでサッカーをします。目標は優勝」
キャプテン・矢野アマンダ由嘉利(3年)
「私たちのチームは、1年生17人、2年生13人、3年生13人、マネージャー4人の総員47人で活動しています。1人1人が個性豊かで、学年間の仲も良いので下級生はのびのびと自由にプレーできています。私たちは細かいパスを繋ぎ相手を崩していくポゼッションサッカーを目指しています。選手権では見ている人すべての人が『鎮西のサッカーは楽しい!』と言ってもらえるよう、ワクワク、ドキドキするようなプレーをしていきます」
東海大五(九州4位/福岡)
初出場。九州第4代表として初出場。創部2年目で1、2年生のみで構成されたチームだが今夏のインターハイにも出場している。「いつも笑顔を忘れずに」をモットーにして日々練習に取り組み、プレーは高速化をキーワードにパス・ランニング・切り替えなどを鍛え上げている。
山邉武彦監督
「感謝の気持ちを忘れずに一戦必勝で戦います。目標2勝、希望ベスト4、夢日本一です」
キャプテン・岩崎星(2年)
「私たちは『日本一という花を咲かせる』ことを目指し、創部2年目でメンバーも1、2年生のチームです。選手権は初出場で、すば抜けて能力の高い選手はいませんがその分チームワークがあり、高速パス、高速サポートでのパスサッカーを武器としています。夏のインターハイでは自分たちのサッカーができずとても悔しい思いをしたので、その悔しさを胸に持ち前の明るさを前向きな気持ちで最後まで諦めずに戦いたいを思います。まずは一勝、そしてベスト8、日本一をとりにいきます。自分たちをいつも支えてくれるたくさんの方々に感動を与えられるような大会にしたいです」