[写真]=Getty Images
ロンドン・オリンピックが幕を閉じた。4年に1度のスポーツの祭典は、ときに平和の象徴として、ときに国同士のプライドを懸けた戦いの舞台としての一面を見せ、世界中の人々が感動を共有することとなった。
人種の坩堝であるロンドンにおける世界的イベントは、人々を熱狂の坩堝へと誘った。サッカーとて例外ではない。
なでしこジャパンが史上始めてメダルを獲得し、U−23日本代表は前評判を大きく覆す4位と躍進を遂げた。ロンドンにおいて、日本代表は何を得たのか。どのような印象を世界に与えたのか。その活躍を、周囲の評価から振り返ってみよう。
グループリーグ初戦で強豪スペインから金星を挙げて……
イギリス紙『ガーディアン』
「日本が歴史を作った! 予想外だが勝利に値していた。日本は鋭敏かつ戦術面でスペインを上回っていた。スター選手ばかりの相手に5、6点は取れた。日本は素晴らしい団結力と粘りを見せ、いい選手が数名いた」
(永井謙佑について)「ワントップで、強さ、運動量、ボールタッチ、抜け目なさがあり、本当にいい選手だ。移籍市場はまだ開いているから、この状態を続ければどこからか声がかかるだろう。永井は大学を卒業して数年しか経っていない。イングランドの大学では専属のコーチはいない。日本の教育システムは参考になるのではないのだろうか」
スペイン『ムンド・デポルティボ』
「日本は明らかにスペインを凌駕していた」
「偉大な日本にスペインは圧倒され、混乱した。技術の高さとスピードの速さは予想していたが、はるかに壮観なサッカーで試合を支配していた」
モロッコに勝利し2連勝で決勝T行きを決めて……
『FIFA.com』
「日本はゲームの中で成長を続けていた。永井の巧みなロブシュートは勝利を掴む価値が十分にあった」
ブックメーカー『ウィリアムヒル』
U-23日本代表の評価が急上昇、英ブックメイカーの五輪優勝オッズで2番人気に
グループリーグを終えて……
『ESPNSTAR.com』
「日本代表はスペイン代表にただ単に勝っただけでなく、打ち負かして見せた。そのクオリティに疑いの余地はない」
「彼らはグループリーグで1得点も相手に与えなかった。日本に関する主な批判は、決定機が少ないということくらいだろう。ただ永井謙佑をワントップに置き、大津祐樹、東慶悟、清武弘嗣が後ろに備える攻撃陣は、印象的だった」
イギリス代表FWクレイグ・ベラミー
−グループリーグでの戦いぶりで最も印象に残ったチームは?と問われ
「日本は本当に良いチームだよ。彼らの姿勢は称賛に値する。日本のような戦いぶりが、この大会の基準になるだろう。彼らのような姿勢でプレーしなければならない。オレたちがこのトーナメントで到達しなくてはいけない基準はまさにそこなんだ」
FIFA代理人オベルト・ペトリッカ氏
「イタリアにも移籍することが可能な良い選手がいる。主将を務める吉田麻也と扇原貴宏だ」
準決勝進出を決めて……
『スカイスポーツ』
「新たな国々がロンドン・オリンピックで躍動」
「日出づる国のチームがエジプトに快勝。彼らはロンドン・オリンピックで印象的なプレーをしている」
決勝進出を懸けたメキシコ戦前に
元メキシコ代表ストライカーリカルド・ペラエス氏
「私は1998年のフランス・ワールドカップで韓国と戦ったことがあるし、日本とも親善試合で対戦する機会があったんだ。その頃からはかなり成長していると思うし、よりシャープで、素晴らしい集中力を持っている。それが特徴だね」
大会を4位で終えて日本代表の先輩たちは……
日本代表GK川島永嗣
「同じ日本人のサッカー選手として、両チームが勝ち上がるごとに本当に誇りに思った」とコメント。さらに、「日本のサッカーがどんどん成長してきているんだというのを外側からひしひしと感じさせてもらいました」
日本代表MF香川真司
「男女共に本当に素晴らしかったと思います。チームとして一体感があり、日本らしいサッカーをやっていたと思います。とくに女子はアメリカを相手に屈することなく、自分達のサッカーをやっていました。一日本人として、一サッカー選手として本当に誇らしく感じました」
日本代表FW岡崎慎司
「サッカーで日本が盛り上がることがこんなにうれしいことなんやと思った!そして改めて、盛り上げるのが俺らのやることではなく、熱くて良い試合をして勝ちを目指すことが俺らのやるべきこと、一番大事なことだと思った!!」
「北京で全く僕は何もできなかった。だからこそ思う。メダルをかけて戦えたことがどれほど羨ましいことかと!」