3戦連続弾と5連勝に期待がかかる乾
多くの日本人選手が参戦しているブンデスリーガ。2部の昇格候補、ボーフムに所属する田坂祐介も含め、多数のプレーヤーが活躍の場を求めてドイツへと渡り、今や日本人選手がプレーしない週末はないほどだ。
ブンデスリーガ第4節に出場した選手たちのプレーを、現地メディアはどのように評価したのか。採点と寸評を、振り返ってみよう。
※採点で特に記載がないものは最高点1、最低点6
【乾貴士/フランクフルト】新たなブンデスリーガの種目を生み出した
[写真]=原田亮太
『Frankfurter Rundschau(フランクフルター・ルントシャウ)』
採点:Gut dabei(ナイスゲーム)
※数字採点ではなく、GanzOkay=十分合格/及第点、Gutdabei=健闘、という表現採点
「乾が新たなブンデスリーガの種目(分野)を生み出した。Inui-Slalomだ。(※Slalom=スキー・アルペンの回転種目“スラローム”のこと。高速ターンの意味)」
「この日本人選手が足にボールをたずさえ左から中央へペナルティーエリア方向へと向かうと、敵の選手の間には一気に危険信号“赤”が広がる。が、為す術はなし。なぜなら、乾はサーカスのゴム人形のように相手ディフェンスに巻きつき、そして右足の柔らかいタッチでボールをゴールへとおさめてしまうからだ。今回の2-0のゴールのように」
【清武弘嗣/ニュルンベルク】アシストを記録するが……
[写真]=千葉格
『Revier Sport Online(レヴィーア・シュポルト)』
採点:2.5
「試合を通じて、先週のメンヒェングラードバッハ戦ほど目立つプレーとはならなかったが、それでもやはりニュルンベルクの選手の中では最も強力な攻撃選手であった。ほぼ全てのセットプレーにおいて、相手ゴール前に脅威を与えた。その結果として、80分にニュルンベルク唯一のゴールであるポルターのゴールをフリーキックでアシストしたのは当然のことだった」
【宇佐美貴史/ホッフェンハイム】チームは負けたがパフォーマンスは高評価
『Sportal.de(シュポータル』
採点:3.5
「喜々として走る(よく走る)というのは、宇佐美が手にするにふさわしい評価だ。ことあるごとに彼はジョンソンとともにハノーファーのもろい右サイドをこじ開けて行った。もっとも、目に見えるような成果はもたらされず、骨折りではあったものの平均点以上の評価には足りず」
【酒井高徳/シュトゥットガルト】前への動きは精力的であったが……
『Stuttgarter Zeitung(シュツットガルター・ツァウトゥング)』
採点:4
「前への動きは精力的であったが、後ろへの動き(守備)は依然として良くない。まだ肉体面(フィジカル面)での遅れを取り戻す必要がある」
【岡崎慎司/シュトゥットガルト】再三のチャンスが訪れた
『Stuttgarter Zeitung(シュツットガルター・ツァウトゥング)』
採点:3
「ゴール前でもっと研ぎ澄まされていたのなら(冷静であったなら)、Man of the Matchになることができたであろう。最大のチャンスをフイにしてしまった。とはいえ、精力的に動いていたからこそ、彼のもとに再三のチャンスが訪れた」
【田坂祐介/ボーフム】収穫と課題
『Revier Sport(レヴィーア・シュポルト)』
採点:5
「この日本人選手は不運な姿を見せてしまうことになった。試合開始5分には(先制点で)チームをリードにもってこなければならなかった。ボールロストも多かった」
『Westdeutsche Allgemeine Zeitung(ヴェストドイチェ・アルゲマイネ・ツァイツング』
採点:4.5
「この日本人選手は、まだボーフムにフィットしていない。彼が優れたテクニックの持ち主であることは、スタジアムの誰もが目にした。しかし、田坂のフィニッシュまでの弱さが観客の目にとまってしまった。早い時間帯(11分)に先制のゴールをもたらさなければならなかったが、あまりにも慌ててシュートを撃ってしまった。それ以外に、21分には、不用意なバックパスでキーパーのルーゼを困惑させる場面も」
※酒井宏樹(ハノーファー)は出場時間が短く評価はなし
※内田篤人(シャルケ)、長谷部誠(ヴォルフスブルク)、細貝萌(レヴァークーゼン)は出場せず