[提供:サッカーキングフリー vol.001]
日本代表が2014年ブラジルW杯に出場しベスト8以上の成績を残すには何が必要か。
2年後を見据えた6つの議題を挙げ、『サッカーキング』上でファンから意見を募った。
文=古川智大、土田旺子、吉永伸也、三野晃大 写真=兼子愼一郎、足立雅史、野口岳彦
FWの現状
前田遼一や李忠成、ハーフナー・マイク、森本貴幸など多くの選手が1枠を争う。現時点ではW杯最終予選で4試合3得点と結果を残している前田が一歩リードか。
MFの現状
香川真司や本田圭佑はもちろん、清武弘嗣、宮市亮、宇佐美貴史といった若手も成長しており豊富な人材がそろう。懸念は司令塔、遠藤保仁の代役不在。
DFの現状
ザッケローニ就任以降は、長友佑都、吉田麻也、今野康幸、内田篤人の4人がレギュラーを務めてきた。サイドバックでは酒井宏樹、酒井高徳の台頭も見られる。
GKの現状
南アフリカ大会直前にレギュラーの座を奪取、欧州で経験値を上げた川島永嗣が現状はファーストチョイス。北京世代の西川周作、ロンドン世代の権田修一が続く。
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Q1.4-2-3-1の1トップにふさわしい選手は?
A1.最終予選で活躍中の前田が有力。本田起用の“0トップ”を推す声も
多くのファンは、前田遼一の1トップ起用を理想と考えている。「他の選手より足元がうまい」、「決定力や動き出しが良い」、「周りを生かすプレーが出来る」など評価は高い。ただし、年齢を考慮してか「現時点では」と付け加える意見も見受けられた。
次に票を得たのは、MFの本田圭佑だ。「南アフリカでの実績がある」、「キープ力はNo.1」、「ゴールに対して意欲的」といった声が聞かれた。EURO2012でのスペインのような“0トップ”をイメージするファンが多いようだ。香川真司をトップ下に起用できる点もメリットとして挙げられている。
前田と本田に共通していたのが「2列目の選手を生かせる」という点だ。ハーフナー・マイク、森本貴幸(カターニャ)、李忠成(サウサンプトン)も票を集めたが、いかに中盤の人材を生かせるかが大きな基準となったようだ。
サッカーファンの意見
前田……「左右両足、頭、バランスよく点が取れる」、「攻撃の歯車を回す潤滑油として、彼が一番良質」
本田……「フィジカルが強いポスト役。ゼロトップで!」、「圧倒的なボールキープ力と決定力、最大の武器である中盤の人材を最大限活用するため」
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Q2.日本代表の心臓、遠藤の後継者は誰?
A2.柴崎と扇原にかかる大きな期待。“遠藤は唯一無二”との意見も
遠藤保仁の後継者として最も多くの票を集めたのは鹿島の柴崎岳(写真)だった。パスセンスや冷静さ、視野の広さなどを評価する声が多く、将来への高い期待が伺えた。同じくファンから期待を集めたのが扇原貴宏(C大阪)だ。柴崎と同様、ゲームメーク能力への評価と、オリンピック予選での成果が認められている。
本田圭佑や細貝萌(レヴァークーゼン)を挙げる声も多かったが、一方で「後継者はいない」という意見も少なくない。遠藤に対しては「特別な選手」や「変えられない」との意見があり、「後釜を無理に見つけなくてもよい」、「遠藤が去った後はシステムを変更すべき」との声もあった。
柴崎ならボールを運ぶ技術、扇原なら長身や守備能力、本田ならキープ力やミドルシュートと、遠藤とは違った色を持ったボランチ像を期待しているようだ。
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Q3.右サイドバックのファーストチョイスは?
A3.内田と酒井宏の一騎打ち。酒井高や長友の起用案も浮上
現在ファーストチョイスとなっている内田篤人(左)が多く票を集めたが、ハノーファーへ移籍した酒井宏樹(右)もほぼ同数の票を得ている。主に内田は「攻撃の際のビルドアップ能力」や「戦術眼、判断力の良さ」。酒井宏は「積極的なドリブルと正確なクロス」、「身長183センチの強いフィジカル」などが評価された。ドイツで新たなスタートを切ったこともあり、さらなる成長を期待する声が多い。
一方で彼ら以外の選手を推す意見もあった。シュトゥットガルトでレギュラーとして活躍し、現地マスコミから「ドイツへの帰化を!」とまでの高評価を受ける酒井高徳や、現代表の長友佑都が挙げられた。酒井高には、クラブのチームメートで代表の右サイドを務める岡崎慎司との好連係も期待しているようだ。その他、駒野友一(磐田)に期待する意見も聞かれた。
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Q4.代表復帰が期待されるベテラン選手は?
A4.闘莉王が圧倒的人気。“現状で十分”とも……
オーストラリア戦で露呈した高さ対策や精神的支柱として田中マルクス闘莉王(写真)を推す声が圧倒的。「活を入れられる存在」といった評価が見受けられた。同様の理由で、三浦知良(横浜FC)を推すファンも。一方で、現代表を評価し「復帰選手は必要なし」という意見も多かった。
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Q5.ロンドン世代から飛躍するヤングスターは?
A5.宇佐美の潜在能力に期待。清武らにはさらなる機会を
宇佐美貴史(写真)の将来性に期待する声は大きい。「日本の至宝になる日が必ず来る」、「香川に匹敵する逸材」とファンは太鼓判を押す。すでにA代表デビューを果たしている清武弘嗣や酒井高徳には定着を望む声が多い。その他、遠藤保仁の後継者として扇原貴宏の名が挙がった。
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Q6.W杯ベスト8進出への切り札となり得るのは?
A6.スピード溢れる宮市がジョーカーになり得る
多くのファンは宮市亮がジョーカーになり得ると考えている。「足が止まり始める時間帯で彼の突破力は脅威」といった持ち前のスピードを生かす案が多数だった。清武弘嗣は「流れを変えられる存在」として期待されている。前回大会で活躍した本田圭佑を推す意見も見られた。
サッカーファンの意見
宮市……「高卒で海外に出ているので大舞台に強そう」、「あのスピードは絶対に流れを変えられると思う」
清武……「個で打開できる選手だから」、「パスもゴールも期待できる」