[サムライサッカーキング1月号掲載]
試合中に見せる、あの鋭い眼光。日本代表を最後尾から支え続ける守護神・川島永嗣が、的確な分析力と鋭い人間観察力で、日本代表のチームメートについて語り尽くす。
Interview by Yoshihiro IWAMOTO Photo by Masashi ADACHI
長友は「体幹ゴリラ」、今野は「永遠のキャプテン」
■本田圭佑:俺のほうが負けず嫌いだ!!
圭佑は変わらないですね。僕の印象からすると、18歳の時に練習生としてグランパスに来ていた時と今とでは、良い意味で何も変わらない。自分もそうだったけど、あの頃からすごく高みを目指していましたから。ただ、いつも圭佑には言ってるんですが、負けず嫌い度では圭佑には「負ける」って書いておいてください(笑)。それを言うと絶対に圭佑は「エイジのほうが負けず嫌いだ」って言い返しますけど。
■前田遼一:まだ食べてるの?
遼一君はもともとすごくクレバーな印象が強いけど、結構ボーッとしている(笑)。散歩隊でも一緒でよくいろんな話をします。あと、めっちゃ食べます! 代表の食事の時とか、僕も結構食べるほうなんですけど、食事の終わり頃になっても「まだ食べてるの?」っていうのはよくありますね。お互いに、ですけど。
■香川真司:ギャップが面白い!
真司は見ていて面白いですね。選手としてもそうだし、代表でもずっと一緒にやっている中で、ピッチの上ではいい意味でポイントになってくれたり、すごく頼りになるんです。でも、ピッチの外だと普通の青年みたいな感じ。そのギャップがあるから、見ていて面白いと感じるんでしょうね。サッカーをやってる時は自分の世界観とかイメージがあるんだろうなって思うけど、ピッチから離れると全然、ただの楽しい青年に変わるんですよ。
■長友佑都:要するに『体幹ゴリラ』!
佑都も真司と同じで、ピッチを離れたら普通の青年っていうイメージは変わらないですね。でもすごく努力してるというか、人の話を聞いたり、素直にいろんなことを認められるタイプ。まあ要するに『体幹ゴリラ』って感じじゃないですか(笑)。俊さん(中村俊輔)とか、みんなにかわいがられてきたし、なんか憎めない奴なんですよね。例えば、インテルのようなビッグクラブでプレーしているのに普通な感じなんですよ。ビッグクラブでやってます、なんて感じは一切見せないですからね。
■今野泰幸:僕の中での“永遠のキャプテン”
コンちゃんはU-20日本代表の頃からずっと一緒にプレーしてきてますからね。実はU-20の時、キャプテンだったんですよ、コンちゃん。だから僕の中では“永遠のキャプテン”です! いや、でもやっぱりコンちゃんは面白いですよ。オカ(岡崎慎司)のような意図的に笑わせるキャラクターじゃないんですけど、食事の時、テーブルにコンちゃんがいるとそれだけでみんなが笑うみたいな、そんな存在なんですよ。
■ハーフナー・マイク:全然遊びに来てくれない!
マイクは高さもあって、他の選手にはない物を持っている。普通の日本の選手が持てない能力を持っているし、もっともっとそれを生かすことができると思います。チームでも、代表でもそう。でもね、「遊びに来る」って言っておきながら、全然遊びに来てくれないんですよね(苦笑)。
■遠藤保仁:あのマイペース具合はすごい!!
ヤットさんの、あのマイペース具合はすごいですよね。本当に自然体だからすごいと思うんですよ。前に一度、その根源は何なのかと思って、話の最中に探ったりしたんですけど、結局探り切れませんでした。でもヤットさんってああいうふうに見えて、自分の中に強い芯があって、曲げたくない物があると思うんですよ。それでも日本代表では自分が試合に出ていない時から、チームのために犠牲を払っていて、それが見ていてすごいなと思っていましたね。
■吉田麻也:キャプテンキャラはどんどんやって!
麻也とはいろいろ境遇が近いんですよね。DFとGKでポジションも近いし、グランパスでプレーした経験も同じだし。そういういろんな共通点もあって……。そう言えば、ロンドン・オリンピックで麻也はキャプテンだったから、本当はキャプテンキャラじゃないのに、代表でもキャプテンキャラを出そうとしているのでそういうのはどんどんやってもらいたいですね。まぁそれでイラっときたらしっかり言わせてもらいます(笑)。あとは、シュートコースを変えるのをやめてもらいたいですね……(笑)。この前のオマーン戦の失点のシーンでも触ってるんですが、僕も止めなきゃいけないと思ってた矢先、悪いと思ったのか、5分後ぐらいに麻也が俺のことをじーっと見てきて。だから試合後に「5分後ぐらいに見つめるのやめてもらっていい?」って言っておきましたよ。
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内田は「くだらないギャグが大好き」、長谷部は「本当に“真面目”か?」
■岡崎慎司:プライベートもあのまんま!
オカは代表の中で言えば、機動力のある選手というか、献身的な動きでリズムや流れを作ってくれる選手ですね。それとFWらしく、ゴールに向かう力がすごいなといつも感心させられます。海外でプレーするようになってからも、局面局面ですごく強くなったなと感じますし。プライベートは、多分、皆さんの認識どおり、あのまんまですよ。ただ身だしなみには無頓着なので、もうちょっとちゃんとしてほしいかな(笑)。
■内田篤人:実はすごく負けず嫌い
篤人はくだらないギャグが大好きですね。古いやつ。ホントくだらないの(笑)。でも何だろう、見ていて面白いです。日本にいる時から知ってるし、仲良くしてるし、一見芯がなさそうで実はすごく負けず嫌い。自分の中の表現方法みたいなのがはっきりしてるから、一つのきれいな線を見ているというよりは、鮮やかな物を見ているような感じがして面白いですね。って、分かりますか?(笑) 篤人って口ではいろいろ言うじゃないですか。こっちに来る前も、「海外なんて行きたくない」とか言ってたし。でも篤人が海外に来て、英語で外国人選手とコミュニケーションを取っているところを間近で見たりすると、「こんなに頑張っているんだ」みたいなね。それに選手としてもまだまだ若いけど、チャンピオンズリーグだったり、チーム内での境遇の変化だったり、本当にいろいろな経験をしていて、プレーヤーとしての器が大きくなってきているんじゃないかなって感じますね。
■清武弘嗣:冗談ぐらいは言わせて!
キヨはこれからもっともっと成長していくタイプの選手だと思います。持ってる物もすごいですからね。攻撃でもすごくいいアクセントになるので、そこは自信を持ちつつ、海外に来て、また新しい環境の中でも自信をつけてどんどんやってもらいたいですね。プライベートで、一度、俺が冗談を言った時に、「永嗣さん、そんなこと言うキャラなんですか?」みたいなことを言ったことがあるんですけど、冗談ぐらいは言わせてもらいたいですね(笑)。冗談ぐらいは。
■細貝萌:いつも誰かといるよね!
ハジは、もともと僕の中ではすごくしっかり者というイメージがあったんです。若いのに、すごくしっかりしてるなって。でも、結構な寂しがり屋なのかいつも誰かといるイメージがありますね。プレーの面で言うと、成長度が半端ないですね。アウグスブルクでもそうだったけど、今のチームでも確実に高いレベルの中で競争していて、それでいてレギュラーを勝ち取ろうとしている。それにハジはいい奴ですよ。本当にいい奴。奥さんもいい人だし。あんまり知らないけど(苦笑)。いや、一回挨拶したことがあるだけだけど。話でよくいい人だと聞いていたので(笑)。
■宮市亮:すごくピュア!
亮は物怖じしないですし、彼が持ってる才能は本当にすごいと感じますね。若いからこそ、後のことなんて考えないでどんどんチャレンジしていってもらいたいです。あと、亮はすごくピュアなんです。例えば、「一発ギャグをやって」って先輩たちに言われた時に、「マジっすか?」なんて言いながらも、絶対にやるんですよね。汗をかきながらもやらなかったことなんて一度もないんじゃないかな。吉田なんとかという選手より上下関係がしっかり分かっていますね(笑)。
■乾貴士:まだまだ伸びる!
乾はまだまだ伸びると思いますよ。持ってる物を十分に生かし切れれば、ね。むしろ、乾みたいなタイプこそ、メンタルの部分で何かきっかけをつかんでほしいですね。才能は素晴らしいので、メンタルが成長したら、きっとすごい選手になれると思うんだけど……。
■長谷部誠:本当に“真面目”か?
マコは選手としても、人間としても、尊敬できるタイプですね。周りのことを見ることができるというか、リーダーである前に自分自身が成長しなければいけない、選手としても高いレベルでやっていなければいけないというのが分かってる人です。普段の行動でもそうだし、プレーでもそういうことを示せるタイプだなと思います。ただ、本当に「真面目か?」みたいな部分はありますけどね(笑)。しっかりしてそうに見えて、この前なんて会う約束をしていたのに実は別の約束があった、みたいなことがあったり。ダブルブッキングまではいかないですけど、「デュッセル来る?」って言われて、「オーケー」って言ってたら、実はその日インタビューが入っていた、みたいな。「自分から言っといて何それ?」って(笑)。