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地元紙の寸評で振り返る内田篤人の2012-13シーズン前半戦

2012.12.25

写真=千葉 格
内田篤人
 2012-13シーズン前半戦、内田篤人はリーグ戦で2つの記録を刻んだ。第9節のニュルンベルク戦で節目となるブンデスリーガ50試合出場を達成し、続く第10節のホッフェンハイム戦でブンデスリーガ初ゴールを記録。昨シーズンはシーズンを通じて18試合出場と控えに甘んじたものの、今シーズンはレギュラーとして折り返し次点で12試合に先発している。もっとも、定位置を完全に確保したわけではない。序盤はベンチからピッチを見守る時期もあり、2度の負傷離脱も余儀なくされた。

 ケガの回復、シーズン後半戦の活躍を期待しつつ、内田の2012-13シーズンのリーグ戦出場記録を、シャルケを追い続けている地元紙『Revier Sport Online』と『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』の寸評とともに振り返ってみよう。

▼2012-13シーズン前半戦 内田篤人 出場記録
ブンデスリーガ:12試合・1得点・0アシスト

【8月】
■8月26日|ブンデスリーガ第1節 vsハノーファー(A)2△2
出場時間:先発フル出場
『Revier Sport Online』採点:3
『Revier Sport Online』寸評
「右サイドで”ウッシー”(内田の愛称)の前にはファルファンというパスを送る相手がいなかった。もしかしたらそのせいなのか、前への攻撃がかなり控えめだった」

【9月】
■9月1日|ブンデスリーガ第2節 vsアウグスブルク(H)2○1
出場時間:先発フル出場
『Revier Sport Online』採点:3
『Revier Sport Online』寸評
「前半、ヴェルナーにクロスを上げさせた場面は不注意だった。それ以外では、この小さな日本人選手はしっかり気をつけていた」

『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』採点:4
『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』寸評
「守備面で不安定。21分にはJa-Cheol Kooとの競走に負け(※走る競争で負けたという意味です)、25分には自陣ペナルティーエリアで不要なフリーキックを与え、56分にはひどいパスミスでアウグスブルクにカウンターのチャンスを許してしまう。79分にアウグスブルクがゴールを決めた場面では立っているだけだった」
「ファルファンとのコンビネーションが合い始めたのは、試合が決まってしまってから―つまり2-0になった後―だった」

■9月25日|ブンデスリーガ第5節 vsマインツ(H)3○0
出場時間:先発フル出場
『Revier Sport Online』採点:4
『Revier Sport Online』寸評
「自身のポジションを正しく確立するまでには至らなかった。前節、右サイドバックでプレーしたへヴェデスと比較しても、違いは見せられず。大半のプレーで、低調なシャルケの試合運びに合わせてしまった」

『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』採点:4
『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』寸評
「不調のマティップに代わりスタメンに名を連ねた。輝かしいプレーはなかったものの、徐々に調子を上げていった。ベストプレーは、19分に危機一髪のところでイヴァンシッツ相手にボールをクリアした場面」

【10月】
■10月6日|ブンデスリーガ第7節 vsヴォルフスブルク(H)3○0
出場時間:先発フル出場
『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』採点:2
『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』寸評
「50分と70分に内田がボールを奪うと、ステフェンス監督からは拍手が、そしてファンからは喝采が送られた。これらは、的確なタイミングでスライディングを仕掛け、再三に渡りヴォルフスブルクのゴールラインまで突破する右サイドバックのプレーヤーの高いパフォーマンスを評価するものであった。内田の今季ベストゲーム」

■10月20日|ブンデスリーガ第8節 vsドルトムント(A)2○1
出場時間:先発フル出場
『Revier Sport Online』採点:2
『Revier Sport Online』寸評
「74分にロイスに決定機を作られてしまうが、相手のミスに助けられた。1-0の場面、右サイドをかけ上がり、ノイシュテッターからのパスを受けたところでは、完璧なプレーで応えてみせた」

『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』採点:3
『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』寸評
「ファルファンが前にいると、内田の動きは格段に良くなる。14分、ノイシュテッターからのパスを手本のような対応を見せると、ファルファンの動きを見逃すことなくつないだ。守備では、たった一つだけミスがあった。74分、ロイスにボールを奪われが、ペナルティーエリア内で再び奪い返した」

■10月27日|ブンデスリーガ第9節 vsニュルンベルク(H)1○0
出場時間:先発フル出場
『Revier Sport』採点:3
『Revier Sport』寸評
「79分にはティモ・ゲブハルトに対するスライディングで、シャルケが手にしたばかりの先制点を守る。とても精力的に動いていたが、プレーに正確性を欠く場面が目立った」

『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』採点:3.5
『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』寸評
「味方のいない場所へ送ったクロスなど、あまり効果的な動きを見せていなかった」
「ディフェンスは良かった。79分のティモ・ゲブハルトに対するブロックの際には、ノルトクルヴ(熱狂的なサポーターが陣取るゴール裏スタンド)から“ウッシィイイイ”の大合唱が起きていた」

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内田篤人
【11月】
■11月3日|ブンデスリーガ第10節 vsホッフェンハイム(A)2●3
出場時間:先発フル出場(1得点)
『Revier Sport』採点:4
『Revier Sport』寸評
「0-1以前は攻めの動きにあったため、守備が十分ではなかった。82分、フンテラールがヒールシュートをわずかのところで決め損ねた後、2-2となるゴールを決めた。シャルケでの51試合目にしてリーグ戦初ゴールとなった」

『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』採点:4.5
『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』寸評
「試合序盤は懸命な攻撃参加をした。それほど成功しなかったが、再三に渡りクロスを供給。成功を収めたのは82分。珍しい位置でありながらも、まさしく正しいポジションをとるとセンターフォワードばりのゴールで2-2とした。しかし、最後のホッフェンハイムの決勝ゴールは、ただ見ているだけだった」

■11月24日|ブンデスリーガ第11節 vsフランクフルト(H)1△1
出場時間:先発フル出場
『Revier Sport』採点:4
『Revier Sport』寸評
「立ち上がり、同郷の乾に相当手こずっていた。非常に大きなスペースを与えていたが、試合の中で調子をつかむとジェフェルソン・ファルファンとともに右サイドをいつものようにかき回した」

『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』採点:4
『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』寸評
「内田に関してフーブ・ステーフェンス監督は『肉離れの後、クリストフ・メッツェルダーほどは回復していない』としていたが、監督はこの日本人選手を同郷の乾のマークにつけた。42分のアイグナーの決定機の場面のように、内田は同郷の相手に何度か抜かれることがあった。後半に入り、上手く抑えられるようになった。彼の攻撃参加の成功は、この試合では片手で数えられるほどだった」

■11月27日|ブンデスリーガ第12節 vsハンブルガーSV(A)1●3
出場時間:先発フル出場
『Revier Sport』採点:5
『Revier Sport』寸評
「試合開始から相手選手に多くのスペースを与えてしまう。ポジショニングのミスも多く、前線の味方へボールを出すことも皆無に等しかった」

■12月1日|ブンデスリーガ第15節 vsボルシアMG(H)1△1
先発フル出場
『Revier Sport』採点:4
『Revier Sport』寸評
「8分、カウンターから攻めるパトリック・ヘアマンを止めるという重要なプレーがあった。所々集中力を欠いたプレーがあり、それによりしばしばボールを失っていた」

『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』採点:4
『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』寸評
「彼はシュート力のあるフアン・アランゴとマッチアップすることが多かった。そのアランゴには、味方ディフェンスとの連携でシュートに持ち込ませることがなかった。それはいい点だった。それに対してあまり良くなかったのが、攻撃面での努力で、しばしばセンターラインで終わってしまっていた。ジェフェルソン・ファルファンとの連携は、それよりは上手くいっていた」

■12月8日|ブンデスリーガ第16節 vsシュトゥットガルト(A)1●3
出場時間:71分間(先発途中交代)
『Revier Sport』採点:5
『Revier Sport』寸評
「先制点を与えた場面はなんと不運だったことか。彼があまりに大きな間を取っており、(相手MF)イブラヒマ・トラオレがその間で右サイドを完全に突き破ってしまった。トラオレが『ありがとう』と言うかのようにヴェダド・イビシェヴィチへクロスを上げた。これ以後も大きなポジショニングのミスを重ね、1対1の競り合いでも目に見えて弱かった」

『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』採点:5
『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』寸評
「彼にとって最良の日ではなかった。彼は(69分に)スローインすらミスしてしまった! すでに開始して108秒後には悪夢のスイッチが入ってしまっていた。ジャーメイン・ジョーンズのパスミスの後、素早く戻ってくることができず、厳しい結果を迎えることに。シュトゥットガルトのイブラヒマ・トラオレがそこから速攻し、ヴェダド・イビシェヴィッチが1-0のゴールを決めた。このゴールの後、内田はトラオレがスプリントを仕掛けると追いかけられないこともあった。攻撃でも努力はしたものの決定的なパスを出せず」

■12月15日|ブンデスリーガ第17節 vsフライブルク(H)1●3
出場時間:29分間(先発途中交代)
『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』採点:4
『Westdeutsche Allgemeine Zeitung』寸評
「20分にロングパスでシャルケの先制ゴールを導く。しかしその後に負傷で影響が出る。26分の1-1になる場面で、内田はマックス・クルーゼの後を追うのみで、そのクルーゼから完璧なボールを送られたヤン・ローゼンタルがゴールを決めた」

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