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【インタビュー】『ウイイレ』東南アジア代表に聞く「eSportsのお国事情」

2017.05.31

東南アジアエリアの代表として出場したマレーシアのラザク

 近年、日本国内でも少しずつ裾野が広がりつつあるエレクトロニック・スポーツ、通称『e-sports』。プレーヤー同士で対戦するコンピューターゲームをスポーツとして実施していくもので、FPSや格闘ゲーム、スポーツゲームを中心に世界でバトルが繰り広げられている。

 6月2日にはUEFAチャンピオンズリーグ決勝に合わせて『ウイニングイレブン2017』の公式世界大会決勝が行われる。日本からはアジア地域決勝を見事に勝ち抜き、世界一を争うための切符を手に入れた2名が『ウイイレ最強』を目指す。

 また、『ウイニングイレブン』シリーズにおいては、9月14日に新作『ウイニングイレブン 2018』がリリースされることも発表。新たなステージへの準備も着々と進んでいる。

『サッカーキング』ではアジア地域決勝に東南アジア代表として参戦した2選手、ユナン選手(インドネシア)とラザク選手(マレーシア)にインタビュー。両国のeSports事情について聞いた。

取材=小松春生
写真=瀬藤尚美

日本代表や制作陣、アジア各国代表へのインタビューなど『ウイイレ2017』最新情報はコチラ

インドネシア代表のユナン

——まず、自己紹介を兼ねて『ウイイレ』歴、プレイ環境などから教えてください。

ユナン インドネシアでメカニカルエンジニアの仕事をしていて、年齢は37歳。11歳の頃から『Pro Evolution Soccer』(『ウイニングイレブン』の海外での商品名、以下PES)をプレイしていて、毎日1時間くらい画面に向かっていますね。機材はヘッドセットくらいで、特別なものは使っていません。時々、家に来た友人とオフラインで対戦もしますが、ほとんどがオンラインでプレイしていて、友人ともオンラインでの対戦が中心です。

ラザク マレーシアで韓国企業の従業員として働いていて、10歳の頃からPESをしています。日本には本当にいいプレーヤーがいて、すごくいい経験ができました。私も毎日、リビングにある60インチくらいのテレビで、平均2〜3時間くらいプレイしています。マレーシアでは整ったインターネット環境がまだあまり整備されていないので、ほとんどの人たちがオフラインで遊んでいますね。

——インドネシア、マレーシアでそれぞれeSportsはどれくらい認知・普及していますか?

ラザク マレーシアではユースと言えるような若い世代が中心です。子どもたちも結構プレイしていますね。公式eSports大会はあまりありませんが、PESに関して言えば個人レベルの大会は東南アジアで毎年開催されています。

ユナン インドネシアではeSportsに参加する人数はとても多いですね。コンソール機よりもPCゲームプレイヤーが中心です。サッカーゲームという点で言えば、全体の75%はPESをプレイしていると思います。

アジア地域決勝では香港勢とも対戦したラザク(右)

―――eSportsの強化を目的とした団体やクラブチーム、コミュニティはありますか?

ユナン インドネシアではチームはたくさんあるんですが、本業がある人たちが多いので、スケジュールが合わず、一緒にやることはなかなか難しいですね。

ラザク クラン(オンラインゲームにおいて同じ目的を持つグループ)はたくさんあります。どうやったら大会で勝てるか、といったディスカッションはもちろんしています。

ユナン 強くなるためのディスカッションはインドネシアでも同様にしています。ただ、私にとってはゲームをプレイ(遊ぶ)するということがパッションの最大の源なので、プレイできればそれだけで喜びですね。

ラザク 私もゲームで遊ぶことが最大の趣味ではあるので、楽しみながらやって、そこに賞金などの得られるものがあるなら、最高ですね(笑)。

JFAにあるバーチャルスタジアムでアジア地域決勝は開催された

―――強化をサポートする協会や支援などについてはいかがでしょうか?

ユナン インドネシアは協会のようなものはまだなく、支援するスポンサーの存在もまだまだわずかです。今は、各コミュニティが頑張ってスポンサーを集めている段階ですね。個々が頑張って、一からやっているという状況です。

ラザク 個々の会社がスポンサーにつく大会が開かれるようにはなってきていますが、協会があったり、政府からの援助がある、というステップまでは至っていません。僕らとしてはeSportsが大きくなることを願って、日々プレイしています。目標はナンバーワンですよ!(笑)

——今回の大会のように、アジア地域での交流ができることもeSportsの魅力の一つだと思います。

ラザク 世界中でいろいろな人たちと知り合って、友達になったり仲間になって、様々な文化に触れることもできる。それは素晴らしいことですよね。互いに家族のような関係を築くことができれば、それはすごく喜ばしいことだと思います。

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By 小松春生

Web『サッカーキング』編集長

1984年東京都生まれ。2012年よりWeb『サッカーキング』で編集者として勤務。2019年7月よりWeb『サッカーキング』編集長に就任。イギリスと⚽️サッカーと🎤音楽と🤼‍♂️プロレスが好き

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