からあげ選手がウイイレ日本代表について語った
現在ジャカルタで開催中の第18回アジア競技大会。男女サッカーをはじめ、様々な種目で日本代表選手がメダル獲得に挑んでいるなか、大会終盤には『ウイニングイレブン』の日本代表、杉村直紀(SOFIA)選手と相原翼(レバ)選手がアジア王者の座をかけた戦いに臨む。
2人は東アジア地域予選を全勝で突破するなど実力の高さを見せつけており、金メダルへの期待も高い。そこで、『ウイニングイレブン2018』のプロライセンスを所持し、両選手とも対戦経験のあるからあげ選手に話を聞き、2人のストロングポイントや優勝するためのカギとなる部分などを語ってもらった。
からあげ選手は世界大会『PES LEAGUE WORLD TOUR』に出場した経験もある実力者で、日本のウイイレ界をけん引してきた選手だ。そんなからあげ選手から見て、杉村選手は「AIの動きを見る」という点が特に優れているという。
「最近のウイニングイレブンはAIの動きがかなり進化しています。そして、杉村選手はその動きをよく見てプレーすることができる。それがほかの選手と比べて突出しているなと感じます。AIの動きに合わせて戦術を組み立てたりするのが上手くて、ボールを受けたときにパスを出すのか、ドリブルするのか、その判断がとても的確です。そこが彼の一番の強みかなと思いますね」
つまり、自分が操作している選手以外の動きをよく見る、ということだ。言葉にするのは簡単で、これを真似すればすぐに上達できるのではないか、と思ってしまう。しかしそれは、プロライセンスを持つからあげ選手でさえ「なかなかできないこと」のようだ。
「ドリブルをしながら味方の動きを見るというのは、すごく難しいです。相手のDFが寄せてくるので、かわしながら周りを見ないといけないですからね。ドリブルはちょっとでも動きを間違えればすぐ取られてしまいますし、簡単に言いますけどなかなかできないことなんですよ」
一方、相原選手は当時17歳(現18歳)という若さで日本代表決定戦を制したニューフェイスで、「若さゆえの思い切りの良さ」が最大の強みだ。
「相原選手は、あえて相手にボールを持たせて、引いて無理のないプレスをしながら、ボールを奪ったら前に残っている選手をうまく使ってロングパスで一気に崩すスタイルです。前線の人数は少ないんですけど、ドリブルが上手いので少ない人数でも得点に繋げられる。あとは若さゆえのと言いますか、思い切りの良い裏へのロングパスとかが彼の強さかなと思っています」
今回、からあげ選手はこの相原選手に敗れて日本代表入りを逃した。もちろん敗れた悔しさは大きいはずだが、若い世代の台頭には、“先輩”として喜びを感じている部分もある。
「もちろん選手として勝ちたい気持ちはありました。でも負けた相手がこれまで大会シーンで特別注目されていなかった、まだ17歳(現18歳)という若いプレーヤーだったということで、ちょっとした喜びも感じたんです。悔しい気持ちはありますけど、負けた相手が未来ある、これからもっと強くなっていくだろうという選手だったのは、すごく嬉しいことです」
だからこそ、からあげ選手は相原選手のさらなる成長に期待している。
「日本代表になり、これからみんなが相原選手の戦い方を研究するようになります。それから、周りの期待が高まっていくことで大会での緊張感も高まると思います。そういった環境のなかで今後、どれだけ結果を出していけるかというのが相原選手にとって大事なんじゃないかなと思います。今回だけで終わってほしくないですね」
からあげ選手はプレーヤーとしてはもちろん、その豊富な知識を生かし、ウイニングイレブンの世界大会などで解説者としても活躍している。そんな彼にアジア競技大会の展望を聞くと、頼もしい答えが返ってきた。
「アジアの中で日本のウイニングイレブンのレベルはかなり高いところにあるので、杉村選手と相原選手がいつもどおり自分たちの力を出せれば、勝てるだろうと思っています」
もちろん注意すべき点もある。対戦相手の情報があまりなく、「相手がどんなプレーをしてくるかわからない」のは不気味だ。それでもからあげ選手は「ブレずに自分たちの形を崩さずにできれば勝てるはず」と太鼓判を押す。そして「本当は100パーセントと言いたいところなんですけど、何が起こるかわからないので10パーセントだけ引かせてもらって、90パーセント優勝だと思います。僕としては、金メダルをとってもらわないと、というくらいの気持ちで見させていただきますよ」と期待を込めてエールを送った。
By サッカーキング編集部
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