9月30日、スペイン、イギリス、ドイツ、イタリア、フランスといった欧州のサッカー強豪国で、『TSUBASA+』(ツバサプラス)がリリースされた。ご存じ『キャプテン翼』の世界観を表現しながらマップ上を動き回り、スマートフォンのGPSと連動してプレイするリアルワールドゲーム(位置情報ゲーム)だ。
そして本日10月30日、ついに日本を含む37カ国でのリリース日を迎えた。『キャプテン翼』の原作者・高橋陽一先生は、『TSUBASA+』にどんな印象を抱いているのだろうか。
インタビュー・文=関口 剛
“自分ならでは”のゲーム体験ができる
――最初に『TSUBASA+』の構想を聞いたのはいつ頃だったんですか?
高橋陽一 おそらく2年以上は前ですね。このゲームによって、世界中の人たちがつながれるんじゃないかと感じたことを覚えています。
――昨年の6月にはオフィシャルトレーラーが発表されました。
高橋陽一 世界各国でストリートサッカーをするあのビデオを見て、とてもワクワクしました。先日、日本に先立ってヨーロッパでリリースされましたが、「やっと始まったんだな」という思いです。これからリリースされる国が増えていって、世界の人たちがどんどんつながっていったら、よりおもしろくなると思います。
――『キャプテン翼』はこれまで様々な形でゲームに登場してきましたが、『TSUBASA+』がこれまでのゲームと違うと感じる点はありますか?
高橋陽一 やはりリアルワールドゲーム(位置情報ゲーム)であるという点ですね。外に出て『キャプテン翼』のゲームをプレーしてもらうのは初めてです。スタジアムに行くといろいろな選手が登場すると聞いていますし、現実の世界とゲームがリンクするのが楽しみです。
――プレーする方のいる場所、行く場所によって体験が変わってきそうですね。
高橋陽一 そこが大きな魅力だと思いますし、これまでのゲームと一線を画しているところだと思います。独自の、自分ならではのゲーム体験ができますから。
“夢の共演”には、楽しみしかない
――欧州でのローンチ直前には、アンドレス・イニエスタ選手が“公式サポーター”に就任したことが発表されました。
高橋陽一 そうして世界的な選手が協力してくれるのは、本当にありがたいことです。イニエスタ選手の発信力で、この“日本発”のゲームが世界に広がってほしいなと思います。
――『TSUBASA+』には、『キャプテン翼』のキャラクターはもちろん、イニエスタ選手のような実在の選手も多く登場します。Jリーガーも、J1クラブ所属選手だけでなく、J2、J3の選手も登場します。“大空翼とイニエスタ”や“日向小次郎とメッシ”といった共演も本作の魅力ですね。
高橋陽一 マンガの読み切りなどに実在の選手を登場させたことはあるんですが、ゲームのなかでのそうした共演は今までにありませんでした。もう、楽しみしかないですね。実在の選手に関しても、現実の世界では実現しない選手の共演、対戦ができるので、そこも魅力の一つだと思います。
――いよいよ日本でのローンチを迎えたわけですが、日本のユーザーに『TSUBASA+』を通じてどんな体験をしてもらいたいと思いますか?
高橋陽一 一つは『キャプテン翼』の世界観を楽しみながら、キャラクターたちと遊んでほしいと思います。もう一つは、やっぱり皆さんが応援するチームの選手を使って楽しんでほしい。実は、僕が社長をしている南葛SC(東京都1部リーグ)の選手も登場するんですが、そういう“おらがチーム”の選手と、『キャプテン翼』のキャラクターとの共演も魅力の一つだと思います。
By 関口剛