大阪の攻守の要、村上哲哉が強烈なシュートでゴールに迫る [写真]=本田好伸
1次ラウンドを終え、14日から決勝トーナメントが始まる「PUMA CUP 2014 第19回全日本フットサル選手権大会」。激闘の末に次の舞台へと駒を進めた各チームの中で、ひと際注目を集めているのが、プーマがサプライヤーを務めるチーム、シュライカー大阪だ。
彼らは1次ラウンド初日に関東地域第2代表のバルドラール浦安セグンドと引き分ける苦しい立ち上がりとなったが、残る2試合を確実に勝利し、グループ1位での勝ち抜けを決めた。ただ彼らのプレーは本調子からはほど遠かった。大阪は今シーズンのFリーグで、前期を2位と好調をキープしていたにも関わらず、後期はなんと8位に転落。かろうじてプレーオフ出場権を拾ったが、あえなく撃沈した。
近年、名古屋に次ぐチームとして存在感を放っていた大阪だが、この半年の間その強さは影を潜め、チーム内の不協和音ばかりが聞こえてきていた。クラブからは、今大会を前にして、ドゥダ監督と来シーズンの契約を更新しないことを発表した。そして、長く主力としてチームを引っ張ってきたチームリーダー、一木秀之の今シーズン限りの退団が発表されていた。
そんな大阪だが、チームが不調の今だからこそ、もう一度奮起し、そしてタイトル奪取に向かってまとまりつつある。彼らは特に一発勝負のカップ戦にめっぽう強く、2010年、2012年大会の覇者でもある。一木とともにチームを支える日本代表のフィクソ、村上哲哉に決勝トーナメントへの意気込みを聞いた。
――1次ラウンドは厳しい戦いを制して突破しました。
村上 リーグ戦とは違い一発勝負なので、地域のチームはFのチームを食ってやろうというモチベーションを高く持ってきますし、そういう意味では難しかった。
――チームの調子が上がらない状態での大会スタートとなりましたがいかがでしょうか?
村上 僕自身もそこには危機感を持っていますし、それでも決勝トーナメントに進出できたのは良かったと思う。3試合通じて自分たちのフットサルができているとは思いませんし、地域のチームには僕たちはもっとやらなければいけないですから、そういう危機感もある。
――チームとして、どんな思いで今大会に臨んでいるのでしょうか?
村上 リーグ戦が不甲斐ない結果に終わってしまったので、とにかく最後にタイトルを取って終わろうと。でも1次ラウンドに関しては大阪らしさを出すことができなかった。
――今大会を最後に、ドゥダ監督は退任、主力の一木選手が退団するなど、今のチームとして戦う最後の大会となりますが、そうした思いもあるのでしょうか?
村上 そうですね、このメンバー、スタッフ、監督含めて苦しいシーズンを戦ってきたので、最後に有終の美を飾るためにももう一回チーム一丸となって、結果がすべてなので何が何でもタイトルを取りにいきたい。特に一木とは同じ“81年組”で、お互いに刺激し合い励まし合ってやってきたので、今年でチームを離れてしまうのはすごく寂しい気持ち。何としても、一木のために最後に良い形で終われるように全力を尽くしたい。
――では決勝トーナメントをどうやって戦っていきますか?
村上 決勝トーナメントからは本当に勢いと、チームがどれだけ一つになって戦えるかだと思う。ここからは相手がどこでも関係ないと思うので、自分たちを信じて最後まで戦っていきたい。
文・写真=本田好伸