「北海道が素晴らしかった。イゴールは普段、あれほどの点の取られ方をしないので。それだけすごいシュートでしたし、北海道が神がかっていた」。町田の関野淳太監督が試合後にそう一言。北海道の完勝、町田にとっては完敗のゲームとなった。
互いに1点を取り合った前半だったが、ピッチ上の選手の躍動感、ベンチの選手たちの一体感、前日までから引き継がれている勢い、そのすべてにおいて北海道が上回っていた。そして迎えた後半、北海道のゴールラッシュが始まる。わずか20秒、左サイドの阿部恭也から中央でフリーで受けた上貝修が決めて勝ち越しに成功。24分に右サイドでディフェンスを股抜きのドリブルで突破した鈴木裕太郎が、町田の守護神・イゴールも反応し切れない強シュートを突き刺すと、27分には右サイドからの落としを受けた神敬治が豪快にネットを揺らした。そして30分、31分にはまたしても鈴木が決めてハットトリックを達成。1-6とリードを広げるが、その勢いはとどまることを知らない。33分に水上玄太が左サイドからの鮮やかなダイレクトループシュート、35分に鎌塚聖哉ががら空きのゴールへ蹴り込む“パワープレー返し”を決め、そして39分、水上からのパスを受けた鈴木がゴールに流し込んで1-9とし、試合に終止符を打った。
「ただただうれしいの一言」(小野寺隆彦監督)と、今大会で初の決勝戦進出を果たした北海道。1次ラウンドから続く勢いそのままに勝ち上がってきた彼らは明日、決勝戦の舞台に立つ。「チーム全体で食らい付いていくフットサルを見せることができれば、僕たちにもチャンスがくると思う。点差を離されないようにまずはしっかりとディフェンスからやっていきたい。攻守の切り替えの早さを生かしたカウンターを確実に決められるかどうかがポイントになる」(小野寺監督)と、王者・名古屋オーシャンズを相手にチャレンジャーとして戦いを挑む。
今シーズン、名古屋には4戦4敗。リーグで下位に沈みながらもベテラン選手と若手選手が見事に融合し、リーグ屈指の結束力を武器に一枚岩となって戦ってきた北海道が、勢いを消すことなく王者を打ち破ることができるか。いよいよ明日、フットサル日本一のクラブが決定する。
文・写真=本田好伸
PUMA CUP 2014 第19回全日本フットサル選手権大会 決勝トーナメント 準決勝
2014年3月15日(土)
会場:国立代々木競技場第一体育館(東京都)
14:00 バルドラール浦安 1-11(1-4、0-7) 名古屋オーシャンズ
16:30 ペスカドーラ町田 1-9(1-1、0-8) エスポラーダ北海道
[決勝戦・3位決定戦の組み合わせ]
2014年3月16日(日) 会場:国立代々木競技場第一体育館(東京都)
3位決定戦
12:00 バルドラール浦安 vs ペスカドーラ町田
決勝戦
15:00 名古屋オーシャンズ vs エスポラーダ北海道