名古屋がペドロ・コスタの決勝弾でアウェイですみだを下した [写真]=本田好伸
20日、Fリーグ2014/2015 powered by inゼリー第10節が行われ、フウガドールすみだがホームに名古屋オーシャンズを迎えた一戦は1点を争う好ゲームとなり、名古屋が2-3で競り勝った。
平日の20時キックオフという試合ながら、ホームチームとリーグ王者との試合を一目見ようと、会場の墨田区総合体育館には満員の1462人のお客さんが集まった。
すみだにとって、リーグでの名古屋との対戦はこの試合が初めてとなる。一段と気合が入った彼らは序盤からアグレッシブにプレッシャーを掛け、名古屋の自由を奪っていった。そして攻守の素早い切り替えを生かしたカウンターから何度かチャンスを作り出し、試合のペースをつかみ始めていた。
しかし、先にチャンスをものにしたのは名古屋だった。11分、右サイドの北原亘からのパスをゴール前で受けたシンビーニャが、反転してシュートをゴール左隅に流し込んで先制。試合が動いたことで、戦いはさらに過熱していく。すると18分、すみだが同点に追い付く。カウンターからチャンスを作りゴール前で金川武司が放ったシュートは、一度はGKがセーブしたもののセカンドボールを拾った岡山和馬が確実にゴールに蹴り込んだ。前半を1-1と、息つく暇のない緊迫した攻防が続いていた。
迎えた後半、すみだは早いペースで選手を入れ替え、変わらずに名古屋を追い込んでいたが、またしても先手を取ったのは名古屋だった。30分、右サイドでボールを持った森岡薫が、一瞬のギアチェンジで相手を置き去りにして左サイドネットに突き刺さる豪快なシュートをねじ込んだ。しかし、「タイミング良くゴールが入ることで、相手もモチベーションを落とすことなく、さらにプレッシャーを掛け続けることができていた。点差が開かない展開が続くと苦戦することはあるし、選手には精神的なダメージがある」(ビクトル・アコスタ監督)と名古屋の指揮官が分析したように、すみだは勝ち越されても、粘り強く相手に食い下がっていた。
するとすみだにチャンスが訪れる。34分、名古屋の星龍太がレッドカードで一発退場となり、2分間、GKを入れて4人で戦わざるを得ない状況になると、1人多いすみだがボールをポゼッションし、名古屋ゴールに迫っていく。そして35分、右サイドの一木秀之からの鋭いパスをファーサイドで太見寿人がダイレクトで合わせて2-2。試合は再び振り出しに戻った。
すみだは全員がチームのために献身的に走り、チーム力で名古屋を追い込んでいた。ただ一方の名古屋は、そのすみだの頑張りを、個人で打開し、あっという間にふいにしてしまう力がある。36分、中央やや左でパスを受けたペドロ・コスタは、右に動く一瞬の動きでマークをズラしてシュートコースを作ると、正確にボールを打ち抜き、決勝弾をネットに突き刺した。
「試合はほぼプラン通り進めることができ、ここが最後の勝負所というところまでいけたが、最後のところで名古屋が上回った。選手はからっぽになるまで出し切って戦ってくれたので、監督が勝たせてあげないといけない試合だった」(須賀雄大監督)。ホームの大声援を受け、最後の最後まで同点、そして勝利を目指して走り続けたすみだだったが、王者に土を付けることはできなかった。
Fリーグ2014/2015 powered by inゼリー 第10節
開催日:2014年8月20日
会場:墨田区総合体育館/東京都
[日試合結果]
20:00 フウガドールすみだ 2-3 名古屋オーシャンズ
写真・文◆本田好伸