「Jリーグ・スカパー!ニューイヤーカップ」の宮崎ラウンド最終戦が7日に行われ、大分トリニータとアビスパ福岡が対戦した。
初戦と同じメンバー、同じシステムで臨んだ大分に対し、福岡は3日前の鹿島アントラーズ戦からフォーメーションを4-4-2に変更してキックオフ。試合は前半からアグレッシブに仕掛けた大分が主導権を握る展開となった。
14分にはダニエルのフィードにエヴァンドロが飛び出し、絶妙のトラップからシュートモーションに入るが、素早くGKが飛び出してフィニッシュには持ち込めない。続く16分にもダニエルのスルーパスから右サイドで為田大貴が抜け出し、強烈なシュートでニアを狙うもGKの好セーブに阻まれた。
対する福岡は全体的に運動量が少なく、金森健志がドリブルからのパスやシュートを狙うも攻撃に厚みを加えられない時間帯が続く。
すると32分、大分は右サイドの西弘則が最終ライン裏のスペースへスルーパスを出し、ウェーブの動きでタイミングを合わせて抜け出した岡本英也が倒されてPKを獲得する。しかし、これを岡本がクロスバーに当ててしまい、先制点を奪うことはできなかった。
後半は一転して福岡ペースに。大分は攻守に奮闘していたダニエルをハーフタイムに下げ、他の選手にキャンプの疲れが出たこともあって運動量が激減。前線からのプレスをロングボールでかわされ、セカンドボールを拾えなくなったことで押し込まれる展開となる。
試合が動いたのは61分。福岡はFKのチャンスを鈴木惇が左足で狙い、壁に当たったこぼれ球を「ミドルシュートは常に狙っている」という末吉隼也が右足で狙い澄ましたミドル弾。「壁に当たったら来るかなと思っていた。ファーストタッチがうまくいったし、いい距離だった。人がいっぱいいてコースが少なかったので、しっかりミートすることを心掛けた」というシュートをゴール左スミに鋭く突き刺した。
その後もボールを回しながらチャンスを作った福岡が優勢に進め、1-0のままタイムアップ。プレシーズンの「バトル・オブ・九州」は、福岡に軍配が上がった。
これで「Jリーグ・スカパー!ニューイヤーカップ」の宮崎ラウンドが終了。すでに優勝を決めていた鹿島に続き、2位に福岡、3位に大分が入る結果となった。
文=青山知雄