「第三回レオピン杯Copa Amputee」で優勝したFC九州バイラオール
5月15日(日)、大阪府大阪市の鶴見緑地球技場で「第三回レオピン杯Copa Amputee」(特別協賛:湧永製薬株式会社、オフィシャルサプライヤー:株式会社エスエスケイ hummel)の2日目が行なわれた。
試合に先立って行われた開会式では、オフィシャルサプライヤーを務めた株式会社エスエスケイが日本アンプティサッカー協会とヒュンメルによるコラボシューズの収益を使って選手が使用するクラッチ(松葉杖)を寄贈。小学生が中心に参加した体験会で使用された。今後は、各チームが小学校や中学校で行っているアンプティサッカーの体験会で使っていくという。
準決勝第一試合は、FC九州バイラオール対関西Sete Estrelas。一度は同点に追いつかれた九州だが、2015日本選手権チャンピオンの実力を見せつけ、5-1で決勝に進んだ。準決勝第二試合は、A-pfeile広島AFC・ガネーシャ静岡AFC合同チームvsFCアウボラーダ。前日、チーム結成初勝利を飾った広島だが、日本にアンプティサッカーを広げるきっかけとなったエンヒッキ・松茂良・ジアス選手率いるアウボラーダが、地力の差を見せ、6-0で決勝に進んだ。
決勝戦の九州vsアウボラーダの前に、今年4月に設立された日本障がい者サッカー連盟の北澤豪会長が来場。「バランスが難しいね」と語った体験会の後、決勝戦を前にする両チームを激励した。試合はスタートから緊張感のある攻防が続き、前後半を終わって1-1。10分ずつの延長戦となった。2日間で4試合、気温も高く、片足を失っている分、放熱ができにくく、熱中症になりやすいこともあるアンプティ選手だが、延長戦も後半になると、足をつる選手が続出するなど、満身創痍の中での戦いとなった。延長戦でも決着はつかず、PK戦の末、九州が昨秋の日本選手権に続き連覇を飾った。
北澤会長は、閉会式で選手たちに「素晴らしい試合を見せていただいた選手の皆さん、ありがとうございました」と感謝の気持ちを語り、育成年代を含め多くの人に見てもらい、体験してもらいたいと話した。障がい者サッカー連盟は7つの異なる障がい者サッカー団体が集ってできた新しい連盟で「サッカーなら、どんな障がいも超えられる」というポリシーを掲げている。
【大会二日目結果】
準決勝1 九州 5-1 関西
準決勝2 広島・静岡 0-6 アウボラーダ
5位決定戦 TSA 1-1(PK1-3) 千葉・北海道
3位決定戦 関西 3-0 広島・静岡
決勝戦 九州 1-1(PK4-1)アウボラーダ
【アンプティサッカーとは】
病気や事故で手足を切断した選手が松葉杖をついてプレーするサッカーで、30年以上前にアメリカの負傷兵がリハビリテーションとして始めた松葉杖サッカーが起源。フィールドプレイヤーは主に片足の切断者。日常生活で使用するクラッチと呼ばれる松葉杖をついてプレー。クラッチがぶつかり合う激しいプレーが特徴。また、ゴールキーパーは手や腕の欠損部分にかかわらず、シャツに腕を入れ込み、片腕でプレーする。
By サッカーキング編集部
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