一般社団法人日本ソサイチ連盟は、3/3(金)~6(月)の期間において「U23ソサイチ日本選抜」を組織しタイ・パタヤへ遠征を実施。アジア有数のリゾート地で行われる7人制サッカーの国際大会であるTHAI INTERNATIONAL CUP(タイ・インターナショナルカップ)に挑んだ。
今回の遠征では年齢制限を設け23歳以下のメンバーで遠征を実施。関東・関西それぞれでチームを結成し、日本からは2チーム編成で大会へ望んだ。
メンバーを選出するにあたり、関東では1/29(日)にZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREA(千葉県美浜区)にて、関西では2/4(土)にJ-GREEN堺(大阪府堺市)にて、それぞれセレクションを実施した。
セレクションでは個々の主張が先行し、緊張感も手伝ってとても選手間でコミュニケーションが活発に生まれる雰囲気ではなかったが、選出メンバーが決まりチームとして活動していく中で徐々に仲を深め、コミュニケーションが活性化されていった。
23歳以下の選手ということで大学生の選手も多く、皆が良い雰囲気を創ろうと動いていた姿が印象的であった。仲には社会人の選手もいたが、同年代同士ということですぐに意気投合。関東・関西ともにバランスの取れたチームが結成されていった。
それぞれ熱い気持ちを持った選手が集結し、ミーティング、トレーニング、強化試合と、国内における各活動を通じてコミュニケーションを深め、限れた時間の中でチームとして戦える組織を作り上げた。
タイで迎える初めての朝。
午前中はKANTO・KANSAIそれぞれに分かれてのトレーニング。
KANTOはイゴール監督を中心に、KANSAIは渋澤監督を中心に、精力的にメニューをこなす。
練習の最後には「KANTO vs KANSAI」のトレーニングマッチも実施。お互い「ここには負けられない」という大会への意気込みと同じくらいの意識で望み、熱い試合が繰り広げられた。
お互いの健闘を祈り、大会前最後のトレーニングを終えた。
迎えた大会当日。
天候にも恵まれ、両チームともに気合十分。ここまでの疲れも見せず大会へと臨む。
全6チームによる本大会は、3チーム×2ブロックの予選リーグ+順位決定戦のレギュレーションで行われた。
■KANTO予選結果
1戦目vs freedom(9-0)
2戦目vs chonburi(9-2)
初戦の前半では1点しか奪えず、ハーフタイムでイゴール監督は選手に喝を入れる。キャプテン長澤・三好を中心とした安定の守備陣、鎌塚・渡部・戸張が掻き回し、鈴木・別府が前線で体を張る。チームが機能し攻撃陣が爆発。危なげなく予選通過を決める。怪我により思うような出場機会を得られなかったGK關はムードメーカーとしてチームを盛り立てた。
■KANSAI予選結果
1戦目vs putaluang(2-2)
2戦目vs lotus fc(2-3)
初戦、2度リードを奪うも終了間際に追いつかれドロー。キャプテンGK山本は声を掛け続けチームを鼓舞。もうひとりのGK玉井・吉見・蟹池が守備で奮闘し、村岡・中村・福田のアタッカー陣、室岡も前線で体を張る。2戦目は集中力が切れたのか前半で3失点を喫する。渋澤監督からの檄で目が覚めたのか、2点を取り返すも万事休す。2戦目を落としてしまう。
この結果、KANSAIは3位決定戦、KANTOは決勝戦へ駒を進めることになる。
前回2016年11月に行われたタイ・バンコクでのTHAI INTERNATIONAL CUPにおいては、日本選抜チーム同士の決勝戦であったがその再現はならなかった。
KANTO(https://www.jsl-selection.com/2016-11)
KANSAI(https://www.jsl-selection.com/2016-11-1)
■3位決定戦(KANSAI vs chonburi)
予選2試合を1分1敗と満足いく結果を得られていない状況の中、なんとしてでも勝ちを掴んで帰国したい。そういった選手・監督の思いの詰まったゲームになった。序盤から攻撃陣が爆発。FWとして結果を出せていなかった室岡が4得点と大活躍。予選2試合とも得点を挙げている福田はここでもゴールを奪い、全試合で得点する勝負強さを見せた。一度はリードを保てずに追いつかれそうな時間帯もあったが、キャプテンGK山本・吉見・蟹池を中心とする守備陣が粘りを見せ、室岡・遊馬・福田の攻撃陣が再び奮起し結果は(8-5)と有終の美を飾った。
■決勝戦(KANTO vs lotus fc)
予選から時間も空き、その間の調整が鍵を握るが非常にリラックスした雰囲気で決勝を待っている選手たちは頼もしく、何かを予感させてくれた。KANSAIが予選で敗れている相手だけに侮れないチーム。決して気の緩みは無かったはずであるが、開始数分で先制点を奪われる。その後はボールを支配する時間も続き、ゴール正面でのFKを獲得。西沢がボールをセットし、強烈な左を叩き込む。このゴールはチームに勇気を与え、良い雰囲気で後半戦へ切り替える材料となった。後半も一進一退の攻防が続く中、均衡を破ったのは寺本。予選から気の利いたプレーで中盤をコントロールしていた男がリードを奪う。しかし決勝戦、やはり一筋縄ではいかない。すぐに同点ゴールを奪われてしまう。2-2のままスコアが動かず、PK戦の意識も脳裏によぎる中、チーム3点目をエース大熊が奪取。3-2とリードし時計の針は残り3分を示す。このまま試合を終わらせたいKANTOであったが、ここで痛恨のPK献上。諦めかけた雰囲気の中、GK間野が最後に大仕事をやってのける。ここにきてのPKストップは会場を沸かせ、一躍この試合のヒーローとなった。そして試合終了のホイッスル。KANTOが優勝で大会の幕を閉じた。
短い期間ではあったが、各チームが活動を通じて組織としてまとまり、チームとしての個性が育まれて行くにつれ、ここで解散してしまうのが本当に惜しいほどの魅力を感じさせてくれた。
異国のサッカーに触れ、異国の文化に触れ、気候も言語も日本とは何もかも違う場所での経験は、各選手個々の今後の人生においてもかけがえのないものとなるはずだ。
過去の選抜メンバーには、このソサイチ日本選抜の遠征をきっかけにサッカー選手として道を切り拓いていった者もいる。「サッカー選手として、またひとりの人間として、今回のこの活動を個々の次なるステージに活かしてもらえたら、これ以上の喜びはない。また、どんな形であれ、彼らがこれを機会にさらに飛躍していくことを願っている。」と日本ソサイチ連盟のスタッフは選手たちへメッセージを贈った。
日本ソサイチ連盟では定期的に選抜チームを結成・発足。ソサイチの普及活動の一環として、海外への遠征活動を行っている。国内においてはまだまだ普及段階にあるこの7人制サッカーだが、今回の活動でも新たな魅力や可能性を感じさせてくれた。
国内では関東・関西において「FOOTBALL 7 SOCIETY LEAGUE」(https://www.football7society.com/)として長期のリーグ戦がスタートしている。順次地域を拡大していく構想があり、東海・北海道、そしてその他の地域へと、全国に輪が広がっている。
エンジョイプレーヤーから競技志向のプレーヤー、年齢、性別、国籍など関係なく、「誰もがいつでも気軽に楽しめるフットボール」として、このソサイチの普及・発展を今後も推し進めてく。
【KANTO結果】
■予選第一試合
vs freedom
9-0 win
得点者:鎌塚×2/戸張×2/大熊/三好/西沢/渡部/寺本
■予選第二試合
vs chonburi
9-2 win
得点者:長澤×2/別府×2/寺本×2/渡部×2/戸張
■決勝戦
vs lotus fc
3-2 win
得点者:西沢/寺本/大熊
【KANSAI結果】
■予選第一試合
vs putaluang
2-2 draw
得点者:福田/室岡
■予選第二試合
vs lotus fc
2-3 lose
得点者:遊馬/福田
■3位決定戦
vs chonburi
8-5 win
得点者:室岡×4/福田×2/遊馬/蟹池
一般社団法人日本ソサイチ連盟
http://j-society.com/index.html
日本ソサイチ連盟オフィシャルfacebook
https://www.facebook.com/jsl2006/
※それぞれの活動の詳細内容をご覧いただけます。