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G大阪、ACLラウンド16進出に向け正念場の上海上港戦…エース宇佐美「あとは決めるだけ」

2016.04.05

G大阪のエースに君臨する宇佐美[写真]=GAMBA OSAKA

 2013年のシーズン途中にガンバ大阪に復帰してから、絶対的エースとして存在感を示し続けてきた宇佐美貴史。同年のJ2リーグではシーズン途中からのプレーながら、18試合で19得点という驚異的な数字を残し、J2リーグ得点王、ケンペス(千葉)に3得点差でにじりよると、J1に復帰し、最終的には三冠を実現した14年には、スタートこそケガで出遅れたものの最終的には自身初となるJ1リーグでの二桁得点を記録。カップ戦を合わせれば、実に21得点という数字を残した。

 また昨年は、J1リーグでは自身最多の19ゴールを挙げ得点王を争ったのみならず、天皇杯で4得点、AFCチャンピオンズリーグACL)でも4得点と、自身としてはシーズン最多の27ゴールを挙げてチームを牽引。いずれの年もチーム最多ゴールを挙げ、かつ、復帰以来、繰り返し口にしてきた「自分がガンバを勝たせる」という思いで走り続けてきた。

 その“絶対的エース”としての姿は、今シーズンも変わっていない。ここまでゼロックススーパーカップに始まったG大阪の公式戦は9試合を数える中で、宇佐美の挙げたゴールがゼロックスでの1得点に留まっていても、だ。宇佐美は間違いなくG大阪のエースであり、その証拠に試合中、相手選手は彼を警戒し、徹底してマークにあたる。それはJ1リーグのみならず、ACLでも然りで、対戦相手の監督や選手が「警戒する選手」に宇佐美の名前を挙げないことはまず、ない。4月6日に対戦する、上海上港も然りだ。

 だが、どれだけ相手の厳しいマークにあっても、スペースを消されても、それを上回る姿を示せる彼であるはずだと期待すればこそ、周囲は「ゴール」を求める。それに対して彼もまた、その期待に応えるべく、「自分がガンバを勝たせる」という強い決意でゴールを目指す。いや、厳密には周りの期待に応えたいがためだけにゴールを狙うわけではない。他ならぬ、自分が想像し、期待を寄せる自分を上回る『宇佐美貴史』であるために、ゴールを狙う。

 であるならば、今、その「ゴール」から遠ざかる自分を誰よりも悔しく思っているのは彼自身であるはずだ。もっと言えば、ここまでのACLの戦いにおいて、自身の沈黙と、チームが白星を挙げられていない事実がイコールであることに責任を感じているのも彼自身だろう。現に上海戦を前に、宇佐美はその決意を言葉にしている。

「ここまで3試合を戦って2分1敗ですから。チームがグループステージを突破できるかの瀬戸際に立たされている中で、何としてでも勝ちたいという思いは僕を含めて全員が持っている。それをいかにピッチで示せるか。アウェイ戦を戦って上海の攻撃は強力でしたが、一方の守備には正直、隙も感じた。実際、フッと抜けるシーンも結構あったと考えても、そこをうまく突いて結果を残したい。ここ数試合、形、流れはできているだけに、あとは決めるだけ。そこを誰よりも僕自身が自分に強く求めている」

 4月6日、ホーム・市立吹田サッカースタジアムで迎えるACLグループステージ第4節。ラウンド16進出に向けて、正念場となるこの一戦に、ぜひとも“宇佐美の決意”に注目してもらいたい。そこにはエースとして勝利への執念を煮えたぎらせてゴールを目指す彼の姿がきっとある。

文=高村美砂

By サッカーキング編集部

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