チームの中軸を務めるオスカルと柏木 [写真]=Getty Images
今晩21時(現地20時)開始のAFCチャンピオンズリーグ2017準決勝東地区第1戦で、共にグループFから勝ち上がった、上海上港と浦和レッズが上海体育場で再び激突する。
グループFでの対戦は1勝1敗。グループを2位で抜けた上海上港は、ラウンド16で江蘇蘇寧、準々決勝で広州恒大の中国勢を退けて、初の準決勝進出を果たしている。
GK顔駿凌など3人の主力選手が、累積警告などによる出場停止でこの第1戦には出場できない。守備に不安を残す上海上港が、浦和にアウェイゴールを献上して敵地での第2戦を迎えることが、最も悪い筋書きになると『捜狐体育』などが報じている。
『捜狐体育』は、両者の攻守(攻撃力があり守備に不安がある)に類似する点がいくつかあるとして、詳細な分析記事を掲載した。
実力的に拮抗している中で、出場停止や累積リーチの選手を多く抱える上海上港に対して、浦和は出場停止選手がいない上、累積リーチも高木俊幸ら2人と少なく、負傷を抱えている柏木陽介の試合出場の可能性も少なくないとしている。
一方で、上海上港の前日練習の様子も伝えている。フッキが練習に姿を見せなかったこと、そして国内リーグの数試合でメンバー外だったエウケソンの1トップを確認したようだが、この2人とオスカルとアフメドフの出場は間違いのないところだろう。
また、試合を担当するカタールの主審アブドゥル・ラフマン・アル・ジャシム氏にも触れており、この大会で上海上港を含む中国勢の試合を既に5試合担当して、中国勢は一度も勝利していないと太字で強調している。
その他の主要媒体でも、全体的に冷静な内容のプレビュー記事が多い。
国内リーグでは首位の広州恒大と勝ち点差4の2位に着け、国内カップでも準決勝の第1戦で広州恒大に勝利(第2戦は9月30日)、そしてこの大会では広州恒大を破って準決勝に駒を進めている。国内リーグ6連覇とこの大会を2度制している広州恒大と、肩を並べた上海上港の中国国内での評価は総じて高い。
また、ここ数年においては日本勢の結果が出ていないことと、日本勢とは互角かそれ以上で戦えていることで、以前のような煽り基調の記事はめっきり減っている。日本勢のみならず対戦相手の分析記事も豊富で、かなり冷静的確な記事を目にするようになっている。
「爆買い」と一言で済ませてしまえばそれまでだが、アンドレ・ヴィラス・ボアス監督が率いて、フッキやオスカルらを擁する上海上港は今、アジアのタイトルが手に届くところまで来ている。少なくとも上海上港のファンは、この大会のタイトル獲得を既に確信していると聞く。
今晩の第1戦は、ヒリヒリとした好試合になるだろう。
文=池田宣雄
協力=アジアサッカー研究所