試合後、喜びの表情のユンカー [写真]=Getty Images
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝が25日に行われ、浦和レッズはPK戦の末に全北現代に勝利し、2023年2月にホームアンドアウェイで開催される決勝へと駒を進めた。
11分に松尾佑介の得点で先制した浦和だったが後半にPKで同点とされると、延長116分にオウンゴールで失点。絶体絶命の状況となったが、キャスパー・ユンカーの得点で追いつくと、PK戦は西川周作の活躍もあって勝利を手繰り寄せた。
79分から出場して大仕事を果たしたユンカーは「こうしてゴールでチームに貢献できたことが一番嬉しい。自分がチームを助けられたことに満足しているよ」と振り返る。
ユンカーは延長に入る直前、1-1で迎えた後半アディショナルタイムに決定機があったがポストに阻まれた。「もうちょっと長くプレーしたかっただけだよ。10分だけのプレーで終わりたくなかったから(笑)」と冗談まじりに語ったが、「大きなチャンスを外していたけど、メンタルを左右されずに決めることができた。冷静さを保つことはストライカーとして重要な要素だと思う」と、次のチャンスへとしっかりとフォーカスできたことが同点弾につながったと明かす。
得点は明本考浩のヘディングシュートを相手GKが弾いたところを押し込んだ形に。「難しい角度だったけどFWにとってこぼれ球をしっかりと押し込むことは重要な仕事なので、それができてよかった。常にチャンスを待ち構えることが重要。それがストライカーとしての仕事だと思う」と、自身の責務を果たせたことを喜んだ。
PK戦では2番手のキッカーとして冷静に決めたが、「もちろん緊張したよ。スタジアム全体が集中して見ているからね。でもその緊張は、時に自分の感覚を研ぎ澄ませるために重要な部分だと思う」と話し、120分以上にわたって選手の後押しをした本拠地の埼玉スタジアム2002に詰めかけたサポーターの応援にも、「(PK戦での)相手チームのキッカーのような状況にはなりたくなかったね」「サポーターの力なしでは、このような結果が出ていたかどうかと考えるに値する力だった」と称えた。
今季のACL決勝は第1戦が2023年2月19日に西地区、第2戦が同26日に東地区で行われるため、約半年、間が空くことになる。「今すぐ考えるというより、まずは次の鹿島戦をしっかり考えている」と、9月3日のリーグ戦へ集中していると話しつつ、「クラブにとっても自分にとっても素晴らしい決勝の舞台で、チャンピオンになることは重要なこと。チャンピオンになれば浦和のレジェンドになれる。それを望まない選手はいないだろうね」と、ACLを制することの意味についても触れている。
By 小松春生
Web『サッカーキング』編集長