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昨季王者の浦和、ACLグループ敗退が決定…リンセンが同点弾も、終盤のPKでハノイFCに敗北

2023.12.06

浦和レッズのFWブライアン・リンセン(撮影はACL第1節武漢三鎮戦) [写真]=Getty Images

 2023-24シーズンのAFCチャンピオンズリーグACL)・グループJ第6節(最終節)が6日に行われ、浦和レッズ(日本)とハノイFC(ベトナム)が対戦した。

 浦和は昨季のACLを制して“アジア王者”に輝いたが、今季のACLでは苦戦を強いられている。前節終了時点での成績は2勝1分2敗。浦項スティーラーズ(韓国)が5戦全勝で既にグループ首位突破を決めており、浦和は2位通過を目指すこととなる。決勝トーナメントに進むためには、最終節を勝利した上で、他会場の結果を待つ必要がある。勝利のみを求めて、ハノイの地に乗り込んだ。

 明治安田生命J1リーグ最終節の北海道コンサドーレ札幌戦(○2-0)から中2日の過密日程を強いられている浦和は、その札幌戦からスターティングメンバーを6名変更。Jリーグベストイレブンに選出されたGK西川周作アレクサンダー・ショルツに加えて、岩尾憲エカニット・パンヤ小泉佳穂が連続して先発に名を連ねた。マチェイ・スコルジャ監督は第4節浦項スティーラーズ戦(●1-2)でレッドカードを受け、4試合ベンチ入り停止となったため、同試合ではラファル・ジャナスコーチが指揮を執る。

 試合は立ち上がりから浦和のペースで進行。立ち上がりの6分には岩尾憲の蹴った左コーナーキックがファーサイドに流れると、反応したブライアン・リンセンが中央への折り返しを狙う。これが相手のハンドを誘い、オンフィールドレビュー(OFR)を経て浦和にPKが与えられた。キッカーを務めるのはショルツ。今季の明治安田生命J1リーグでは7本中6本を成功させているPKの名手だが、ゴール右を狙ったキックはGKグエン・バン・ホアンにコースを読まれ、弾き出される。キック前にGKがゴールラインを離れているようにも見えたが、キックはやり直しにならず、試合は再開された。

 その後も浦和がボールを握る時間が続くも、なかなか決定的な形を作り出すには至らない。それでも33分、最終ラインからボールを持ち運んだショルツが中央へ斜めのパスを差し込むと、リンセンがスルーし、ペナルティエリア内へ走り込んだ安居海渡にボールが渡る。安居は左足でシュートを狙ったが、シュートはGKに阻まれた。

 前半も終盤に差し掛かった42分には、敵陣でルーズボールを拾った安居がボールを持ち運び、ペナルティエリア手前から右足を振り抜いたが、シュートは枠を捉えきれない。前半はこのままスコアレスで折り返した。

 後半に入ると浦和が動く。岩尾を下げて伊藤敦樹を、小泉佳穂を下げて大久保智明をピッチへ送り出した。ここから浦和が流れを引き寄せるかと思いきや、試合は意外な形で動く。ハノイFCは左コーナーキックを獲得すると、グエン・ハイ・ロンの蹴ったボールからダミアン・ルタレクがヘディングシュート。ここはGK西川が好セーブを見せたが、こぼれ球をダオ・バン・ナムが押し込んだ。前半は防戦一方の展開を強いられたハノイFCが先制に成功している。

 グループ突破のためには最低でも2点が必要となった浦和は、60分にアレックス・シャルクエカニット・パンヤに代えて関根貴大ホセ・カンテを投入。65分には敵陣右サイド開いた位置でショルツからのパスを受けた荻原拓也が、左足に持ち替えてゴールへ向かうクロスボールを送る。最終ラインの背後に抜け出したリンセンがこのボールに反応し、ダイレクトでゴールに流し込んだ。リンセンのACLでは第1節武漢三鎮(2-2)戦以来、公式戦では明治安田生命J1リーグ第28節ガンバ大阪戦(○3-1)以来のゴールが決まり、浦和が反撃の狼煙を上げた。

 直後にはヒヤリとするシーンも作られたが、無失点での凌ぎ切ると、71分には荻原の蹴った右コーナーキックからカンテがヘディングシュート。ここはGKに弾き出された。75分には大畑歩夢を下げて興梠慎三をピッチへ送り出し、関根を右サイドバックに下げてより攻撃的な布陣へシフトする。

 だが、82分には再びハノイFCが反撃へ。左サイドでボールを収めたファム・トゥアン・ハイが右足でクロスボールを蹴り込むと、胸トラップしたグエン・ハイ・ロンがペナルティエリアへの侵入を狙う。この突破に対して、対応した荻原が相手を掴んで倒してしまい、ハノイFCにPKが与えられた。このPKをファム・トゥアン・ハイが落ち着いてゴール右下に沈め、ハノイFCが勝ち越しに成功した。

 試合はこのままタイムアップ。今節をもってグループJは一足先に全日程が終了し、浦和は2位でグループステージを終えた。だが、他のグループの2位チームよりも勝ち点で上回れておらず、グループステージ敗退が決まった。前シーズンのACL王者がグループステージで敗退するのは、ラウンド16から参戦できるシード権が撤廃されて以降で史上3度目となっている。

【スコア】
ハノイFC 2-1 浦和レッズ

【得点者】
1-0 53分 ダオ・バン・ナム(ハノイFC
1-1 65分 ブライアン・リンセン浦和レッズ
2-1 87分 ファム・トゥアン・ハイ(PK/ハノイFC

【スターティングメンバー】
浦和レッズ(4-2-3-1)
GK:西川周作
DF:大畑歩夢(75分 興梠慎三)、岩波拓也アレクサンダー・ショルツ荻原拓也
MF:岩尾憲(46分 伊藤敦樹)、安居海渡小泉佳穂(46分 大久保智明)、エカニット・パンヤ(60分 ホセ・カンテ)、アレックス・シャルク(60分 関根貴大
FW:ブライアン・リンセン

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By サッカーキング編集部

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