柏戦での勝利を梅崎司と喜ぶ李忠成(左奥) [写真]=兼子愼一郎
第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会準決勝が29日に行われ、浦和レッズと柏レイソルが対戦した。
浦和と柏が、2年ぶりに元日に行われる決勝進出をかけて、味の素スタジアムで対戦。準々決勝でヴィッセル神戸と対戦した浦和は、前半の内に3ゴールを決めて3-0の完勝でベスト4入り。2005年、2006年の連覇以来、9年ぶり3度目の大会制覇を目指す。対して柏はベスト8でベガルタ仙台と対戦。3-3で120分でも決着がつかず、PK戦を5-4で制し、準決勝進出を決めた。初優勝を果たした2012年以来、3年ぶりの決勝進出を狙う。
試合開始1分、右サイドの関根貴大がクロスを供給。ニアサイドに飛び出した武藤雄樹が合わせるが、GK菅野孝憲の好セーブに阻まれた。幸先良くチャンスを作った浦和が主導権を握る。22分にも、CKの流れから、ペナルティエリア手前中央の阿部勇樹がこぼれ球に反応し、ダイレクトボレーを放つが、シュートはクロスバー上に外れた。
一方の柏は25分、エリア手前左でFKを獲得。準々決勝で直接FKを3本決めてハットトリックを達成したクリスティアーノがキッカーを務めるが、シュートは、壁にあたり、わずかにクロスバー上に逸れた。前半終盤の39分、浦和にアクシデント発生。攻撃の要である柏木陽介が左足を負傷し、青木拓矢との交代を強いられた。前半はこのままスコアレスで折り返す。
後半に入っても攻勢に出たのは浦和。64分、武藤のスルーパスでエリア内左に抜け出した梅崎司が左足シュートを放つが、GK菅野にセーブされた。76分には右サイドの武藤からのクロスに、ゴール前に飛び出したズラタンが頭で合わせるが、クロスバー上に外れる。84分にも、左サイドの梅崎からのクロスを、ファーサイドのズラタンが頭で合わせるが、枠を捉えられなかった。
柏は87分、エリア内左でパスを受けた輪湖直樹が、右足を振り抜くが、シュートはわずかに枠の左に外れた。さらに後半アディショナルタイム91分、左サイドからクリスティアーノが鋭いクロスを供給。工藤壮人がゴール前に走り込んでフリーだったが、ニアサイドで槙野智章にクリアされ、得点には繋がらなかった。試合はこのままタイムアップを迎え、延長戦に突入した。
浦和はズラタンと宇賀神友弥を下げて、興梠慎三と李忠成を投入。交代枠を使い切って延長戦を迎えた。一方の柏は、延長後半開始時にようやく交代カードを使う。茨田陽生を下げて栗澤僚一を投入。さらに108分には、武富孝介に代えて大津祐樹をピッチに送り出した。
117分、ついに試合が動く。浦和は梅崎がエリア内左からクロスを入れると、中央でフリーの李が頭で合わせてゴールネットを揺らした。李は4回戦のFC町田ゼルビア戦、準々決勝の神戸戦に続く得点で、同大会3試合連続ゴールとなった。
失点を喫した柏は119分、中谷進之介に代えて太田徹郎を投入。だが、試合はこのままタイムアップを迎え、浦和が1-0で勝利。2度目の大会制覇を果たした2006年以来、9年ぶりの決勝進出を決めた。
浦和は、2016年1月1日に行われる決勝で、ガンバ大阪と対戦する。
【得点者】
1-0 117分 李忠成(浦和)
By サッカーキング編集部
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