ヴィッセル神戸の初戴冠にゴールで貢献した藤本 [写真]=兼子愼一郎
2020年が幕を明けた。1日、天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会決勝が新国立競技場で開催され、初の決勝に駒を進めたヴィッセル神戸が鹿島アントラーズに2-0で勝利し、クラブ史上初のタイトルを獲得した。
チームを初戴冠に導いたのが、2ゴールに絡んだ藤本憲明だった。
「1点目は(酒井)高徳とルーカス(ポドルスキ)がいいところに入ってくれた」と振り返った18分、左の酒井がドリブルでサイドをえぐって少し足元から離れたボールを、すかさずポドルスキが自分の間合いに引き込むと左足でシュートを放つ。一度は相手GKの好セーブに遭うも、ゴール前に走り込んだ藤本が引き連れた相手DFに当たってゴールに吸い込まれた。2点目は38分、右サイドから西大伍がクロスを入れると、またしてもゴール前に走り込んだ藤本。ニアにいた相手DFのクリアミスを、左足でゴールに突き刺した。
「ケガもあったし、難しい時期もあったけど、そこは焦らずにしっかり準備してきたことが、結果につながって良かったなと思う。リーグ戦では自分たちが望んだ結果には終わらなかったけど、天皇杯ではチーム一丸となって取れたのは良かったなと思います」
新国立競技場で、初めてゴールを決めたJリーガーになった。その事実を振られると、「もってます!」と笑顔に。「でも、ああいうところに走り込んだりすることが重要だと思うので、それを続けながら、もっともっとチームメートと切磋琢磨しながらも来シーズンはリーグ戦でも結果を残せるようにしたい」と慢心することはなかった。
5年前まではJFLでプレーしていた。そこからJ3(鹿児島ユナイテッドFC/2016-17)、J2(大分トリニータ/2018-19)と着実にステップアップを遂げ、J1の神戸に加入したのはわずか5カ月前の2019年8月だ。「全部がターニングポイント」だと語る藤本は自身のキャリアを振り返り、「これ、というところはないけど、日々自分のレベルアップのために努力してきた結果がこういう結果につながった」と語った。
「これからも続けて、選手としてレベルアップしたい」
表彰式後、金銀テープを両手いっぱいにつかみ、ゴール裏の応援歌に合わせてノリノリで踊っていた姿からは、うれしさがあふれ出ていた。
By サッカーキング編集部
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