この日限りで現役を引退する中村憲剛 [写真]=金田慎平
天皇杯 JFA 第100回全日本サッカー選手権大会決勝戦が1月1日に行われ、川崎フロンターレがガンバ大阪を1-0で下した。試合後、この試合が現役生活の最終戦となった中村憲剛がフラッシュインタビューに応じた。
まず、中村はクラブ史上初となる天皇杯のタイトル獲得に言及。「感無量です。嬉しすぎます。おそらく今、世界で一番幸せなサッカー選手なんじゃないかと思います」と話し、試合内容については以下のように振り返った。
「前半から自分たちがボールを握って決定的なチャンスを作っていましたけど、ガンバさんの頑張りもあったので、そう簡単にはいかないだろうと思っていました。けれども、後半に1点取って、最後あのような展開になるのは1点差である以上仕方ないので。それを皆で頑張って凌いで。僕もアップをしながら声をかけて、共に闘っていたつもりです」
試合終盤は拮抗した展開となり、現役生活のラストマッチでピッチに立つことはできなかった。それでも、中村は「出られなかったのは本当に残念ですが、それが勝負なので」とコメント。「勝ちが全てだということは、4年前の天皇杯決勝戦敗退の時に痛いほど感じたこと。皆がその悔しさを胸に4年間培ってきたものを出せて、最後に勝てたということは、またフロンターレの新しい歴史に繋がるのではないかなと、ベンチから見てて思いました。頼もしかったです」と、チームメイトを称えた。
続けて、中村は川崎のチームメイトへメッセージを送り、現役引退後の自身の姿についても話した。
「今日の試合に僕は出ていませんし、しっかりとフロンターレの形というものはあると思います。僕が今までやってきたことは後輩たちにしっかり託せるくらいに成長しました。預けられるからこそ引退できたというのもあります。(クラブの今後については)何も心配していません。僕はこの後、フロンターレに入れるような子どもたちを育てる仕事もそうですし、フロンターレを大きくすることもそうですし、延いてはJリーグもそうです。サッカー協会もそう。日本サッカーに貢献したいと思っています」
「18年というのは長い現役生活で、今でもまだちょっと実感がなくて。来週も等々力でボールを蹴っているような感じがしています。それがもう叶わないというのは、この後時間を追うごとに感じていくのだろうと思っています。とにかく、みんなのおかげで18年間の最後に中村史上最高の1年を過ごせたことを嬉しく思います。サポーターの皆さんも、サッカー関係者の皆さんも、本当に今シーズンはコロナの影響が大変だったと思うんですけど、皆で手を取り合って、我慢しながら、最終的に全部の日程をこなすことができたのは本当に選手として感謝しています」
最後に、中村は「2021シーズンも皆で日本サッカーを盛り上げていけたら良いと思っています。本当に素晴らしい決勝戦だったと思います。本当にありがとうございました!」という言葉でインタビューを締め括った。
By サッカーキング編集部
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