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浦和サポーター17名が無期限入場禁止処分に…天皇杯の名古屋戦で5つの禁止行為、JFAが報告

2023.08.31

天皇杯・名古屋戦で禁止行為に及んだ浦和サポーター計18名の処分が決定

 日本サッカー協会(JFA)は31日、8月2日に愛知県の「CSアセット港サッカー場」にて行われた天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権大会・ラウンド16(4回戦)の「名古屋グランパス浦和レッズ」の試合後に発生した事案について、8月31日付で開催された日本サッカー協会臨時理事会における審議の結果を報告した。

 今回の事案が発生した試合では、名古屋が浦和を3-0で下していた。問題が発生したのは試合終了後のこと。JFAは複数の浦和レッズサポーターが「フィールドへの侵入行為(試合運営管理規定第4条第14号)」、「暴力行為(同第6号)」、「迷惑危険行為(同第28号)」、「破壊行為(同第16号)」、「横断幕に係る問題行為(同第27号)」と5つの禁止行為を行い、結果として人的・物的被害及び安全確保上危険な状態を発生させたと報告した。

 その上で、JFAは自らが定める基準に則り、行為者である浦和のサポーター18名に対して処分を科すると発表。上記18名のサポーターのうち17名に対する無期限の入場禁止処分、残る1名に対する5試合の入場禁止処分を決定した。なお、無期限の入場禁止処分はJFAの主催試合だけでなく、Jリーグや各種連盟等が主催する試合も対象となる。5試合の入場禁止処分についてはJFAによって対象試合が指定される。

 今回の決定は2023年8月31日時点でJFAの調査により把握できた事象に関するものであり、今後JFAによる調査等により新たな禁止行為が確認できた場合、別途JFAが当該行為者に決定を行うことがあるという。なお、今回のサポーターへの決定は懲罰規程ではなく試合運営管理規定が適用されるため、31日付で開催された臨時理事会では当該サポーターに関する決定のみが行われていた。そのため、当該クラブに対する懲罰(その有無も含む)は、9月中旬頃に開催されるJFAの規律委員会の所管で審議決定される予定だ。

 一連の事案を踏まえ、JFAの田嶋幸三会長は声明を発表。改めて処分内容に触れ、「17人に対する無期限の入場禁止は、浦和の試合だけでなく日本国内で行われる全ての試合を対象としたもので、極めて厳しい決定です」と記し、以下のように続けた。

「レッズサポーターは日本一の規模を誇り、その応援で素晴らしい非日常空間をつくることができる、世界に誇るサポーターです。今年はJリーグが開幕して30年ですが、当時からJクラブのファン・サポーターをリードしてきました。熱狂的な応援でチームを鼓舞し、サッカーの興奮や感動を最大限に引き出してくれる集団です。今年12月に開催されるFIFAクラブワールドカップサウジアラビア2023に、浦和はアジア王者として、日本を代表するクラブとして出場します。レッズサポーターも応援に行くでしょう。各国クラブチームのサポーターと共に大会を盛り上げてくれるはずです」

「そういう素晴らしい存在であるにもかかわらず、一部の心ないサポーターによって、楽しく、ワクワクするはずの観戦環境が、暴力や威嚇、破壊行為で侵されたことは極めて残念なことです。今回の違反行為は、安全で安心してサッカーを楽しめる環境を広げていこうというサッカー界全体の取り組みを著しく阻害するものです」

「私もその時の状況を映像で確認しましたが、明らかに危険行為であり、決して看過できるものではありません。しかも、夏休みということもあって多くの子どもたちが来場している中で彼らに恐怖感や不安を与えてしまったことや、日本は女性や子ども、高齢者も安全に快適にサッカー観戦ができると世界的にも評価されているにもかかわらずこのような事案が発生したことは、痛恨の極みであり、日本サッカー界として忸怩たる思いを抱いています」

 また、再発防止策についても言及。「今後、このようなことが二度と起こらないよう、JFAとしてもJリーグやWEリーグをはじめとする各リーグや連盟、47都道府県サッカー協会などと連携して再発防止策を講ずるとともに、リスペクトの推進や暴力・暴言根絶の啓発活動など積極的な情報発信を行ってまいります」とした上で、安全なサッカー環境を広げていくことを誓っている。

「技術委員会、審判委員会、リスペクト・フェアプレー委員会、ウェルフェアオフィサーらと試合運営管理規定など各種規則の見直しを図る一方、運営・警備体制を強化します」

「また、違反行為を犯した者に罰則を与えたり、今回のような決定を下したりするだけでなく、われわれももう一度、襟を正してスタジアムの安全確保について真剣に考え、防止策を講じていきます」

「JFAはいかなる場合でも暴力や暴言、差別などを容認せず、全ての観戦者が安全に安心してサッカーを楽しめる健全なサッカー環境を広げていきます。本気で変えるには一人一人が当事者意識を持つことが重要です。このサッカー界の考えや取り組みが、いずれは日本のスポーツ界や国際社会にも良い影響を与えるものになるよう、サッカーファミリーの皆さんと共に考え、日本サッカーを統括する団体としての使命感と責任を持って取り組んでいく覚悟です」

By サッカーキング編集部

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