11日、小学4年生から6年生を対象としたフットサル大会「EXILE CUP 2016」の関西大会が、兵庫県立三木総合防災公園陸上競技場で開催された。7回目となる今大会は、過去最高のエントリー数、参加チーム数となり、参加者も4000名を超える予定。関西大会も52チーム枠のところ130チームを超える応募があった。この大会を制して決勝大会への切符を手にするため、強い日差しが降り注ぐ中、熱戦が繰り広げられた。
開会式にはCrystal Kayさん、DEEPのRYOさん、劇団EXILEから秋山真太郎さん、小野塚勇人さん、歌手の塩ノ谷早耶香さんが駆けつけ、選手たちを激励。マイクの音が入らないというアクシデントの中でも、大声でエールを送り会場を盛り上げた。
そして、昨年の決勝大会で優勝したEDC(大阪)による優勝カップの返還が行われた後、大会サポーターであるEXILEのÜSAさんの考案で大会の恒例となっている「EXダンス体操」でウォーミングアップ。選手たちは笑顔を見せながら、リズムに乗って体を動かした。
大会は1ブロック4チームずつ、AからMまでの13ブロックに分かれて予選リーグがスタート。女子選手のみで構成されたチームや小柄ながら高いドリブルスキルで得点を重ねるチーム、パスを丁寧につないで相手を崩すチームなど様々な特長のチームがある中、圧倒的な攻撃力で大差がつくゲームも多く見られた。選手たちは暑さをものともせず、必死になってボールを追いかけ最後の笛が鳴るまで走り続けていた。
予選リーグで力を示したチームは、大会の優勝候補であり関西大会3連覇を狙うCブロックのEDC。初戦こそ3-2と苦戦を強いられたが、残りの2戦を13-0、6-1と3勝0敗で1位通過。小柄な選手が多い中、多彩なフェイントを駆使したドリブルと素早いパスワークで相手を圧倒。前から積極的に奪いにいく守備でも魅せた。Dブロックの長岡京SS(京都)は、予選リーグで参加チーム最多となる31得点を挙げ3連勝で予選を突破。選手全員がゴールへの意識が高く、必ずシュートで終わるというチームコンセプトがはっきりとした戦いを示していた。
予選リーグを終えて、各ブロック1位の13チームと、グループ2位のうち成績上位の3チーム、計16チームが決勝トーナメントに進出。組み合わせ抽選会により対戦相手が決まり、ここから一発勝負の決勝トーナメントが始まった。
決勝トーナメントからは予選リーグとは一味違う緊張感の中で行われ、1回戦ではPマルカ(京都)、学園フットボールクラブ(兵庫)、リベルテ(兵庫)、長尾ウォーズフットボールクラブ(兵庫)、EDC(大阪)、ROOTS FUTSAL CLUB(滋賀)、日生中央サッカークラブ(兵庫)、SETSTAR WAKAYAMA U−12(和歌山)がベスト8に進出した。
準々決勝の注目カードは、リベルテ対学園フットボールクラブ。予選を3連勝で突破して1回戦を5-0で勝ち上がったリベルテと、ワイルドカードで予選を突破し1回戦を3-2と接戦を制した学園フットボールクラブの一戦は、前半から学園フットボールクラブが一方的に押し込む展開に。しかしリベルテが粘り強い守備で前半を無失点にしのぐと、後半に3点を挙げて3-0で勝利し準決勝に進出した。
他にも、実力伯仲を感じさせる熱戦が続き、ROOTS 1-0 日生中央、SETSTAR 2-2(PK 2-0) Pマルカ、EDC 7-1 長尾という結果でベスト4が決まった。
準決勝の一つはEDC対リベルテ。序盤からEDCがドリブルで相手を圧倒し、一方的に攻め立てる展開に。1点をリードして迎えた後半も試合を優勢に進め、4-0で決勝進出を決めた。
もう一つの準決勝はROOTS対SETSTAR。予選リーグを3連勝で突破し、決勝トーナメントも7-3、1-0と安定感のある戦いを見せてきたROOTSが2-1で競り勝ち決勝に駒を進めた。
そしていよいよ全国への切符を懸けた決勝戦。3連覇に大手を懸けたEDCと、決勝大会への初出場を狙うROOTSが激突。勝利への強い思いから、お互いボールを奪い合いなかなかシュートまで持ち込めない中、前半4分にEDCの菅江陸斗君がドルブルで相手を巧みに交わして先制点を挙げる。この得点で緊張がほぐれたのか、その後は落ち着いたパスワークを見せ5分に追加点を奪い前半を2-0とした。後半からはメンバーを総入れ替えする余裕を見せながらも、得点を着実に重ねて4-0とする。その後ROOTSも終盤にかけて2点を返すが、結果は6-2でEDCが関西大会3連覇を達成。圧倒的な攻撃力で他チームを寄せ付けず、決勝大会への進出を決めた。
決勝戦でハットトリックを達成したEDCの菅江陸斗君は「決勝戦も特に緊張はしなかった。決勝大会でも自分が得点して優勝したい!」と、自信たっぷりのコメントを残してくれた。また、EDCの監督であり元Jリーガーの廣長優志氏は今大会を以下のように振り返った。
「今年のチームは、3連覇した中でも技術的に一番優れたチーム。ただし、技術で勝負できる反面、ボールを持ち過ぎて判断が遅れる場面も見られたので修正していきたいです。決勝大会でも持っている力を100パーセント出し切れば2連覇できると思うので自信を持って臨みたい」と、廣長監督はチームへの自信を示しつつ子どもたちへ期待を寄せた。
閉会式では、特別ゲストとしてヴィッセル神戸の伊野波雅彦選手が登場。優勝したEDC、準優勝のROOTS、3位のSETSTARとリベルテに向けて「今日は暑い中お疲れ様でした。夏休みはまだあるので、勉強も頑張ってください!」とユーモアを交えたエールを送り会場を和ませた。
EDCが参加する決勝大会は、9月17日愛媛県今治市で開催される。関西大会で見せた圧倒的な攻撃力を決勝大会でも発揮できれば、大会連覇という偉業達成も決して夢ではないはずだ。
取材=福馬俊太郎 写真=近藤宏樹
By サッカーキング編集部
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