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EXILE CUP 2017 関西大会1を制したのは、虎の子の1点を守り抜いた大阪セントラルFC!

2017.07.20

2012年の大会以来、2度目の優勝を飾った大阪セントラルFC

 7月17日、「EXILE CUP 2017」の関西大会1が和歌山県の紀三井寺陸上競技場で開催され、大阪セントラルFCが優勝した。株式会社LDH JAPANが主催し、小学4年生から6年生を対象とするこのフットサル大会は、年々参加希望チームが増加。8年目を迎えた今年は、関西大会も関東同様、2度に分けて行うことになった。

 全52チーム(棄権1チーム)を4チームずつの13ブロック(A〜M)に分け、まずは総当たりの予選リーグを実施。その後、各ブロック1位13チームと各ブロック2位の成績上位3チーム、計16チームが、決勝トーナメントへと進む。9月に愛媛県今治市で行われる決勝大会への出場権が得られるのは、わずかに1チームだけ。その一枠を目指して、高温多湿の厳しいコンディションの中、小学生たちはボールを追いかけて熱いバトルを繰り広げた。

 開会式にはEXILEの佐藤大樹さん、世界さん、二人がリーダーを務めるFANTASTICSのメンバー、DEEP RYOさんが駆けつけ、LDH JAPANの一木広治部長らとともに選手たちへ熱い言葉を送り激励した。そして、一昨年、昨年と決勝大会連覇を果たしたEDC(大阪)の女子メンバー丸井優奈さんから優勝カップが返還された後、ウォーミングアップとして、EXILEのÜSAさん(大会サポーター)考案の「EXダンス体操」を行った。選手たちはぎこちない動きながら、曲に合わせて楽しそうに体を動かしていた。

 午前9時半、予選リーグ(7分ハーフ)が始まった。試合は6コートで同時進行し、観戦する側が目移りしてしまう熱戦の連続だ。1−0という僅差で手に汗握るゲームがあれば、実力差のため10点以上の大差がつくゲームもあったが、どの選手も最後まで諦めることなく日ごろ鍛えた技術をピッチ上で表現した。

 参加チームの中で最も注目を集めたのは、やはり関西大会3連覇、決勝大会連覇中のEDCだ。高い技術を持つ選手たちが攻撃だけではなく、守備に回っても球際で激しく奪い攻撃に転じるスピーディーさで相手を圧倒していた。また、地元和歌山から参加したITO FC AZALEAは女の子だけのチームで、結局ノーゴールに終わったが、相手を懸命に止めようと元気いっぱいのプレーぶりを見せた。

 予選リーグ75試合が終了すると、勝ち残った16チームのキャプテンが集まり、決勝トーナメントの抽選会を実施。ピッチに置かれた16個のボールを早い者勝ちで取り合い、そのボールに書いてある番号で対戦相手が決定した。
 
 30分ほどの休憩を挟み、いよいよ一発勝負、優勝まであと4つとなる決勝トーナメント(決勝以外は5分ハーフ)がスタートした。決勝で競り合う16チームは、大阪の7チーム、和歌山の3チーム、滋賀・奈良から各2チーム、兵庫と京都から各1チームという内訳だ。

 積極的に遠目からシュートを狙うチームが多かった決勝トーナメントでは、実力差も小さくなり接戦が続いた。そして大阪セントラルFC、MESSE大阪U−12、KSCくずはスポーツ少年団サッカー部、EDC(以上、大阪)、郡山フットボールクラブ(奈良)、宝塚CABO夢チャレンジ(兵庫)、ROOTS FUTSAL CLUB U-11(滋賀)、長岡京SS(京都)がベスト8に進出。準々決勝は攻守に穴のない各チームが最後まで息の抜けない試合を繰り広げ、長岡京SS、大阪セントラルFC、MESSE大阪U-12、EDCがベスト4入りを決めた。

 準決勝を長岡京SSと戦った大阪セントラルFCは、下館拓海君の先制点で優位に立ち、しっかり追加点も挙げて3−1で決勝進出を決めた。一方のMESSE大阪U−12対EDCは、互いに技術の高さを発揮しチャンスも多い好ゲーム。終始主導権を握ったのはEDCだったが、体を張った守備で立ち向かったMESSE大阪U−12のゴールを割れず0−0のまま試合終了。決着は3人ずつ蹴るPK方式で決まることに。両チーム2人ずつが決めた後、先攻のMESSE大阪U−12の3人目は成功したが、EDCの3人目が枠を外し失敗。3−2でMESSE大阪U−12が優勝候補を倒し、決勝進出を果たした。

 決勝戦(7分ハーフ)は大阪勢同士の対戦。MESSE大阪U−12はフットサルに特化したチームで、予選リーグ、決勝トーナメントを通じ全勝をキープ。さらに、準決勝では強豪EDCを降した。対照的に大阪セントラルFCはフットサルの練習はほぼしないというサッカークラブ。1敗した予選リーグでは2位で、得失点差が他のブロック2位を上回ったことで、運良く勝ち残っていた。

 試合は予想どおり、思い切りの良い好シュートがバンバンと飛び交う一戦となった。白いユニフォームMESSE大阪U−12の井上拓実くんのシュートを大阪セントラルFCのゴレイロ清水硫日君がファインセーブすると、赤いユニフォーム、大阪セントラルFC下館拓海君の打ったシュートにはMESSE大阪U−12のゴレイロ末松優人君が立ちはだかった。MESSE大阪U−12はキックイン時に工夫を凝らして強いシュートでゴールを狙い、一方大阪セントラルFC はゴレイロがボールを持つとスローせず、手元にポンと投げて味方FPがボレーで前線に蹴り込み2人の長身選手を生かそうとする。

 ともに譲らない熱戦に、興奮するスタンドからは終始大声援が上がり、ピンチのシーンでは悲鳴に近い声が響いた。前半は両チームのゴレイロが好セーブを連発してスコアレス。後半もともに体を張ったシュートブロックで、試合が動かないまま5分が経過した。決勝でも再びPK戦に突入かと思われたその時、大阪セントラルFCの長身、鴨川光輝君が左サイドからゴール前へ強く蹴ったボールがそのままゴールネットを揺らし、ついに先制。そしてわずかな残り時間、この貴重な1点を守り切った大阪セントラルFCが関西大会3度目の優勝を果たした。

 敗れたMESSE大阪U−12の福ケ迫隼人監督は、「相手はフィジカルが凄くて、ウチの小さい選手が体を当てて必死にやったけどダメでした。EDCの3連覇を阻んだものの……という感じでしたね」と残念そうに語った。一方、優勝した大阪セントラルFC桐畑拓造監督は、「長身の子が多いのでピッチが狭いと窮屈で」と笑ったが、「時間が短くて先制された焦りから予選リーグで1敗しましたけど、それが薬になりました」と振り返り、決勝大会は「出る限りは上を目指して頑張ります」と抱負を語った。

 桐畑監督が一番頑張った選手に挙げた下館拓海君は、「強豪が多かったけど、優勝できて良かったです。負けた試合では得点できなくて悔しかったけど、他の試合ではシュートをたくさんブロックできました。この勢いで全国でも優勝したいです!」と笑顔で話してくれた。

文=貞永晃二 写真=近藤 駿

By サッカーキング編集部

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