EXILE CUP 2017 関西大会2を制した箕谷Red Dragon
株式会社LDH JAPANが主催する、小学4年生から6年生を対象としたフットサル大会「EXILE CUP 2017」の関西大会2が8月6日、兵庫県の三木防災公園陸上競技場で開催された
全国9地域で開催する今大会は、年々参加希望チームが増加中。8年目を迎えた今年は関東と関西の大会を2つに分けて行うことになった。この日は、7月中旬に和歌山で行った関西大会1と同じく全52チームを4チームずつの13ブロック(A~M)に分け、まずは総当たりの予選リーグを実施。各ブロック1位13チームに、各ブロック2位の成績上位3チーム加えた計16チームが決勝トーナメントへと進む。優勝チームは9月に愛媛県今治市で行う決勝大会に出場する。
開会式はアーティスト「DEEP」のYUICHIROさんとRYOさんが参加して行われた。アカペラで「SORA~この声が届くまで~」の一部を披露した2人は、「みなさんの熱いプレーを楽しみにしています」と選手を激励。ウォーミングアップとして、大会サポーターを務めるEXILE ÜSAさん考案のEXダンス体操を選手とともに行った。
予選リーグで力を見せつけつけたのはマッチーズ(京都)。他を寄せ付けない攻撃力を見せ、3試合で32得点を奪って首位通過をつかんだ。対照的に、箕谷Red Dragon(兵庫)とFCソルセウ(大阪)の2チームは、粘り強い守りで失点をゼロに封じ、決勝トーナメントへと進出。女子のみで大会に挑んだHYOGO CHANCEN SV(兵庫)とベトナムから参加したADVANCE FCは、ともに3連敗で終わったものの、最後まで諦めないプレーで大会を盛り上げた。
決勝トーナメントでは、いずれもレベルが高いチーム同士、実力が伯仲した一進一退の攻防が展開された。接戦に継ぐ接戦の末、準決勝のカードは箕谷Red Dragon対シューダイFS(大阪)、そして吹田クラブ(大阪)対サンスジュニア(兵庫)となった。決勝行きをかけた一戦は、シューダイFSが箕谷Red Dragonを押し込むが、両者とも1ゴールが奪えずPK戦へと突入する。PK戦は3-0で箕谷Red Dragonの勝利。「味方が守備を頑張ってくれたので、得意なPKを止めて返そうと思っていた」。ゴールを守り抜いた箕谷Red Dragonの加茂田壮史郎君は激戦をそう振り返る。一方、惜敗したシューダイFSの中村竜己君も「最初は甘い部分が多かったけど、この大会を通じて厳しくガツガツ戦えるようになった」と、この大会での成長を前向きに語った。
準決勝のもう1試合、吹田クラブとサンスジュニアの対戦は、開始2分に吹田クラブが中田昌那さんの突破から、西川宙希君のゴールで先制。しかし、後半開始すぐにサンスジュニアが橋口巧君のゴールで同点に追いついた。両者ともに追加点を挙げ、2-2のスコアでタイムアップ。こちらもPK戦での決着となると、サンスジュニアの橋口君が2人目のキックをストップしてPK戦を4-2で制し、決勝行きのチケットをつかんだ。敗れた吹田クラブの保井誠太君は「初めは緊張したけど、やっているうちに緊張が取れて良いプレーができたと思う。みんなで一つになってプレーできたから、ここまで来れた」と収穫を話した。
箕谷Red Dragonとサンスジュニアによる“兵庫対決”となった決勝戦。急きょ応援に駆けつけたヴィッセル神戸のルーカス・ポドルスキ選手と徳重健太選手が見守る中、決戦のホイッスルが吹かれた。箕谷Red Dragonは試合開始と同時に福井颯太君がロングシュートを放ってペースをつかみ、3分には左サイドをドリブルで抜け出した栁瀬太翔君が左足シュートをゴールネットたたき込んだ。守備でも「キーパーもディフェンスも攻守の切り替えを速くしようと意識していた」と門田大輝君が振り返るように、全員が守備意識を高く保ち、前半を無失点で終えた。後半からはサンスジュニアも反撃に出ると、2分には橋口君のパスから松本陽生君が同点ゴールをマーク。箕谷Red Dragonは福井君、サンスジュニアは松本君がゴールを決めて、スコアは2-2のまま試合終盤を迎える。ここで箕谷Red Dragonは栁瀬君が直接CKを決めて貴重な3点目。「追いつかれたけど、全員が最後まで諦めない強い気持ちを持っていた」(栁瀬君)という箕谷Red Dragonが劇的なゴールで大会の頂点に立った。
初のタイトルを手にした箕谷Red Dragonは前日、別の全国大会で早期敗退していたため、この大会への意気込みは強かったという。「子どもたちが、(前日に勝てず)満足できない気持ちを大会にぶつけてくれたし、会場に来られない選手の分まで頑張ってくれた」。田村康行監督はそう語り、選手たちを称えた。「大会を通じて球際が強くなった。みんなが流動的に攻守のバランスを取りながらうまくプレーしてくれたと思う」。
「チームのみんなで協力して、力を出し切ったから優勝できた」と笑顔を見せたのは近藤亮輔君。「全国でもみんなで頑張って優勝したい。個人としてもたくさん点を取りたい」(福井君)、「関西で優勝できてうれしかった。全国でも優勝したい」(瀬野裕士君)と、選手たちは口をそろえて意気込みを語る。箕谷Red Dragonの視線は、早くも全国大会へのチャレンジに向けられている。
文=森田将義 写真=近藤 駿
By サッカーキング編集部
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