EXILE CUP 2019 東北大会を制したESTRELLAS.FC [写真]=兼子愼一郎
今年で10回目となる株式会社LDH JAPAN主催のフットサル大会「EXILE CUP 2019」の東北大会が6月16日、福島県のJヴィレッジで開催された。
初めて福島県で開催された今大会。会場のJヴィレッジは東日本大震災以降、原発事故の対応拠点となり、フットボールセンターとしての機能は果たせずにいたものの、昨年7月に一部営業を再開。そして今年4月20日に7年4カ月ぶりに全面再開を迎えた。今大会は復興への一歩を象徴するイベントとなった。
大会前には開会式が実施され、E-girls/Flowerの佐藤晴美さんと同じくFlowerの中島美央さんが挨拶を行った。山形県出身の佐藤さんは「東北魂を見るのを楽しみにしています。たくさん刺激をもらいにきました」と子どもたちに語り掛け、中島さんは「一人ひとりの頑張りが絆になって大切なゴールにつながる。頑張ってください」とエールを送った。その後、参加選手全員でダンスの要素を取り入れた「ダンス体操」を準備体操として行い、体を温めて開幕の時を迎えた。
大会は全48チームが4チームずつ12のブロックに分かれて総当たりの予選リーグ戦が行われ、上位1チームと2位の中で成績上位4チームが決勝トーナメントに進出する。東北王者の座を目指して、予選リーグから熱い攻防が繰り広げられた。
予選リーグでは、大差がつく試合もあったが、拮抗した試合も多く見られた。中でもBブロックは4チームとも実力伯仲で僅差の戦いが繰り広げられた。その中で3試合中2試合を1点差で勝利する勝負強さを発揮したアステルFC(福島)が1位通過を果たした。また、予選で最多得点を記録したのがHブロックのバンディッツいわきU-12(福島)。3試合で24ゴールを決めて3連勝を飾り、ブロック1位通過を決めた。参加チームの中には男女混合チームも多く、女子選手の活躍も目立った。
決勝トーナメントは予選を突破した16チームで抽選を行い、組み合わせを決定。下郷サッカースポーツ少年団(福島)、仁井田レッドスターズ(秋田)、ESTRELLAS.FC(福島)、アバンツァーレ山形SC(山形)が準決勝に勝ち上がり、決勝進出をかけて対戦した。下郷サッカースポーツ少年団と仁井田レッドスターズの試合はPK戦までもつれこむ接戦に。5人目が失敗した下郷サッカースポーツ少年団に対し、5人全員がゴールネットを揺らした仁井田レッドスターズが決勝進出を決めた。一方、アバンツァーレ山形SCと対戦したESTRELLAS.FCは試合開始早々に先制すると、その後も得点を重ねて3-0で勝利。決勝は仁井田レッドスターズとESTRELLAS.FCの対戦となった。
決勝戦は序盤から仁井田レッドスターズがペースを握り、1分間で2本の決定的なシュートを放つ。しかし、いずれもゴールポストに嫌われてゴールならず。すると、ESTRELLAS.FCが反撃を開始し、小湊陽貴君が強烈な左足シュートを決めて先制に成功する。さらにその1分後、自陣からのフィードに反応した小湊君が頭で合わせて追加点を奪う。
だが、後半に入り、仁井田レッドスターズは底力を発揮。後半開始早々に遠藤和君が左足シュートを決めて1点差に詰め寄ると、続け様に永澤柊太君がシュートを決めて同点に追いつく。その後、一進一退の攻防が続いた中、決勝点を奪ったのはESTRELLAS.FC。この試合で2点を挙げている小湊君が中央突破から左足を振り抜き、ハットトリックを達成。チームを頂点に導いた。
この結果、ESTRELLAS.FCが東北代表として9月に愛媛県今治市で開催される全国大会に出場することが決まった。篠崎祐典監督は「チームの強みは守備。東北代表として、東北・福島は震災から立ち上がり、元気になっているということをアピールしたい」と話し、キャプテンの近藤圭悟君は「全国に行っても今まで通り楽しい試合をして、優勝したい」と意気込みを語った。
文=佐藤拓也 写真=兼子愼一郎、LDH JAPAN
By サッカーキング編集部
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