EXILE CUP 2019関西大会1を制したセンアーノ神戸ジュニア[写真]=近藤駿
7月15日、京都府京丹後市の八丁浜シーサイドパーク多目的芝生広場で「EXILE CUP 2019 」の関西大会1が行われた。今年で10年目を迎える「EXILE CUP」はEXILEなど多くのアーティストが所属する株式会社LDH JAPANが「Dreams For Children・子どもたちに、夢を」というテーマのもとに主催する、小学4年生から6年生を対象としたフットサル大会。全国の9地区12会場で予選大会が行われ、各会場の優勝チームが9月に愛媛県今治市で行われる決勝大会に進出する。
4会場目の開催となった関西大会1には52チームが参加。開会式にはE-girlsの須田アンナさんと武部柚那さん、FANTASTICSの堀夏喜さんと八木勇征さんと中島颯太さんが駆けつけて、高校生までサッカーやフットサルをプレーしていた中島颯太さんは「芝生の上でプレーするのはテンションが上がると思うけれど、だからこそフェアプレー精神を忘れずに相手をリスペクトして、楽しい一日にしましょう」とエールを送った。その後はEXILEのÜSAさんが考案したダンス体操でウォーミングアップを行った。最初は照れくさそうにしていた子どもたちも少しずつ楽しそうに踊りはじめるなど、体と心をほぐしていく。心配された天候も、曇りのち晴れ。時間の経過と共に太陽の日差しが強くなったが、海から吹いてくる風に心地よさを感じる環境で、大会が幕を開けた。
予選リーグは4チームずつ13ブロックに分かれて総当たり戦を行い、各ブロックの1位チームと、2位チームの中から成績上位の3チーム、合計16チームが決勝トーナメントに進出する。 会場では6つのコートでテンポよく試合が行われていき、2015年、2016年に決勝大会で優勝したEDC(大阪)や、同じく2017年に大会を制した大阪セントラルFC(大阪)ら強豪に加えて、PRIMO OSAKA1(大阪)やセンアーノ神戸ジュニア(兵庫)といったチームが多くのゴールを重ねて、グループ首位を確定させていく。
そんな中、注目を集めたのが女子選手だけで参加した唯一のチーム、FCスチーム(京都)だ。普段は男女一緒にプレーするスクールだが、今年は6年生の女子が多く、大会への参加を決めた。初戦はセンアーノ神戸ジュニアに0-16と大敗したが、試合直後に「(相手は)そんなに強くなかったよ!」と強気の発言が飛び出す元気のよさ。第2試合では11失点しながらも5得点を奪うと、最後の試合では池田優花さんが先制点を決めて、今大会で初めてリードを奪う。その後に失点するが、試合終盤は両チームとも勝利を目指して攻め合う熱い展開の末に引き分けた。GKの選手がおらず、キーパーグローブをはめるのは3試合の前後半で順番に担当。サッカーを始めたばかりの選手もいたが、山中基宏監督は「相手は強かったけれど、楽しかったですね。狭い中でボールを持つことや周りを見て判断すること、攻守の切り替えはサッカーもフットサルも共通するので、今後にも活きると思います」と話しており、攻撃をけん引した池田さんも「仲のいいみんなとプレーできて楽しかった。ドリブルして点を決められたのはよかったです」と仲間たちに囲まれながら、満面の笑顔を見せてくれた。試合後には、女子チームということもあってピッチ脇から声援を送っていたE-girlsの須田アンナさんと武部柚那さんが出迎えて、ハイタッチやハグで彼女たちの健闘を称えていた。
決勝トーナメントでも、見応えある試合が続いた。1回戦ではEDCとPRIMO OSAKA1の大阪勢が激突。互いに高い技術と守備力を発揮する中、1-1で迎えた後半に味方のシュートのこぼれ球をPRIMO OSAKA1の石丸翔晴くんが押し込んで勝負を決めた。EDCの廣長優志監督は「子どもたちが一番悔しいはず。何ができて、何ができなかったのかをわかってくれれば」と今後への期待を寄せた。同じく1回戦の京都長岡京SSG U12(京都)と京都葵フットボールクラブM(京都)の試合は、試合終了間際にコーナーキックから小川敦基くんが右足で決めると共に試合終了のホイッスルが鳴り響く劇的な展開で決着が付いた。
準決勝は京都長岡京SSG U12がゴールを重ねて快勝。敗れたMESSE大阪U-12もGK西山朝陽くんが好セーブに加えて、終盤には自らドリブルで攻めあがって強烈なシュートを放つなど折れない気持ちを見せた。準決勝のもう1試合はセンアーノ神戸ジュニアが4ゴールを奪って決勝に駒を進めた。大会を沸かしながらベスト4で敗退となったPRIMO OSAKA1の石丸くんは「たくさん試合をして勝てたけれど、最後は悔しかった。もう少し流れから得点できるようにしたい」と成長を誓っている。
決勝戦のカードは、センアーノ神戸ジュニアと京都長岡京SSG U12となった。お互いに前線からプレッシャーを掛けあう中で、コンビネーションや一瞬の隙を付いてシュートまで持ち込むシーンも見られたが、両チームのGKの好守もあって得点が生まれない。スコアレスで勝敗の行方が延長戦に持ち込まれると、センアーノ神戸ジュニアは深江翔太くんが思い切りよく放ったミドルシュートが相手選手に当たって待望の先制点を奪う。さらにその1分後にも、再び深江くんのキックを今度は前線の野田凰心くんが頭で押し込んで、2-0で勝利。見事、全国大会への切符をつかんだ。
惜しくも敗れた京都長岡京SSG U12のキャプテン大庭弘登くんは「結果は準優勝だけど、大会を通じてチーム一丸となって戦えたのがうれしかった。エクザイルカップのスタッフさんも気軽に話し掛けたりしてくれたので、緊張せずにプレーできました」と話している。一方、優勝したセンアーノ神戸ジュニアのキャプテンの島佑成くんは「決勝大会で勝ち進めば、センアーノ神戸の先輩である香川真司選手に会えるかもしれません。僕も日本代表や世界で活躍する選手になりたいです」と大先輩や将来への想いを語った。
文=雨堤俊祐 写真=近藤 駿
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト