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好調のYS横浜が2位に浮上 カイオ弾2発のしながわは今季ホーム初勝利/F1リーグ第9節

2023.07.29

先制点を挙げた横浜の菅原健太(左)と安井嶺芽 [写真]=SHOKO

 7月21日から25日の期間、Fリーグ2023-2024 ディビジョン1の第9節が行われた。

 鳥丸太作監督就任2年目のY.S.C.C.横浜は、前節終了時点で3位。勝点差4で4位のシュライカー大阪をホームに迎えた。序盤から固い試合展開となり、両者ともにチャンスが少ない中、14分にはYS横浜がゴールクリアランスから攻撃を組み立てる。FP4人でボールを回すと、堤優太のロングパスを安井嶺芽がシュート。大阪GK樋口就大がはじいたところに菅原健太が詰め、先制に成功した。さらに15分には大阪のパス回しのズレを田村佳翔が見逃さず、自らゴール前に持ち込んでシュート。これがゴールネットを揺らし、YS横浜が一気にリードを広げた。

 2-0で迎えた第2ピリオド、まずは1点がほしい大阪だったが、次のゴールもYS横浜に生まれる。23分、堤が自陣からスピードに乗り、30メートル近い距離をドリブルで持ち上がる。角度のないところから得意の左足でシュートを突き刺し、さらにリードを広げた。3点ビハインドの大阪は26分、YS横浜の攻撃をファウルで止め、FKを与えてしまう。「決められる自信があった」という言葉のとおり、キッカーの堤が10メートルを超えるシュートを直接突き刺し、4-0となった。34分には相手のマークを受けながらも、野村悠翔がキックインを左足で流し込み大阪が1点を返す。その後、清水寛治をGKに置いたパワープレーを仕掛けた大阪だったが、YS横浜が集中した守備を見せ4-1で試合終了。勝ち点3を獲得し、連勝を6に伸ばした。

 好調のYS横浜を率いる鳥丸監督は「守備の意識の高い大阪に対し、選手たちのパフォーマンスが僕の想像を超えた。大阪に対し4点を取ることは難しいので、いいプレーを見せてくれた選手たちに感謝したい」と試合を振り返った。数シーズン前までディビジョン2との入替戦をギリギリで回避するようなチームだったYS横浜が、ここまで成長を見せている要因について問うと「昨シーズンと変わった大きな点は、練習に対する人数。引退や移籍はチームが成長していく中で必要なことで、現在はFPが11人いる。そのメンバーが、短い時間の中で質の高い練習をできている。今後、けがや累積で難しい状況になることもあると思うが、毎日の練習の質に満足できていることが変わった点のひとつ。あとは、選手の『成長したい』という意欲からくる取り組み方が大きい。僕の想像を超えるようなプレーをし、試合の中で成長していく。どん欲で向上心がある仲間が集まって、一体感を持っていることが今の成績の要因だと思う」と手ごたえを見せた。

 2得点の活躍を見せた堤は自身の1点目を「菅原選手が下りてきたことに対しマークがどう動くか、奥の選手を見ていた。(マークが)マンツーマンでついていってスペースが空いたので、僕のスピードであれば勝てるという決断から自信を持ってシュートを打った」と分析した。これに鳥丸監督が「嫌ですよね、目の前の選手ではなく奥の選手を見ているなんて」と笑いを誘い、チームの雰囲気の良さを窺わせた。

 第3節以来、勝利から遠ざかっていたしながわシティは、フウガドールすみだをホームに迎えた。ディビジョン1昇格後、ホーム初勝利を目指すしながわにとって是が非でも勝ちたい一戦は、この試合でFリーグデビューを果たしたブラジル出身のカイオが存在感を見せる。5分、自陣でのキックインの流れから笠篤史がシュート。これはすみだGK岸将太にはじかれるが、佐藤建也がこぼれ球を短く送るとカイオがすかさずシュートを放ち、先制に成功した。10分にもセットプレーからカイオが得点し、第1ピリオドは2-0としながわリードで折り返した。

 第2ピリオド立ち上がりには、すみだ陣内でのキックインを藤川侑哉がカットすると、右サイドの高い位置からマイナスのパスを送る。これを後方から走り込んだ白方秀和が突き刺し、しながわがリードを広げた。28分に北村弘樹にゴールを許すが、わずか30秒ほどでサカイ ダニエル ユウジがゴールし再度3点をリードする。GK岸を上げたパワープレーでチャンスを窺うすみだは、32分に栗本博生のアシストから畠山勇気がゴール。しかし、その後は両者に得点が生まれず終盤を迎える。2点を追うすみだは、残り1分強で栗本をGKに置いたパワープレーを選択。この采配が功を奏し北村のこの日2点目となるゴールで1点差に迫るが、4-3で逃げ切ったしながわが今季2勝目を収めた。

デビュー戦で2ゴールを挙げたしながわのカイオ(右) [写真]=SHOKO

 デビュー戦で2ゴールを挙げたしながわのカイオは、幼少期を日本で過ごした経験を持つ。ブラジルに戻り、フットサル選手となってからは、本国のほかロシアやチェコでもプレーをした。日本でプレーするという夢を持っていたため、クラブからのオファーに迷いなく決断した。前回の来日からちょうど20年での再来日に、両親や親族もとても喜んでいるという。来日からわずか11日、1週間のトレーニングを経ての鮮烈デビューとなったが、「自分のゴールももちろんうれしかったが、今のチームには勝利が必要な状況だったので、貢献することができてとてもうれしい」と謙虚に話す。

 今後のチームについては「来日する前からチームの映像を見てきたが、このチームが他に劣るとは思っていない。しかし、昇格1年目で、頭ではディビジョン2との強度との違いなどを分かっていても、体が反応できないといったことがあったのかもしれない。それが続きチームが勝てないと自信がなくなり、ここまできたのかもしれないが、今回勝ったことで少し自信を取り戻すことができるのではないか。しながわはFリーグの中で上位に食い込み、いい試合、いい勝負ができるチームだと信じている。ここから試合を重ねるごとに、よくなっていくと思う」と展望を語った。

 勝ち点21で名古屋オーシャンズと並び、2位につけていたペスカドーラ町田は、湘南ベルマーレとの“境川決戦”を制して勝ち点を伸ばす。首位の名古屋がバサジィ大分と4-4で引き分けたため、町田が単独首位に上がり、連勝記録をクラブ史上初の8に伸ばした。勝ち点22で名古屋と並ぶYS横浜は、得失点差で名古屋を上回り2位に浮上している。

Fリーグ2023-2024 ディビジョン1 第9節>
Y.S.C.C.横浜 4-1 シュライカー大阪
エスポラーダ北海道 2-5 立川アスレティックFC
湘南ベルマーレ 1-3 ペスカドーラ町田
名古屋オーシャンズ 4-4 バサジィ大分
しながわシティ 4-3 フウガドールすみだ
ボルクバレット北九州 0-3 バルドラール浦安

By サッカーキング編集部

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