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GKフィウーザの攻守にわたる活躍で湘南が8試合ぶりの勝利!/F1リーグ第14節

2023.09.18

攻守にわたる活躍で勝利に貢献した湘南のフィウーザ [写真]=SHOKO

 9月8日から10日の3日間、Fリーグ2023-2024ディビジョン1第14節が行われた。今節は「JFAリスペクト・フェアプレーデイズ」の期間中でもあり、各地で差別・暴力根絶の宣言が行われた。

 3試合ぶりの勝利を目指すしながわシティは、今季初の駒沢開催でペスカドーラ町田と対戦。上位ながら連敗中の町田に対し、黒本ギレルメを前線に上げるGK攻撃やセットプレーからチャンスを作る。しかし、14分には笠篤史がカウンターを仕掛けたところを原辰介に取り返され、荒川勇気に強烈なシュートを許す。1点差で迎えた第2ピリオドで巻き返しを図りたいしながわだったが、28分にはGK攻撃の隙を突かれ、阿部瑠依に無人のゴールへのロングシュートを決められ点差が広がった。2点を追うしながわは、3分半を残し中村友亮をGKに置きパワープレーを開始。しかし、得点には結びつかず、0-2で試合終了。町田が3試合ぶりの勝利を挙げた。

 7連敗中の湘南ベルマーレは、今季唯一の秦野開催にバサジィ大分を迎えた。立ち上がり、GK上原拓也を上げた攻撃からファーストシュートを放った大分がペースを握るが、湘南もカウンターからチャンスを作る。なかなか得点が生まれないまま第1ピリオドも中盤を過ぎると、13分には大分が陣川凌のロングパスに頭で合わせた田口大雅のシュートで湘南ゴールに迫る。これは湘南GKフィウーザに阻まれたが、直後に得たキックインから田口がシュートを突き刺し大分が先制に成功した。しかし、ホームの声援に後押しを受ける湘南は16分に靏谷春人がFKを直接決め試合を振り出しに戻すと、18分にはキックインから前川尚志が追加点。湘南リードで第1ピリオドを折り返した。第2ピリオドでは序盤に仁部屋和弘に同点を許すが、33分に堀内迪弥が勝ち越し弾。1点を追う大分は3分強を残し、青大祐をGKに置きパワープレーを仕掛ける。しかし、集中した守備を見せる湘南は残り18秒でGKフィウーザがパワープレー返しを決め、4-2で試合終了。湘南が逆転勝利でおよそ2カ月ぶりの白星を挙げた。

 湘南を率いる伊久間洋輔監督は「年に一回の秦野開催にたくさんのお客さんに来ていただいた。勝利を願って一体感を持ってゲームを進められた印象。厳しい言い合いもあるが、ディフェンスに関しては「1点もやらない」と助け合いを意識して臨んだ。先制を許したが、気持ちが折れることなく戦い抜き、開幕当初から得点を挙げていたセットプレーから2点決めることができたのはよかったと思う。追いつかれても堀内がああやって決めればこちらのペースになるし、フィウーザが(負傷から)戻ってきて、逆転されるのではないかという勢いのあるパワープレーも自ら止め、ゴールも決めた。湘南の勝ち方だったと思う」と試合を振り返った。ゲームキャプテンを務めた萩原真夏は「連敗が続いていてチーム状況もよくなかったが、ホームで勝ち切れたことは一人ひとりがきちんとやるべきことをやった結果。湘南のスタイルをしっかり体現できたので、今後もチーム全体でこれを続けていけば勝点は積み上げられると思う」とコメントを残した。

リスペクト・フェアプレー宣言を行うしながわの白方(右)と町田の伊藤 [写真]=SHOKO

 3位をキープするY.S.C.C.横浜は、バルドラール浦安をホームに迎えた。GK矢澤大夢、FP北野聖夜と主力を負傷で欠く中、高橋響がコンディション不良でフットサル日本代表の招集を辞退しリーグ戦欠場と難局に立たされたYS横浜。そのYS横浜に対し、6分には長坂拓海が先制弾。これに勢いを得た浦安は、12分にCKの流れから東出脩椰が追加点を挙げる。さらに13分には本石猛裕がGK攻撃の隙を突くゴールを決め、一気に3点をリードした。しかし、少ない人数ながら献身的なハードワークを見せるYS横浜は3失点目の直後に菅原健太が1点を返すと、14分には第2PKを獲得。これを堤優太が絶妙なコースに蹴り込み1点差に迫る。その後も打ち合いはつづき、第1ピリオドを3-5で折り返した。第2ピリオドでは27分に菅原がこの試合2点目となるゴールを挙げ、YS横浜が再度1点差に迫る。残り2分でYS横浜がパワープレーを仕掛けると、選手同士の交錯から浦安GKピレス・イゴールが顔面を強打し出血。しかし、処置を受けたイゴールがピッチに戻り集中したプレーを見せると、その気迫に呼応するように、本石がボールを奪いパワープレー返しでダメ押しの追加点を挙げた。4-6で逃げ切った浦安が、2試合ぶりの白星を獲得している。

 主力を大きく欠く中でもYS横浜らしさを見せたこの試合。チームを率いる鳥丸太作監督にこの経験で得たものを問うと「攻撃力を再確認できた。特に定位置攻撃からの得点は、おそらくリーグでトップクラスのクオリティではないかと思う。あとは、オフェンスでもディフェンスでも局地的な数的優位を作るところに手応えを感じている。優位を作るタイミングや場所を僕も分かってきたし、選手も分かってきているのが収穫。毎試合レベルアップをしていかなくてはいけないと考えているが、この試合でもレベルアップができたと思う」と自信をのぞかせた。現役時代の古巣でもある浦安との一戦は「歴史がありクオリティが高いチームなので、対戦を楽しみにしていた。在籍していたからこそ、外に出て分かる良さもある」と話し「この試合では相手がどうか、個人にどう対応するかではなく、“これまで積み上げてきたY.S.C.C.横浜”を出そうと臨んだ。今日だけでなくこの先も、僕がいなくてもゲームができる状態にすることを目標としている。僕は練習したことしか選手に求めない。僕の視点からの指示やアドバイスはもちろんするが、相手を観察し、ピッチの中で体感しながら考え、攻略法や最適解を出す。ベンチでは自分たちで話し、問題を解決していく。その目標のように、選手たちが自立して判断するようなゲームができたと思う」と振り返った。

 勝利を収めた浦安の小宮山友祐監督は「高橋選手の欠場は当日に知ったが、メンバーが変わっても横浜のファーストセットの脅威は変わらず、堤選手をどう抑えるかがポイントだった。浦安のファーストセットなら対応できると思ったが、鳥丸監督はこちらのファーストにセカンドを当ててきた。さらに裏返すことも考えたが、僕はひとつのセットを長く使うので、相手が交代してからの時間もカバーできると思った。堤選手や菅原選手を完全にシャットアウトすることは難しいが、その良さをどう消すかにフォーカスした試合だった」と試合を振り返った。

 第12節の名古屋オーシャンズ戦では、3点差から追いつかれ引き分け。今回も勝利はしたものの、1点差に迫られる局面があった。優位に試合を進めるために必要なことを問うと「自分たちもファーストセットでは押し込めていたので表裏一体ではあるが、たとえば前半の6つ目のファウルのように、ピッチの中でしか感じることのできないプレッシャーや焦りがあるのではないか。ただ、堤選手一人に突破を許すのではなくダブルチームで挟んで止めるなど、ピッチの中で何をしなくてはいけないか、判断力や自分に対する自信を高めていってほしい」と答えた。

 フットサル日本代表のブラジル遠征による中断期間を迎えたF1リーグは、9月23日に再開を予定している。

By サッカーキング編集部

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