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町田vs湘南の”境川決戦”は決着つかずドロー 快勝の立川は3位に浮上/F1リーグ第15節

2023.09.27

境川決戦は両者譲らずドロー [写真]=SHOKO

 9月23日、24日の2日間、Fリーグ2023-2024 ディビジョン1第15節が行われた。

 第14節終了時点で11位のボルクバレット北九州は、アウェイでバルドラール浦安と対戦。開始22秒でカウンターから宮崎岳がファーストシュートを放つなど積極性を見せたが、8分には本石猛裕に先制を許す。しかし9分、ゴールクリアランスからリスタートした浦安に対し、浦上浩生とクシヤマ・イザケがハイプレスをかけミスを誘う。浦上が素早くボールをセットしCKを蹴ると、ニアのクシヤマが左足で合わせ試合を振り出しに戻した。その後、立て続けに3点を失った北九州は、残り4分を切りGKを伊名野慎から今給黎空(いまきゅうれ・そら)に交代。攻撃参加を得意とする今給黎が前線に上がるパワープレーの形を取ると、その今給黎がゴール前に送ったボールがオウンゴールを誘発。第1ピリオドを4-2で折り返した。第2ピリオドでも伊名野と今給黎を使い分けながら追加点を狙う北九州は、23分に安嶋健至のアシストから田村龍太郎が追加点を挙げ1点差に迫る。しかし、試合巧者ぶりを見せる浦安に2点を奪われ、5分を残し浦上をGKに置きパワープレーを開始。最後まで追加点を狙った北九州だったが、追撃及ばず6-3で試合を終えた。

 敗れた北九州の中嶋孝行監督は「3試合負けなしだったので、チームでも大事な試合と位置づけて臨んだ。ボールを持つことを意識し、相手の守備の特徴を理解しながら打開点を見出そうとした。ただ、ちょっとした部分で失点につながるシーンが多く、追わないといけない展開や特に点差が広がると難しくなるので、そこを改善していきたい」と試合を振り返った。好調のY.S.C.C.横浜と引き分けたあとに迎えた中断期間で取り組んだことを問うと「ボールを持つことはできてもゴールにつながらない試合が多かったので、ゴールを奪うフェーズのトレーニングを増やした。その結果、中断明けの2連勝や、敗れはしたが今日の早いリスタートなど、ゴールを奪う姿勢やシュートで終わる状況の改善につながったと思う」と分析した。

 オフェンスとディフェンスの局面によってGKを代える独特な起用で攻撃に関わった今給黎は、自身も「攻撃参加が持ち味」と話す。スピードを持ってサイドを上がり、得点までつなげられるゴレイロ像を理想としているという。バサジィ大分サテライト所属時にトップ昇格が叶わず、中嶋監督のGKを攻撃に使うスタイルを見て北九州入りを目指した。初めは練習に参加することさえできなかったが、あきらめずにチャレンジをして加入が決定。チームのコンセプトが自身に合っていると感じ「フットサルがとても楽しい」と充実した表情を見せた。

 この試合で4得点と勝利に大きく貢献した浦安の本石猛裕は、第15節終了時点で14試合出場、14得点。得点ランキングでは名古屋オーシャンズのアンドレシートに次ぐ2位をマークしている。攻撃的なピヴォというポジションに求められる仕事をまっとうし、1年4カ月ぶりにフットサル日本代表候補にも招集された。浦安加入初年度で結果を出している要因を問うと「周りの選手が本当にうまい。いいパスをくれるので、僕は信じて走り込んで決めるだけ。それをつづけることで味方も動きを見てボールを出してくれるので、結果につながっていると思う」。久しぶりの代表活動については「去年は代表活動から離れ、チームでも悔しい思いをした。本当は(候補ではなく)フル代表に選ばれたかったが、これからどんどん食い込んでいけるように結果を出さないといけないと、常々自分に言い聞かせている。その最初の一歩として選んでもらえてうれしい」と笑顔を見せた。バサジィ大分に所属していた昨季は順位という結果こそ得られなかったものの「引き出しを増やしてもらい、得たものも多い」と話す。「大分で学んだことを浦安でも体現して、もっとゴールに対してシンプルにプレーすることを意識するようになった」と自身の成長について語った。

ゴールを決め喜ぶ立川の選手たち [写真]=SHOKO

 町田市立総合体育館では、立川アスレティックFCとペスカドーラ町田が共同開催を実施。1試合目に行われた立川とエスポラーダ北海道の一戦は、開始わずか8秒でファーストシュートを放った北海道の水上玄太が、40秒に先制点をマーク。立川の出鼻をくじいた。立ち上がりの失点に立川の比嘉リカルド監督からは𠮟咤の声が飛ぶが、5分の中村充の同点弾を皮切りに反撃が始まる。中村と新井裕生が2得点ずつを挙げ、第1ピリオドを4-1で折り返した。第2ピリオド立ち上がりには、セットプレーから新井がハットトリックを達成。さらに26分には、F1リーグ最年長、43歳の完山徹一が追加点を挙げ、リードを広げた。32分に本郷輝がゴールを決め、巻き返しを狙う北海道は7分半を残し室田祐希をGKにパワープレーを開始する。しかし、残り40秒で皆本晃にパワープレー返しを浴び7-2で試合終了。北海道の最下位脱出とはならなかった。

 4試合ぶりの黒星となった北海道は、8月の中断期間明けに上位のペスカドーラ町田、バルドラール浦安に勝利し、シュライカー大阪とも引き分け、3戦無敗でこの試合に臨んだ。中断期間に取り組んだことや再開後の結果については「シーズン序盤からフットボールの本質である『ボールを取ったらゴールに向かい、取られたらすぐに取り返す』ということを徹底していたが、途中でそのテーマから少し外れてしまった。中断期間ではもう一度、最初に取り組んでいたことをきちんと確認してやり直した。守備を徹底した結果が無敗の3試合につながったと思う。今日に関しては守備の緩さが出て失点したので苦しくなった。やり切る強さが足りなかったと思う」と嵯峨祐太監督。鈴木裕太郎主将はピッチでの感触について「立川はすごくうまく、捕まえ切れなかった。点差が開いたらいくしかないが、間を使われたりスペースを使われたり、ここ3試合の相手とはまたちょっと違ったのでやりづらさがあった」と答えた。

 2試合目には、Fリーグ開幕以来の伝統の一戦、ペスカドーラ町田と湘南ベルマーレの「境川決戦」が行われた。引き締まった固い展開となった試合は13分に町田がFKを得ると、湘南の壁の位置を確認した甲斐修侍監督がタイムアウトを獲得。この采配が的中し、タイムアウト明けにFKの流れから野村啓介が先制点を挙げた。しかし、負けてはいられない湘南も16分に堀内迪弥がゴール左隅にシュートを沈め、試合を振り出しに戻す。同点で迎えた第2ピリオドでも拮抗した展開がつづくが、31分には自ゴール前でのリスタートから林田フェリペ良孝が得意のスピードを見せ、湘南が逆転に成功。さらに追加点を重ねたいところだったが、33分にはクレパウジ・ヴィニシウスの目の覚めるような強烈なゴールで再び同点となる。その後も次の1点を狙う両者だったが、スコアが動かず2-2で試合終了。今季2度目の境川決戦は、勝ち点を分ける結果となった。

難波田親子から花束を受け取る町田の倉科(左) [写真]=SHOKO

 この日の試合前、町田の倉科亮佑のFリーグ通算100試合出場セレモニーが行われた。花束を贈呈した難波田治コーチは教員の経験を持ち、小学生時代の倉科の恩師でもある。当時から難波田氏はフットサルをプレーしており、倉科の中学・高校時代の試合にも顔を出していたという。今年度からコーチと選手として共に戦うことになり「まさかこういう形で再会するとは何か縁があるんだな、といろいろな思いがある」と倉科。「未だに“先生”って呼んでしまう」と笑い「生涯、忘れられない思い出のひとつになった」と感慨深げに語った。

 Fリーグは既に中断期間を迎えており、10月13日に再開予定。10月7日からは、フットサル日本代表がAFCフットサルアジアカップ2024の出場権を懸け、台湾で1次予選を戦う。

Fリーグ2023-2024 ディビジョン1第15節>
バサジィ大分 2-3 名古屋オーシャンズ
バルドラール浦安 6-3 ボルクバレット北九州
フウガドールすみだ 2-4 しながわシティ
シュライカー大阪 2-1 Y.S.C.C.横浜
立川アスレティックFC 7-2 エスポラーダ北海道
ペスカドーラ町田 2-2 湘南ベルマーレ

By サッカーキング編集部

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