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上位陣が連勝ストップ、名古屋が土壇場で勝ち点1を獲得/Fリーグ2024-2025 ディビジョン1第6節

2024.07.17

残り17秒で同点に追いついた名古屋オーシャンズ [写真]=SHOKO

 7月6日、7日の2日間、Fリーグ2024-2025 ディビジョン1第6節の6試合が行われた。
 
 ここまでホームで快勝してきたペスカドーラ町田は、しながわシティと対戦。開幕6連勝を目指すしながわとの試合は、序盤から堅い展開となった。5分、FKを得たしながわはゲームキャプテンを務めるサカイ・ダニエル・ユウジがこれを直接突き刺し先制に成功する。その後はなかなかスコアが動かず拮抗した展開がつづくが、17分にタイムアウトを取った町田は直後に山中翔斗のゴールで1点を返すと、残り54秒で山中が追加点。町田が逆転に成功し第1ピリオドを折り返した。

 第2ピリオドでは序盤に田村龍太郎が追加点を挙げしながわが同点に追いつくと、27分には町田が倉科亮佑のゴールで再度1点をリードしシーソーゲームの様相を呈する。取っては取られる攻防を繰り返し4-4の同点となると、町田は野村啓介をGKにパワープレーを開始。しながわにもパワープレー返しのチャンスはあったが、双方に得点は生まれず同点のまま試合を終え、しながわの連勝は「5」でストップした。

「引き分けが一番嫌い」と話す町田の甲斐修侍監督は「難しい相手に対し、全体としては自由な時間を与えずに選手たちがよく戦ってくれた」としながらも「ずる賢さ、駆け引きが足りなかった」と試合を振り返る。そういった試合の勘所をどのように身につけていくのかを問うと「実現するためのフィジカルコンディションが良くないと当然、ハードワークがつづいたときに1対1で相手を上回ることはできない。トレーニングでその局面を再現することは難しいが、こういった試合を振り返って検証し、試合の中でどういった時間帯でどういった立ち位置にいるかを判断できる余裕を作っていかないと。一生懸命プレーをし、誰一人サボっていないということは姿勢としてはマイナスではないが、あるときには一歩遅らせる、減速するといった判断が必要。簡単なことではないが、優勝争いをするチームになっていくためには繰り返し話して、見て、身につけていかないといけない」と駆け引きの重要性を語った。

2得点を挙げた山中翔斗に駆け寄る新加入GKビゴージ(町田) [写真]=SHOKO

 この日キャプテンマークを巻いたしながわのサカイ・ダニエル・ユウジは「優勝争いをするような2チームの接戦を会場に来てくれた人たちに見せられたのではないか」と試合を振り返る。比嘉リカルド監督が就任し、選手も補強された新しいチームについては「監督だけではなく日本代表級の選手が何人も入団してくれたことはとても大きなこと。周りがレベルアップしてくれたおかげで、私も守備だけではなく安心して攻撃に参加することができている。過去と比べることはあまりしたくないが、今の選手たちのメンタリティはこれまでとは違う方向に向いている。それが、自分がプレーをしやすくなった要因でもあると思う」と感想を述べた。

 2勝目が遠いY.S.C.C.横浜は、名古屋オーシャンズをホームに迎えた。立ち上がりから甲斐稜人や宮川泰生といった若手が積極的にゴールを狙う名古屋に対し、すぐにスターティングメンバ―から選手を入れ替えた横浜は4分、自陣でのパス回しから前線でボールを受けた荒川勇気が相手DFを振り切り先制点をマーク。さらに10分には、左サイドから仕掛けた小林拓夢のシュートがオウンゴールを誘発し、リードを広げる。2点ビハインドの名古屋は退場者を出した横浜に対し数的優位になるが、このチャンスをなかなか生かせず、1分を経過したところで吉川智貴をGKに置きパワープレーを開始する。2分間で得点を挙げることはできなかったがその後もパワープレーをつづけると、17分に水谷颯真のゴールで1点を返し、2-1で第1ピリオドを折り返した。

 第2ピリオドではペースを立て直した名古屋だったが、途中出場の横浜GK井戸孔晟の好守もありゴールを割ることができない。4分強を残し再び吉川をGKにパワープレーを仕掛けると、このまま試合が終わるかに見えた残り17秒、清水和也が渾身の同点弾を決め2-2で試合終了。勝点を分ける結果となった。

「勝点2を捨てたようなもの。入りは良かったが、失点をしてからは守備も攻撃も悪くスペースを狙わずに足元ばかりで走れていなかった」と試合を振り返る名古屋のイマノル監督。数的優位の状態から長くつづけたパワープレーについては「すでにタイムアウトも取っていたので、ハーフタイムに修正をかけるまではあれしか方法がなかった」と話し、第1ピリオドのうちに同点に追いつくまでつづける想定だったという。第2ピリオドでは多くのチャンスを作りながらも1点が遠く、パワープレーでもファビーニョやアンドレシート、清水に決定機がありながらも決めきることができなかった。「4点、5点と決められるチャンスがあったが、それを利用しなければこういった結果になる」と話すイマノル監督に、6節を終えて4勝1分1敗という結果を以って中断期間までの残りの試合をどう戦っていくかを問うと「よりよくしていかないといけないのは間違いないし、より戦えるようになっていかないといけない。バサジィ大分戦では(ギリギリで勝ったものの)負けに等しいような試合だった。この試合は、後半では相手を上回る試合をしたと思うが、それはスコアで示さないといけない」と話し「名古屋は絶対に勝たないといけないチーム」と意気込みを語った。

GKユニフォームを着用しパワープレーを仕掛ける名古屋の吉川智貴 [写真]=SHOKO

 主将の吉川智貴は「前半で試合が壊れてしまった」と試合を振り返り「立ち上がりのセットはすごくいい入りをしたと思うが、僕らのセットが入ったときに完全の僕のミスで失点し、全体的に士気が下がった。あの失点がなかったらどうなっていたか分からないし、それだけでしかない」と言葉少なに語った。

 横浜の稲葉洸太郎監督は「一言で言うと、悔しい結果に終わった。想定どおりいった部分もあったが、相手のパワープレーが長かったり退場が出たりで守備面で軸になる選手の体力が削られ、その部分が最後に少し出たと思う。守れていた時間帯が長かったが、最後のところで決めてくる名古屋のクオリティの高さを感じたし、分かっていたとはいえ悔しい。2-1で折り返したが、その1失点ももったいなかったと思うし、第2ピリオドでのいくつかの決定打を決めていない以上、最後の失点のことだけを語ることはできない。いい個性を持つスペシャルな選手がいる中で、しっかりと決めていくということが課題になった」と試合を振り返る。

 高橋響主将は「前半で荒川が決め、監督の狙いでもあるストロングな部分がよく出たゲームだった。特にピヴォの選手は強みを発揮できたと思う。個人的に、ピッチ内外ですごくいい流れであり、いいチームになりつつあると感じた。ただ、シーズンを通して勝ち切っていくことが求められる中で、前半の失点やパワープレーはもったいなかった。点を取るべきところで取ることも、上位にいく上で必要な要素。悪い部分を見たらキリがないが、いいところも出始めているので自信になるいい試合だったいう感覚がある」と悔しさの中にも手ごたえをのぞかせた。

 6連勝を目指していたバルドラール浦安、立川アスレティックFCも敗戦し、ますます混戦となっているFリーグ。8月に迎える中断期間まで目が離せない展開がつづきそうだ。

Fリーグ2024-2025 ディビジョン11第6節 結果
湘南ベルマーレ 3-2 バルドラール浦安
ペスカドーラ町田 4-4 しながわシティ
シュライカー大阪 5-1 ヴォスクオーレ仙台
フウガドールすみだ 6-3 立川アスレティックFC
Y.S.C.C.横浜 2-2 名古屋オーシャンズ
ボルクバレット北九州 1-6 バサジィ大分

By サッカーキング編集部

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