EXILE CUP 2024 東北大会を制した青森福田U-12 [写真]=吉田 剛
去る6月30日、福島県双葉郡にあるJヴィレッジ全天候型練習場で、LDH JAPANが主催する小学4年生から6年生によるフットサル大会「EXILE CUP 2024」東北大会が開催された。
今大会は青森県から3チーム、宮城県から7チーム、山形県から5チーム、福島県から21チーム、合計36チームが参加。今年9月に愛媛県今治市で開催される決勝大会出場権を懸けて、熱戦が繰り広げられた。
当日はLDH JAPANからゲストとして元サッカー日本代表MFラモス瑠偉さんと、EXILE /EXILE THE SECOND 橘ケンチさんが応援に駆けつけた。開会式ではラモス瑠偉さんが「日ごろの練習の成果を思い切り出して、暴れてほしい。そして、失敗を恐れることなく、いろんなアピールをして、楽しんでプレーしてほしい」と、子供たちに向けて力を出し切ることの大切さを訴えかけた。
その後、EXPG STUDIO EPIインストラクターYukiさんの指導のもと、準備体操として「クラッキ!ダンス」で身体を温める。このダンスをしっかり予習してきた参加選手たちは、Yukiさんの動きに合わせて元気よく踊って会場を盛り上げた。
第1試合目は9時半にキックオフ。予選リーグ屈指の好ゲームとなったのは、Dブロックの青森福田U-12対鳥川サッカースポーツ少年団の一戦だ。両チームとも技術力が高く、テンポのいいパスワークから多くのチャンスを作り出した。結果は青森福田U-12がアイデア豊富な攻撃で相手を上回り、4-1で試合を制した。
予選リーグは6つのコートを使って全54試合が行われ、以下16チームが決勝トーナメントに進出した。
ラセルバロイFC(宮城県塩竃市)、窪田SC(山形県米沢市)、会津サントスFCセカンド(福島県喜多方市)、リガーズFC(福島県郡山市)、GINGA ENTRADA U-11(青森県八戸市)、青森福田U-12(青森県青森市)、鳥川サッカースポーツ少年団(福島県福島市)、近津サッカースポーツ少年団(福島県棚倉町)、冨田西サッカースポーツ少年団(福島県郡山市)、GINGA ENTRADA U-12(青森県八戸市)、浅川サッカースポーツ少年団(福島県浅川町)、中央ドリマS(福島県福島市)、会津サントスFCジュニア(福島県喜多方市)、FCアルコARDORE(宮城県仙台市)、エスペランサFC(山形県白鷹町)、荒井サッカースポーツ少年団(福島県福島市)
決勝トーナメント抽選会の前には、ゲストの橘ケンチさん(EXILE / EXILE THE SECOND)から「サッカーを通してたくさんのことを学んでください。勝っても負けてもいろんなことに感謝する気持ちを忘れず、心から楽しむことを大事にプレーしてください」と子供たちにエールが送られた。抽選会を終えると、午後からいよいよ決勝トーナメントがスタートする。
荒井サッカースポーツ少年団は、参加チーム中唯一、控え選手なしの5人で決勝トーナメントに勝ち上がってきたチーム。5人が卓越したコンビネーションを見せ、予選リーグでは2勝1分という好成績を残してIブロックを通過した。決勝トーナメント1回戦ではAブロック1位のラセルバロイFCと対戦。前半は互角の戦いを見せながらも、後半はラセルバロイFCの攻撃力を封じきることができず、3ゴールを許して敗戦を喫した。とはいえ、少人数ながら最後まで勝利を諦めずに戦い抜く姿は見る者の心を打った。
決勝トーナメントは一発勝負ということもあり、予選リーグよりも緊張感の高まった雰囲気の試合が続いた。予選リーグで3連勝を飾り、全体で1位の得失点差(24点)を記録した会津サントスFCジュニアと、得失点差2位(20点)の冨田西サッカースポーツ少年団は1回戦でいきなり激突。攻守でミスの少ない実力伯仲のゲームが展開された。後半2分過ぎに冨田西サッカースポーツ少年団が先制したが、終盤に会津サントスFCジュニアが猛攻を仕掛け、3点を奪って逆転に成功。2回戦に駒を進めた。
2回戦も各コートで激戦が続く。青森福田U-12と会津サントスFCセカンドの対戦は青森福田U-12が果敢に攻撃を仕掛けたものの、会津サントスFCセカンドの堅い守備をこじ開けることができず、0-0のまま試合終了。PK戦に突入し、全員が成功した青森福田U-12が紙一重の戦いを制して、準決勝進出を決めた。
準決勝は青森福田U-12が3-0で浅川サッカースポーツ少年団に勝利。もう1試合はGINGA ENTRADA U-12が会津サントスFCジュニアを破った。この対戦は0-0の拮抗した展開が続いたが、後半2分過ぎにGINGA ENTRADA U-12がゴールを決めて先制。そのまま逃げ切るかと思われた終了間際、会津サントスFCジュニアが左サイドを突破して強烈なシュートをゴールネットに突き刺し、土壇場で同点に追いついた。だが、GINGA ENTRADA U-12は下を向くことなく、PK戦を制して決勝に進んだ。
青森県勢同士の対戦となった決勝戦。ここまで6試合を戦ってきた両チームは疲れの色を見せることなく、序盤からアグレッシブなプレーを披露した。開始わずか15秒、左サイドから強烈なシュートを突き刺して青森福田U-12が先制。青森福田U-12はその後もペースを握り、前半2分に左サイドからの折り返しを決めて追加点を挙げた。
GINGA ENTRASA U-12も反撃し、前半終了間際には最終ラインを抜け出してGKと1対1の絶好のチャンスを作る。しかし、GKの好セーブに阻まれてゴールならず。一進一退の攻防が続くなか、後半に青森福田U-12が再び左サイドの攻撃からダメ押しゴールを決め、青森福田U-12が“青森対決”を制して東北王者に輝いた。
「今大会は勝つことよりも、楽しんでサッカーさせようと思って参加しました」
優勝した青森福田U-12の三上孝監督は大会をそう振り返った。試合中はベンチからほとんど指示を出すことなく、選手たちの判断でプレーさせた。「今までやってきたことを子供たちの中で整理して、ゲームをしながら修正していくことを繰り返してきました」
選手の自主性を重んじながら優勝という結果を手にしたことことにより、チームは大きな自信をつかむことができたという。「大会を通じて成長していった感じがしました」と三上監督は選手たちを称えた。
全国大会に向け、キャプテンの佐藤一颯(いっさ)くんは「今のままでは全然足りないと思うので、もっともっとレベルを上げないといけない」とさらなる成長の必要性を認め、「試合に出ている選手だけでなく、チーム全体のレベルをもっと上げて、全員の力で勝ちたい」と意気込みを口にした。
圧倒的な攻撃力を発揮して東北大会を制した青森福田U-12。今大会でも存分に見せた「アイデアを出してゴールまで導く」(佐藤くん)スタイルで、全国の舞台でも大きな輝きを放つに違いない。
取材・文=佐藤 拓也 写真=吉田 剛
By サッカーキング編集部
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