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6試合中5試合が引き分ける大混戦 上位争いはさらに熾烈に/Fリーグ2024-2025 ディビジョン1第8節

2024.08.12

土壇場で同点弾を決めた湘南の堀内迪弥

 7月19日から21日の3日間にわたり、Fリーグ2024-2025 ディビジョン1 第8節の6試合が行われた。
 
 今季2勝目を目指すY.S.C.C.横浜は、ヴォスクオーレ仙台をホームに迎えた。

 5分、キックインから攻撃を組み立てる横浜は荒川勇気が先制点を挙げ1点をリード。9分には仙台のカウンターから小野寺那央に同点弾を許すが、12分には高い位置でプレスをかける野尻大和がボールを奪うと自らシュートを突き刺し勝ち越しに成功した。

 2-1で迎えた第2ピリオドでは両者合わせてシュート数がわずか9本にとどまる堅い展開となり、仙台が仕掛けたパワープレーでもスコアは動かず試合終了。野尻の移籍後初ゴールが決勝点となり、横浜が勝ち点3を獲得した。

 ロースコアは予想していたという横浜の稲葉洸太郎監督。「危ないシーンもあったが、想定をしていた展開だった。欲を言えば、2-1になってからなかなか前進できない部分もあったので、そこでもう一度自分たちのペースに戻して追加点を取りたかった。1点差のままがつづいたことは苦しかったし、課題だと思う」と試合を振り返った。

 仙台を率いる清水誠監督は「中4日での試合にしては、選手たちはがんばってくれた。流れが変わればいいと思っていたが、失点の仕方も良くなく、まだそういった流れを断ち切れていない。ロースコアで進むことは想定内だったが、勝って帰るつもりでいた。なかなか勝てていないが、今よりきついクラブの状況(財政面立て直しのためのリーグ参戦中止)が僕たちにはあったので、結果が出ない責任は自分が取ればいいこと。選手たちには日々成長して、1ミリでも前に進みディビジョン1で戦えるチームになってほしい」と試合を総括した。

今季2勝目を挙げたYS横浜

 これまでも数々のドラマが生まれてきた小田原アリーナでの湘南ベルマーレ対名古屋オーシャンズ戦は、今回も目の離せない展開となった。

 4分、牧野謙心が高い位置でプレスをかけると、ルーズボールを前川尚志がゴールに突き刺し湘南が先制。13分には右サイドの林田フェリペ良孝が名古屋のマークを振り切り追加点を挙げた。

 湘南の2点リードで迎えた第2ピリオド、左サイドでフリーキックを得た名古屋は清水和也からアンドレシートを経由し、甲斐稜人が得意の左足でシュートを突き刺す。その後もシュート数では湘南を大きく上回りながらも追加点を奪えない名古屋は、8分近くを残し吉川智貴をGKにパワープレーを開始。この采配が奏功し、34分、アンドレシートが短く落としたボールを水谷颯真がダイレクトで蹴りこみ同点に追いつく。35分にはアンドレシートのシュートパスを金澤空が頭で押し込み、逆転に成功した。しかし、リードを奪われた湘南が萩原真夏をGKに置きパワープレーを仕掛けると、残り42秒で堀内迪弥が同点弾。3-3で試合が終了し、勝ち点を分ける結果となった。

 つかみかけた勝利を落とした名古屋のイマノル監督は「自分たちのエラーで2失点をしたが、それ以外にも2回、3回と絶対に決めないといけないチャンスを決めることができなかった。第2ピリオドは自分たちの試合になったが、パワープレーで逆転したもののその前にもチャンスはあったし、相手のGKがいないシーンでも決めきれず試合を終わらせることができなかった。3失点目も守備の声掛けをしているところではあったし、同点にされてからのパワープレーでも決めきることができなかった」と悔しさをにじませた。

 吉川智貴主将も「監督が言ったことがすべて。失点も全部自分たちのミスであり、もう少し点を取れる場面もあった。前半はもっとよくしないといけないものの試合を通してそこまで悪かったわけではないが、勝たなければ意味がないので勝ち点2を失ったゲームだったと思う」と言葉少なに語った。

 湘南を率いる伊久間洋輔監督は「いつもどおりホームの熱い応援で最後までがんばれたという印象。前半はとにかく得点を与えず、名古屋の速い4-0システムをうまく止められていたと思う。うまく2点を取れたが、それで終わるわけはないことは想定内だった。最近の名古屋はパワープレーをするので、それも想定していたが、長い時間あれだけ攻められると体力的なものもある。交代などのマネジメントや、パワープレーの守備ができる選手層を増やさないと、上位陣と戦うには厳しいとも感じた。ただ、最後にパワープレーで追いつけたことはみんなの力が出ていたと思うし、今シーズンの粘り強く戦うディフェンスはできてきている。名古屋に対し勝ち点1を取れたことで、次節にいい形で臨めると思う」と試合を総括。

 高橋広大主将は「前節では失点の仕方やタイミング、相手の試合運びのままにやられてしまったところが課題だった。そこをみんなが理解して、入りからいいプレーをしていい形で折り返すことができたが、前半で強度が高かった分、後半で疲れも出る。それでも40分やり切らなくてはいけない中で、明らかに精度や質が落ちシュートも少なくなった。その課題をどうしていくかで、リーグの後半戦は変わってくる。ただ、ひっくり返されても追いつけたことは自信を持っていいところだと思う」と手ごたえをのぞかせた。

 上位同士の対戦となったペスカドーラ町田と立川アスレティックFC、しながわシティとバルドラール浦安も勝ち点を分け、6試合中5試合が引き分けとなった第8節。例年にない接戦が繰り広げられている今シーズンは、優勝争いがますます熾烈になりそうだ。

Fリーグ2024-2025 ディビジョン1第8節結果
Y.S.C.C.横浜 2-1 ヴォスクオーレ仙台
ペスカドーラ町田 3-3 立川アスレティックFC
フウガドールすみだ 3-3 バサジィ大分
湘南ベルマーレ 3-3 名古屋オーシャンズ
しながわシティ 2-2 バルドラール浦安
ボルクバレット北九州 2-2 シュライカー大阪

By サッカーキング編集部

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