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【EXILE CUP 2024 レポート】関西代表・センアーノ神戸ジュニアが5年ぶり2度目の全国制覇!

14時間前

EXIILE CUP 2024決勝大会を制したセンアーノ神戸ジュニア [写真]=垂水謙庄

 “聖地”今治に集った全国の強者たち。

 株式会社LDH JAPANが主催する、小学4年生から6年生を対象としたフットサル大会「EXILE CUP」。全国9地区10会場で争われた各地区大会を勝ち抜いた10チームが、決勝大会の舞台となる愛媛県今治市・アシックス里山スタジアムに集結し、その頂点の座を争った。

 開会式では大会アドバイザーを務める元サッカー日本代表監督・岡田武史さんが挨拶。「まさかこれほどレベルの高い大会になるとは思わなかった。今や年代別の日本代表が、この大会を経験した子から出ている。今大会も期待している」と子供たちへエールを送った。主催の株式会社LDH JAPANからも、橘ケンチさん(EXILE / EXILE THE SECOND)とEXILE TETSUYAさん(EXILE / EXILE THE SECOND)が応援に駆けつけ、子どもたちの熱いプレーを見守った。
 予選リーグは5チームずつ2つのブロックに分かれて6分ハーフの総当たり戦を行い、各ブロックの上位2チームが決勝トーナメントへ勝ち上がる。決勝トーナメントは7分ハーフのノックアウト方式。予選リーグが始まると、Aブロック、Bブロックで大きく異なる戦いが展開されていった。

決勝大会に駆けつけたゲスト陣。左からEXILE TETSUYAさんと橘ケンチさん(ともにEXILE / EXILE THE SECOND)、ラモス瑠偉さん(元サッカー日本代表)岡田武史さん(元サッカー日本代表監督) [写真]=垂水謙庄

 Aブロックはスピード感溢れるダイナミックなプレーの連続で激しい点の取り合いとなった。どのチームも積極的にゴールへ向かう姿勢を露わにし、取られたら取り返すとばかりに奮起。常にチャレンジを繰り返す姿勢が印象的だった。
 そんなAブロックの中で頭一つ抜けていたのは関西代表のセンアーノ神戸ジュニア。個と組織のクオリティの高さを生かした攻撃で得点を量産するとともに、守備でも4試合で1失点という安定感を見せた。かつ、109 人のメンバーが効果的にターンオーバーをしながら疲労を分散するなど、決勝トーナメントを見越した戦いぶりもチームとしての成熟度の高さを感じさせた。
 熾烈だったのは2位争いだ。予選リーグ初戦で5得点を奪う好スタートを切った四国代表のgrand merryがその勢いで突っ走るのかと思われたが、北信越代表の篠ノ井ジュニアサッカークラブが直接対決でその勢いを止め、両チームは予選リーグを終えて勝ち点「7」で並ぶ。どちらが勝ち上がってもおかしくないハイレベルな争いだったが、得失点差でわずか「2」上回った篠ノ井ジュニアサッカークラブが決勝トーナメントへと駒を進めた。

[写真]=垂水謙庄

 一方のBブロックは1点を争う接戦が続出し、緊張感の漂う戦いを繰り広げた。各チームが攻守両面で持ち味を発揮し、拮抗した試合展開が多く、予選リーグ10試合中4試合がドローとなるなど、ほぼ全試合で僅差の試合が繰り広げられた。
 首位でBブロックを突破したのは東海代表の山室山フットボールクラブ。予選リーグで得た3つの勝利は全て1点差の争いを制したもので、その勝負強さを武器に実力拮抗のBブロックでライバルに差をつけた。2位には関東代表のF.S.オーガが粘り強く勝ち点を積み上げ、2番手争いをしていた九州2代表のサイレコ・エスペランサ熊本との直接対決を制して決勝トーナメントへ滑り込んだ。

[写真]=垂水謙庄

 逆に、力がありながらもわずかな差に泣いたのは北海道代表のFC Kitagoアズベルデ。予選リーグの4試合はいずれも勝利しておかしくない接戦だったものの、ここぞという場面でゴールを奪い切れず、3分け1敗で無念のBブロック最下位に沈んだ。今大会に向け、週1回フットサルの練習を行って準備してきたが、サブに1人しか用意できない6人編成のチームは、連戦を戦い抜くうえで体力面での不利を強いられた。
 キャプテンの大平幸明くんは「いつもと違う環境で、緊張して思ったようにシュートを打てなかった。いつもやっているプレーができなかったです」と悔しさをにじませた。しかし、それでもAグループ5位との順位決定戦では1-0で大会初勝利。最後は北海道代表としてのプライドを見せた。

 準決勝は2試合とも手に汗握る好ゲームとなった。
 センアーノ神戸ジュニアとF.S.オーガとの対戦は、予選リーグで圧倒的な力を見せていたセンアーノ神戸ジュニアが序盤から多くの決定機を作り、試合を優位に進める展開。均衡が破れるのも時間の問題かと思われたが、F.S.オーガも必死のハードワークで対抗し、スコアレスのまま試合終盤へ突入する。
 するとF.S.オーガは相手のミスに乗じて一気に攻勢をかけ、ゴール前で立て続けにシュートを放つビッグチャンスを作り出す。しかし、センアーノ神戸ジュニアはこの大ピンチにもゴレイロの大内愛志くんを中心に落ち着いて切り抜けると、試合終了間際に平松大志くんが鮮烈な決勝ゴール。劇的な形で決勝戦進出を決めた。

[写真]=垂水謙庄

 準決勝のもう1試合はBブロック首位の山室山フットボールクラブと、Aブロック2位の篠ノ井ジュニアサッカークラブの対決。試合は序盤に篠ノ井ジュニアサッカークラブが先制に成功したが、山室山フットボールクラブも意地を見せ、前半終了間際に同点に追いつく。
 後半はお互いに一進一退の攻防が続いた。決勝の舞台をかけた争いは時間が進むにつれて激しさを増し、篠ノ井ジュニアサッカークラブが勝負にピリオドを打つ。試合終盤に勝ち越しゴールを奪い、その後も追いすがる相手の反撃を振り切って決勝の舞台へ進んだ。

[写真]=垂水謙庄

 決勝戦はセンアーノ神戸ジュニアと篠ノ井ジュニアサッカークラブという、同じAブロックを戦ったチーム同士の対戦となった。予選リーグでは2-0でセンアーノ神戸ジュニアが勝利。決勝の舞台で篠ノ井ジュニアサッカークラブがその借りを返せるかにも注目が集まった。
 序盤から主導権を握ったのはセンアーノ神戸ジュニア。無敗で勝ち上がってきた力を見せつけ、開始2分に安田蒼くんの先制点で勢いに乗った。直後にポスト直撃のシュートを打たれたものの、そこからは盤石の戦いぶりを見せ、予選リーグの対戦と同様、試合を巧みにコントロール。終盤には平松大志くんが追加点を挙げ、悲願の全国優勝を決めた。

[写真]=垂水謙庄

 地区大会から参加した全456チームの頂点に立ったのは、関西代表のセンアーノ神戸ジュニア。チームの指揮を執る大木宏之監督は「いろんな全国大会に出ていますけど、いつも準決勝や決勝で負けて優勝できていなかったんです。でも今日、子供たちは最後まで頑張ってくれました」と、大きな成長を遂げた教え子たちを称賛した。その上で「ケガで出られない子もいたけど、その子も他チームの分析をしてくれていました」とチーム全員でつかんだ優勝であることを強調した。
 選手たちも喜びを爆発させた。準決勝で劇的な決勝ゴールを決めた平松大志くんは「決定機がたくさんある中でなかなか決められなかったけど、最後に決めることができてうれしかった」と笑顔。決勝で鮮やかな先制点を決めた安田蒼くんは「自分がゴールを決めてセンアーノに流れを持ってきてやろうと思っていました。センアーノらしく全員の心が動くサッカーができました」と、熱のこもった言葉で勝利を振り返った。

[写真]=垂水謙庄

 競技終了後には、岡田さん率いる「TEAM OKADA」対、決勝大会参加選手による「選抜チーム」とのフレンドリーマッチも行われた。
 元サッカー日本代表選手のラモス瑠偉さんや橘ケンチさんといったスターがそろう「TEAM OKADA」に対し、選抜チームのゴールを守る大内愛志くんは「手加減はしません!」と宣言。7分ハーフで行われた前半はその言葉どおり、「選抜チーム」が一方的に攻め立てる展開で「TEAM OKADA」を慌てさせた。「TEAM OKADA」はそれでも粘り強くスコアレスで前半を折り返し、終盤にFC今治OBの金井龍生さんが値千金のゴール。辛くも大人としてのプライドを守った形となった。

[写真]=垂水謙庄

 今大会、全ての地区大会を見守った橘ケンチさんは「地区大会の優勝チームが一堂に会するということで、決勝大会は“アベンジャーズ感”のある豪華な印象を受けました。選手たちがいつか、プロ選手としてこのスタジアムに戻ってくることを心から願っています」と総評。EXILE TETSUYAさんは「キッズとは思えないレベルの高さにはいつも驚かされています。明確に勝敗がつくところに感動が生まれ、次へのステップが生まれる。そういうドラマも見させてもらっていますし、すごく良い大会に育ってきていると感じています」と、子どもたちの弾けるような全力プレーに刺激を受けたという。

 ひたむきに一つのボールを追いかける子どもたちの姿勢に後押しされ、大会も回を重ねるごとに成長してきた。「EXILE CUP」はこれからも、子どもたちとともに大きく育ち、子どもたちの夢への可能性を広げていくことだろう。

取材・文=松本 隆志 写真=垂水 謙庄

By サッカーキング編集部

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