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フットサル日本一を決める大会、20日からベスト8の戦いへ/JFA第30回全日本フットサル選手権大会

2025.03.19

Fリーグ王者・浦安を下したペスカドーラ町田アスピランチ [写真]=SHOKO

 JFA第30回全日本フットサル選手権大会はベスト8が出そろい、20日に東京都・駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場で準々決勝が行われる。

 地域代表から唯一、準々決勝へと駒を進めたペスカドーラ町田アスピランチは、2回戦で今シーズンのFリーグ王者・バルドラール浦安を下す大金星をあげた。格上を相手に真っ向勝負を挑んだ町田アスピランチ。第1ピリオドでは相手の守備に苦戦し、GKを使った5対4の優位性や前線へのロングボールも効果を発揮できなかった。しかし、1点を追う展開から浦安GKピレス・イゴールが上がった隙をつき成田美光が同点弾。第2ピリオドもポゼッションやシュート数では浦安に圧倒されるが、木村颯也、今井柚希のシュートが立て続けにGKイゴールにはじかれたところに木村が詰め、逆転に成功した。その後も浦安の怒涛の攻撃やパワープレーを全員で守りきり、2-1で勝利を収めた。

 同点弾を挙げた成田は185cm、84kgと恵まれた体格を持ち、グラススキーの世代別代表に選ばれた経験を持つ。自身の強みは「両足で悪くないシュートを打て、フィニッシュまで完結させられるところ」。「この試合にフットサルの魅力が全部詰まっていた。本気で勝ちを目指したら、日本一のチームにも勝つことができるのが醍醐味」と笑顔を見せる。準々決勝への意気込みを問うと「駒沢に行くからには、相手がFリーグのチームだろうと絶対に勝ちを目指す」と力強い言葉が返ってきた。

 決勝点を挙げた木村颯也は「絶対に決めたい、ここしかないと思っていた」とゴールを振り返る。相手GKイゴールの特徴も意識し、こぼれ球がきたら詰めると決めていたが「本当に転がってきて入っちゃった」と笑いを誘う。自身のストロングポイントを「パッション」だと話し「今のチームは純粋にフットサルを楽しんでいる。勝つことの楽しみも実感して、本当にいいチーム。この試合のような集中力で1試合、1試合に臨んだらもしかしたら…(優勝も)あるんじゃないかな、って。みんなで(賞金の)100万円を取りにいく」と熱意を見せた。

 町田アスピランチを率いる小川亮監督は「第1ピリオドは浦安のGK活用を怖がってボールから離れる傾向があり、(町田の)GK石井へのプレスにも苦戦した。ハーフタイムに配置の調整をし、あとは自信のつくような言葉、『大丈夫だよ』と伝えた」と話す。その言葉に呼応するように奮起した選手たちだったが、勝率を高めるために引いて守ることや、若さを活かして走り回ることは考えなかったのだろうか。「彼らは将来、年間を通してああいった強い相手と戦うことになるかもしれない。勝つことを第一にしながらも、育成のチームとしての成長を考えたときに、この試合だけ何かを変えるより自分たちがやってきたものを出したいという気持ちだった」と小川監督。「選手たちは感情を乗せて試合に入り、見ている人の心を動かすような試合をしてくれた。こういう試合で成長すると再認識したし、勝つと欲も出てくる。駒沢でも勝ちたいし、彼らのためになることであればどこまででも手助けをしたい」と準々決勝への展望を語った。

 8連覇を目指しながらもリーグ戦を準優勝で終えた名古屋オーシャンズは、1回戦で関東地域第4代表のオーパに5-3、2回戦で東北地域第1代表のあしざるFCに6-1で勝利し、準々決勝へと駒を進めた。

 リーグ戦最終節の翌週には全日本選手権が始まり、2回戦から準々決勝までは1カ月近く空くという変則的なスケジュールの今シーズン。リーグ優勝を逃した名古屋の選手たちは「気持ちを切り替えるのは簡単ではなかった」と口をそろえる。しかし、準々決勝まで数日と迫る中、トレーニングの雰囲気は悪くなく活発にコミュニケーションを取る姿が見えた。全日本での優勝について「クラブとして『来季は必ず王座を取り戻す』という目標があるが、その上でもここからのスタンスが大事。まず、この大会でタイトルを獲るという方向にチームは向かっている」と吉川智貴主将。安藤良平は「リーグ優勝を逃したことを、全日本の優勝で上書きはしたくない。だから、リーグタイトルを獲れなかった悔しさをぶつけたいのではなく、目の前の試合に勝ちたいという気持ち。シーズン最後を優勝で終えたいと、ただそれだけを思っている」と冷静さを見せる。

 ベテランとしてチームをけん引する篠田龍馬や八木聖人も、来季の進退が決まるこの時期、モチベーションに差が出る難しさに触れながらも「チームは優勝に向かっている」と話す。「リーグ優勝を逃してしまった分、全日本を獲るしかないとみんなが思っている。それぞれが置かれている状況は違っても、向き合って整理をつけて臨むのがプロ。自分のため、チームのために戦うことができるチームだと信じている」と篠田。八木は、昨年12月に左ひざ前十字じん帯損傷による長期離脱から復帰したばかりだが「昔、名古屋でプレーをしていたルイジーニョ(2018-2019シーズンまで在籍)は、全日本の前に退団が決まっていたが『俺は今日、骨が折れてでも勝つ』と話していた。このチームにいる以上、常にそういった気持ちでいないとダメだな、って。僕は(けがから復帰したばかりで)こんな状況だから伝わるか分からないけど、声はかけていきたいし、試合に出たときはプレーで見せたいと思っている」と決意を語った。

 リーグ戦では、事実上の決勝戦とも言える第26節のバルドラール浦安戦で退場の判定を受け、涙を飲んだ清水和也。2回戦の翌週にはフットサル日本代表としてパラグアイに遠征し、タイトなスケジュールで活動している。その清水は「綺麗に終わらそうとは思っていない。全日本で優勝してもリーグ優勝を逃した事実は変わらないが、プロとしてあるべき姿で終わらなきゃいけないと自分を奮い立たせている。延長戦だろうとPKだろうと、1-0でもいいから勝つ。泥臭くても、かっこよくなくてもいい。そういった姿を見せて必ず優勝する」と意気込みを語った。

【準々決勝組み合わせ】
3月20日(木・祝)
11:00 ペスカドーラ町田アスピランチ vs ボルクバレット北九州
13:15 ペスカドーラ町田 vs 立川アスレティックFC
15:30 しながわシティ vs フウガドールすみだ
17:45 名古屋オーシャンズ vs バサジィ大分

3月21日(金)
12:00 準決勝 第1試合
14:30 準決勝 第2試合

3月22日(土)
13:00 決勝

※会場はすべて駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場

By サッカーキング編集部

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