2年生ながら桐光学園の10番を背負う西川潤は、全国の大舞台で異次元のプレーを見せている
「サッカー界のひとつの星になる可能性は秘めている」と評される2年生が、インターハイの主役候補に躍り出た。桐光学園(神奈川)の2年生エースFW西川潤が富山第一(富山)との準々決勝で4人抜きの衝撃ゴールを含む3発。今大会の得点数を4へ伸ばし、得点ランキング首位のFW小森飛絢(富山第一)との差を3として逆転得点王と日本一の“2冠”も射程圏内にとらえている。
U-16日本代表のエースとしても期待される西川は、横浜F・マリノスジュニアユースから元U-16日本代表候補の兄・西川公基(神奈川大)も在籍していた桐光学園に進学。かつて、中村俊輔(磐田)も背負っていた名門の背番号10を1年時から背負ってきた逸材だ。
元Jリーガーの鈴木勝大監督が「彼みたいな素材は他のチームでもなかなか見たことが無い。顔もいい顔しているし、スター性もある。レフティーだし、サイズもあってスラッとしている。サッカー界のひとつの星になる可能性は秘めていると思う」と絶賛する。今大会では、1回戦で先制ゴールを決めると、3回戦では決勝点をアシスト。そしてこの日は圧巻のプレーを見せた。
前半5分に右サイドからのマイナスクロスを1タッチでゴール。そして2-0の前半アディショナルタイムには中盤で前を向くと、空いた中央のスペースへボールを運びながらDFを次々とかわし、最後はGKもかわして右足でシュートを決めた。今後彼が日本を代表する存在になれば、語り継がれるかもしれないような4人抜きのスーパーゴール。西川は後半終了間際にも決めてハットトリックを達成した。
180cmの長身レフティーはドリブル、ラストパス、そしてシュートでも違いを生み出すことのできる稀有なプレーヤー。彼がJリーグアカデミーではなく高体連へ進学してきたのには理由がある。それは、泥臭くボールを奪う部分や体力面など自分の課題を改善するため。高校進学から約1年4カ月で迎えた今大会、彼は得意の攻撃面だけでなく、守備面での進化やチームを鼓舞する部分など、昨年は見られなかった部分も表現している。
「(泥臭いような守備が)やっとできるようになりました(笑)。2年かかりました(笑)。体力面(の向上)もそうですし、自分の闘志が燃え上がるような感覚が自分にはある」。
課題を克服してきたことで、より試合の中で目立つことができるようになっている。逸材は準決勝、決勝でも衝撃的なゴールやプレーを見せるか。学年差を全く感じさせないような凄みが今の西川にはある。
By サッカーキング編集部
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