PK戦を制し、喜びを爆発させる山梨学院イレブン
2018年のインターハイ決勝カードは桐光学園(神奈川)対山梨学院(山梨)の関東対決となった。09年度の選手権で日本一に輝いている山梨学院は今夏、インターハイで初のベスト8、ベスト4、そして決勝進出と大きく歴史を塗り替えてきている。
主将のCB西澤俊が「インターハイの優勝は初めてなので、歴史を作りたい」と語るチームの大黒柱が、FW宮崎純真だ。1年時の選手権二回戦で全国初ゴールを決め、チームのベスト16入りに貢献。当時、1年生ながら日本高校選抜候補に選出されているタレントだ。
だが、体調不良で日本高校選抜候補合宿を辞退した宮崎は昨年、ケガでインターハイ予選を欠場してチームも敗退。出場権を獲得した選手権では無得点で初戦敗退と全国でアピールすることができなかった。
それでも今年2月、「原口元気選手みたいに。ハードワークも自分の武器なので、ハードワークでチームに貢献して決め切るべきところで決める。そういう選手になりたい」と語っていたFWは今、理想に近い姿となって、山梨学院を牽引している。
二回戦ではV候補の市立船橋(千葉)相手に前線でボールを収めてカウンターの起点となり続けて1-0の勝利に貢献。日章学園(宮崎)との準々決勝では1-2からまさに“ゴラッソ”と言える2本のファインショットをゴールに叩き込むなど、2得点1アシストでヒーローになった。
「3人、4人来ても簡単にボールを獲られない自信がある」というほどのキープ力。守備面での貢献度も大きいFWは大柄なDF相手でもボールを収め、鋭いステップワークと馬力あるドリブルで相手の守りをこじ開けて強烈なシュートをコースに決めてしまう。
東山との準決勝では連戦の疲れを考慮されて後半開始からの出場となったが、エンジン全開の動きで攻撃を活性化。カットインからのシュートでゴールを脅かし、左サイドからのラストパスで決定機も演出した。得点こそ奪うことができなかったが、PK戦勝利。宮崎は旧友たちが待ち構える決勝進出を決めた。
桐光学園の最終ラインの柱であるCB望月駿介主将とCB内田拓寿はいずれもFC多摩ジュニアユース時代のチームメート。「望月は欠点がなくて、何でもこなすし、最後身体も張れる。内田は競り合い強いし、最後に足も伸びてくる」という厄介な相手だが、彼らを突破してゴールを決めることだけを考えている。
昨年1年間苦しんだ分を初のインターハイで爆発させているFWは注目度も向上中。日本一のエースとなって評価を絶対的なものにする。
By サッカーキング編集部
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