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<遠野>目標は「ベスト8」 岩手の伝統校、下級生台頭で攻撃力アップ【選手権出場校紹介】

2018.12.25

遠野の2年生FW及川魁土 [写真]=吉田太郎

 1年時から経験を重ねてきたMF立花健斗(3年)とMF太田竜雅主将(3年)を中心としたポゼッション、攻撃的なスタイルが遠野の特長だ。60年度大会で準優勝し、2度の全国4強(78、05年度)も経験している伝統校は今回、岩手県勢最多タイとなる6年連続での全国出場。過去5大会は合わせて1勝と結果を出せていないが、今回は目標の全国8強に挑戦する。
 
「守備から基本に忠実にやる」(長谷川仁監督)ことがチームのモットー。堅守とハードワーク、そして県予選準決勝で後半アディショナルタイムに追いついて延長戦で逆転勝ちしたように勝利への執念と底力も備える。中でも、全国を戦う上で強みとなりそうなのが攻撃の部分だ。

司令塔の太田を中心に技術力の高い中盤が攻撃を組み立て、「ドリブルで崩せるイスコみたいな選手に。ゴールだけじゃなくてチャンスメイクも。中心選手としてやっていかないといけない」という注目レフティー・立花や準決勝で決勝点のFW赤坂輝海(3年)らがゴールを奪う。県予選では各選手が相手を見ながら余裕を持って判断し、ボールを前進。そして、アタッキングゾーンから個やコンビネーションで相手の守りを切り崩し、ゴールを破っていた。

 攻撃陣には下級生の台頭がある。遠野は過去4年連続、県予選決勝戦で2年生が決勝ゴール。今年の県予選決勝は、180センチの長身と抜群のスピードを併せ持つFW及川魁土(2年、3年生CB及川幸毅は兄)が主役となった。長谷川監督も献身的な守備と速さを認める及川魁は決勝点となる先制点を含む2得点、全4ゴールに絡む活躍を見せた。

 2年生ではいずれもテクニカルなMF遠藤圭哉とMF渡辺拓磨も面白い存在。加えて、先発出場した県予選準決勝で相手を圧倒するほどの空中戦の強さと、シュートを連発する怖さも示していた184センチFW菊池大和は全国大会でも“切り札”になる可能性がある。特長のある下級生たちがどのような働きを見せるかにも注目だ。

 太田は組み合わせ抽選会で「ベスト8を目指します」とコメント。伝統の強さと、全国で勝つために磨いてきた攻撃力で目標達成に挑戦する。

取材・文=吉田太郎

By 吉田太郎

サッカー専門媒体を中心に、主に育成年代の取材活動を展開。

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