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大一番へ自信を覗かせる藤枝順心の10番・長江伊吹「ハイプレスは通用する」

2020.01.05

藤枝順心の10番を背負う長江伊吹 [写真]=浅尾心祐

 第28回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は4日、兵庫県三木市で2回戦の8試合が行われた。

 前回大会で初優勝を収めた星槎国際高校湘南(関東3/神奈川)と、2大会ぶりの優勝を狙う藤枝順心高校(東海2/静岡)の対戦は、前半に決めた得点により、順心が3-0で勝利し準々決勝に進出した。

 順心は前半、右サイドから20分と22分に得点を重ねると、34分には左CKから再びゴールネットを揺らした。「昨日は点を取った後になかなか自分たちのペースにできず、逆に相手のペースにしちゃったし、ピンチも招いた。それは避けようとミーティングでも話していた」と、1回戦での反省を生かした内容に、順心のセンターバック、長江伊吹は白い歯を見せた。INAC神戸レオネッサへの加入が内定している長江は、安定感のあるカバーリングで星槎国際の攻撃陣をストップして見せた。

 順心は前回大会の1回戦で、常盤木学園高校(宮城)にPK負けを喫したものの、前後半での失点は0だった。その前の第26回大会は無失点優勝を収めているため、2大会前から続く高校女子選手権連続無失点試合を、これで8に伸ばした。1年生の時から順心のディフェンスラインでプレーする長江は、「星槎国際はビルドアップがとてもうまかったけど、前(の選手)がハイプレスで走り続けてくれた」と、全員でつかんだ完封勝利を喜んだ。

 前回大会女王・星槎国際を下した順心が次に対戦するのは、高校女子選手権3回の優勝経験を持つ日ノ本学園高校(関西1/兵庫)。トーナメント表の激戦区のヤマに入った順心にとっては、気の抜けない試合が続く。

 順心の多々良和之監督は、「日ノ本とはこの前に対戦したばかり(2019年12月21日)。2番手の選手で試合をして、0-1の負けだった。手の内は知り合っているし、今季の日ノ本は点が取れないと言われているから、うちと似たところがある」と、日ノ本との再戦を分析した。

 長江は「どれだけ相手のペースの中でも、自分たちが体を張って守れるか。自分たちが得意とする前からのハイプレスは、日ノ本相手にも通用すると思う」と自信をのぞかせ、全国制覇した2年前のチームを思い出しながら「(当時と)チームの感じが似ているので、十分に優勝を目指せると思う」と、中1日で迎える大一番を見据えた。

文=馬見新拓郎

By 馬見新拓郎

10年以上にわたり女子サッカーを追いかける気鋭のライター

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