第99回の高校サッカー選手権を制した山梨学院の選手たち [写真]=野口岳彦
第99回全国高校サッカー選手権大会決勝が11日に行われ、山梨学院(山梨)と青森山田(青森)が対戦した。
今大会の決勝は、11大会ぶり2度目の日本一を狙う山梨学院と、3大会連続で決勝進出を果たした青森山田の対決となった。山梨学院と青森山田は、11大会ぶりに決勝戦で対戦。11年前の対戦では、大会初出場の山梨学院が1-0で勝利して初優勝を果たしていた。
山梨学院はGK熊倉匠やDF一瀬大寿、MF石川隼大らがスタメン入り。対する青森山田はMF安斎颯馬やMF松木玖生、DF藤原優大らが先発に名を連ねた。なお、新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、準決勝及び決勝が行われた『埼玉スタジアム2002』は無観客で試合が開催された。
試合が動いたのは12分、右サイドを駆け上がった谷口航大から中央でパスを受けた広澤灯喜が2人のDFの間を狙いミドルシュートを放つと、これがゴール左隅に突き刺さり、山梨学院が先制に成功した。
後半に入り57分、青森山田は右サイドからロングスローを入れると、一度はクリアされたが、こぼれ球を繋ぎ松木が右足を振り抜く。これは防がれたものの、こぼれ球に反応したキャプテンの藤原が押し込み、試合を振り出しに戻した。
さらに、63分には途中出場の藤森颯太が右サイドからグラウンダーで折り返すと、安斎が滑り込みながら右足で合わせ、青森山田が逆転に成功した。安斎はこれが今大会5得点目で得点ランキング単独トップに浮上した。
追いかける山梨学院は78分、笹沼航紀がDFの股を抜いてスルーパスを送ると、一度はDFがカット。しかし、こぼれ球に反応した野田武瑠が左足でゴールへと流し込み、2-2の同点とした。
勝ち越しゴールを狙う青森山田は、82分にはCKから藤原が頭で合わせたが、右ポストを直撃。89分にはカウンターから仙石大弥が決定機を迎えたものの、シュートはゴール上へと外れた。さらに、後半アディショナルタイムには再び仙石が際どいシュートを放ったが、GK熊倉がセーブした。両者譲らず試合はこのまま終了。10分ハーフとなる延長戦に突入した。
迎えた延長前半、互いに譲らぬ攻防を見せる展開も、97分に山梨学院が大きなチャンスを迎える。敵陣右サイドからへ鋭いクロスが入ると、ボールはゴール前フリーで待っていたFW茂木秀人イファインへ。しかし青森山田のDFのプレッシャーもあり、茂木はシュートを打つことができず。スコアは動かず、試合は延長後半へ突入する。
迎えた延長後半、青森山田が敵陣内へ押し込む時間が続くも、山梨学院も決死のディフェンスでゴールを許さない。そして110分の激闘を終えても決着はつかず、決勝戦では8年ぶりのPK戦へ突入した。
PK戦では、互いに1人目が成功。しかし青森山田の2人目、安斎のシュートをGK熊倉匠がセーブし山梨学院がリードを奪う。そして迎えた4人目も青森山田が枠を外してしまったが、山梨学院は4人全員が成功。この結果、山梨学院の優勝が決まった。
勝利した山梨学院は2009年度以来、11大会ぶり2度目の選手権制覇を成し遂げた。一方、一昨年度に全国制覇をした青森山田は2大会連続で決勝で涙をのむ結果で大会を終えた。
【得点者】
1-0 12分 広澤灯喜(山梨学院)
1-1 57分 藤原優大(青森山田)
1-2 63分 安斎颯馬(青森山田)
2-2 78分 野田武瑠(山梨学院)
By サッカーキング編集部
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