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【帝京大可児】屈指の攻撃陣擁するダークホース 湘南内定の“大器”鈴木淳之介を見逃すな<第100回高校選手権>

2021.12.28

2年生の12月でプロ内定を決めた注目の逸材MF鈴木淳之介 [写真]=吉田太郎

 帝京大可児は、第100回選手権の優勝争いにおいてダークホースになる可能性を秘めている。

 湘南ベルマーレ内定の攻撃的ボランチ鈴木淳之介(3年)をはじめ、大会屈指のレフティーアタッカーであるMF三品直哉(3年)、夏明けからブレイクした2年生の俊足FW永井斗梧、スピードと運動量に秀でた右SB熊澤伶(3年)、主将の技巧派MF関駿太郎(3年)らタレントたちが、中からでも外からでも仕掛けて相手の守りを攻略する。

 前回大会は3回戦で青森山田に敗れたものの、インパクトを残した。三品が先制点を奪い、逆転されたが、前線の選手の距離間を短くしたパスワークで青森山田の強烈なプレッシングにチャレンジ。突き放された直後に1点を奪い返すなど、優勝候補筆頭を相手に自分たちの攻撃スタイルで戦い抜いて見せた。

 チームとしての評価を高めて迎えた今年は、プリンスリーグ東海の16試合で54得点。優勝した静岡学園の55得点には及ばなかったものの、他のチームを大きく上回る得点力を見せつけ、過去最高の3位に食い込んだ。また、選手権予選では、準決勝までの4試合ですべて5得点以上、計44得点。インターハイ予選準決勝で敗れた中京との決勝でも「まずは岐阜県で優勝して、全国で良いプレーをして優勝し、さらに自分が評価されるように頑張りたい」と語っていた三品が一人で4得点を叩き出し、6-1で快勝した。

 注目はやはり、鈴木だ。183センチメートル76キロの長身ボランチは、当時2年生だった20年12月に湘南加入が内定。MF柴崎岳(現:レガネス)が青森山田から鹿島アントラーズ入りが発表されたのが2年生の1月だったが、それを上回る早さでプロ入りを決めた逸材だ。

 今年は長期で湘南のキャンプや練習への参加も経験。プロの球際の厳しさやスピード感、ピッチ外での取り組みなどを学んできた。その効果は大きく、高校生相手では「余裕を持ってやれている」。局面に顔を出しながら、プレッシャーのなかでもボールを失わずにキープしたり、正確な1タッチパスをつないだりして攻撃のリズムを作り出し、絶品のスルーパスでゴールをアシストする。

「自分が点決めたり、スルーパスでアシストして試合を決めたりしたら一番うれしいです」。インターハイ出場を逃したことで注目度がやや不足している感があるが、“大器”はプロ入り前にその名を全国に知らしめることができるか。選手権の目標は「去年以上の内容と成績で勝つ」こと。強力攻撃陣のタクトを振るうMFが、帝京大可児に多くのゴールと白星をもたらす。

取材・文=吉田太郎



By 吉田太郎

サッカー専門媒体を中心に、主に育成年代の取材活動を展開。

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