選手権2回戦 青森山田vs飯塚[写真]=野口岳彦
第102回全国高校サッカー選手権大会・2回戦が31日に行われ、青森山田(青森)と飯塚(福岡)が対戦した。
今大会の“優勝候補筆頭”である青森山田が、2回戦から登場。27年連続29回目の選手権出場となる同校は、今年の高円宮杯プレミアリーグ優勝。たしかな実績を残して、2021年以来の優勝を目指す。一方、熾烈な福岡県予選を勝ち抜いた飯塚は2年連続2回目の出場。夏のインターハイでも成し遂げたことのない初のベスト8入りを目指す。
立ち上がりから主導権を握ったのは青森山田だった。シンプルにロングボールを使って相手陣内へ侵入。相手のクリアを誘発すると、小沼蒼珠が得意のロングスローでペナルティエリア内の混戦を作り出し、ゴールに迫った。
17分には青森山田が決定機を迎える。ペナルティエリア手前左でフリーキックを獲得すると、背番号10の芝田玲がキッカーを務める。狙いすましたシュートは良いコースに飛んだが、わずかにゴールを外れ、得点とはならなかった。
その後も青森山田が優勢に試合を進める。24分には左サイドを川原良介が突破してクロスを上げると、ゴール前で福島健太が飛び込んでシュート。29分には、飯塚に連係ミスが生まれ、GKから川原がボールを奪って角度のない場所からシュート。しかし、両場面ともにシュートを枠内に収めることができず、先制点には至らなかった。
前半終了間際にも青森山田が決定的な場面をつくったが、飯塚のGK松崎鴻毅がビッグセーブ。飯塚は前半のうちにシュートを1本も打つことはできなかったが、再三のピンチを無失点に凌ぎ、このまま0-0でハーフタイムに突入した。
後半に入ると、飯塚も前への姿勢を強めたが、決定機をつくるのは青森山田だった。54分には左サイドを川原が突破すると、米谷壮史がゴール前でヘディングシュート。しかし、これは飯塚GK松崎の正面に飛び、ゴールにはならなかった。
劣勢に立っていた飯塚だが、62分にコーナーキックを獲得。ファジアーノ岡山に内定が決まっているキャプテンの藤井葉大がクロスを入れると、原翔聖がヘディング。これはわずかに枠を外れたが、飯塚がこの試合初めてのシュートを放った。
すると、64分に均衡が破れる。青森山田のクリアが不十分になったところを見逃さず、飯塚は素早い攻守の切り替えでボールを奪取。こぼれ球に反応した原が青森山田のDFの前にうまく体を入れると、ドリブルでタイミングをずらしてから左足を振り抜く。シュートは逆サイドネットに突き刺さり、飯塚が先制に成功した。
リードを許した青森山田は焦りが見え、なかなか効果的な攻撃を仕掛けることができない。それでも74分に同点に追いつく。右サイドを駆け上がった途中出場の後藤礼智が相手を1人交わしてクロスを入れると、ゴール前で米谷が高い打点でヘディングシュート。これがゴールネットに吸い込まれ、青森山田が1-1の同点に追いついた。
これで青森山田が一気に勢いづく。79分には青森山田のGK鈴木将永がロングボールを蹴ると、最終ラインを押し上げきれなかった飯塚の背後を米谷が狙う。相手を交わして、ゴール前でシュートを放った。しかし、これはポストに跳ね返され、逆転弾とはならなかった。その後、両チームともに一歩も譲らず、試合はPK戦へ突入した。
PK戦は先攻が青森山田で、後攻が飯塚に決まった。飯塚の2本目のキッカー、溝口敢大のシュートを青森山田のGK鈴木が完璧に読んでセーブ。青森山田は5人全員が決め、5-3で青森山田が飯塚に勝利した。
3回戦進出を決めた青森山田は、2024年1月2日に浦和駒場スタジアムにて、この後14時10分から行われる広島国際学院(広島)と静岡学園(静岡)の勝者と対戦する。
【スコア】
青森山田 1-1(PK5-3) 飯塚
By サッカーキング編集部
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