青森山田FW米谷壮史[写真]=野口岳彦
第102回全国高校サッカー選手権大会・2回戦が31日に行われ、青森山田(青森)は飯塚(福岡)にPK戦の末、1-1(PK5-3)で勝利。試合後、値千金の同点ゴールを決めた米谷壮史がメディア取材に応じた。
青森山田の今大会初戦は苦しい試合となった。前半から飯塚を押し込み、相手をシュート0本に抑えながらも、得点を奪えなかった。すると、後半の64分に一瞬の隙を突かれ、先制点を許してしまう。
残り15分、一発勝負での1点ビハインド。高円宮杯プレミアリーグやプリンスリーグ、多くの公式戦で経験を積んできた米谷でも、追いかける展開に焦りを感じていたようだ。
「リーグ戦は負けても次がありますけど、選手権は負けたら次がないので、自分は結構『ガッ』と重みが来ました」
だが、そんな心が折れかけたときに聞こえてきたのが、スタンドからの力強い声援だった。
「スタンドで仲間が応援してくれていましたし、205人の部員のためにも、フィールドに立っている以上は情けないことができないなと思いました。自分たちが一生懸命、得点を取ることだけを考えて、全力で戦うことができました。下を向いたら勝てないと思うので、スタンドにいる人たちの分まで、自分たちからスイッチを入れてやれたと思います」
そして迎えた74分、頼れるエースがチームの危機を救った。右サイドを駆け上がった途中出場の後藤礼智が相手を1人交わしてクロスを入れると、ゴール前で米谷が高い打点でヘディングシュート。これがゴールネットに吸い込まれ、青森山田が1-1の同点に追いついた。得点の場面を米谷はこう振り返る。
「相手は前半から最終ラインが高くて、ずっとオフサイドにひっかかっていたので、礼智が一回ドリブルで切り返したタイミングで、一回プルアウェイでラインに合わせて入り直して、頭で対角にボールを合わせられたので良かったと思います」
絶対的な自信を持つ動き出しの質で、チームの危機を救った米谷はその後、足をつってPK戦でキッカーを務めることはできなかったが、無事にチームは勝利。次の3回戦へと駒を進めた。
「ゴール前でのポジショニングや動き出しで、この1年間、ずっと得点を取ってきました。ただ、それを前半からもっとやれていれば、得点を取るチャンスもあったので、そこは修正していきたいと思います」
米谷の活躍で3回戦進出を決めた青森山田は、2024年1月2日に浦和駒場スタジアムにて、初出場の広島国際学院(広島)と対戦する。
By サッカーキング編集部
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