「強い青森山田」を見せることを誓う“主将”DF山本虎　「優勝は簡単じゃないが、圧倒して勝ちたい」

　第102回全国高校サッカー選手権大会・準決勝が6日に行われ、青森山田（青森）は市立船橋（千葉）にPK戦の末に勝利し、決勝進出を決めた。試合後のミックスゾーンで青森山田のキャプテンDF山本虎がメディアからの質問に答えた。

　準決勝は早い時間帯に先制点を奪うことに成功した。11分、左からのコーナーキックを芝田玲が蹴ると、鋭いボールに小泉佳絃がドンピシャでヘディング。高い打点から放たれたシュートは見事にゴールへと吸い込まれた。

　前半はこのまま青森山田のペースで試合が進み、1点をリードしてハーフタイムに突入する。青森山田のキャプテンDF山本は、前半のいい流れをこう振り返った。

「試合にすごくいい形で入れて、セットプレーもそうですけど、これまで活かせていなかった栄誉と川原の両サイドが仕掛けられたのは良かったです」

　しかし、後半は攻撃力のある市立船橋に押し込まれる展開となった。そして、79分には久保原心優に同点ゴールを決められてしまう。山本も「守勢になって、相手の時間になりすぎたことで失点しまいました。もう少し自分たちの時間が欲しかったです」と反省の弁を語る。

　ただ、PK戦に突入しても、勝つ自信は十分にあった。青森山田のGK鈴木将永はPKストップが得意。山本も「練習から将永が止めてくれるとわかっていたので、そこを信じていました」と、守護神への絶対的な信頼を明かす。

　PK戦の先攻は青森山田。重圧のかかる1本目のキッカーは山本が務めた。

「初戦の2回戦で飯塚と対戦したときに、PKで結構緊張したので、今回は国立でしたけど、あまり緊張はなかったです。2回戦でPK戦があってよかったなと思います」

　その言葉通り、冷静にPKを決めた山本。これで勢いに乗った青森山田は、GK鈴木の2本のシュートストップもあり、1－1（PK：4－2）で勝利し、決勝進出を決めた。

　高円宮杯プレミアリーグで優勝し、大会前から“優勝最有力候補”の呼び声が高かった青森山田。大きな期待と重圧がかかる中で、決勝まで勝ち上がってきた。キャプテンの山本は、ここまでの道のりは決して平坦ではなかったと振り返る。

「1年間いろいろな経験をしてきたなかで、一番夏のインターハイの負けが大きかったと思います。青森山田に対して、対策してくる相手から多くのことを学びました。そこから（プレミアリーグと選手権の）二冠という目標を掲げて、ようやくあと1勝のところまで来ました。（対戦相手の）『青森山田対策』も、自分たちで打開できるところまで来たので、決勝でも自分たちから攻撃して、守備をして、『強い青森山田』を見せたいです」

　決勝の相手は滋賀県代表の近江。近江は高円宮杯でプリンスリーグ関西に所属しており、青森山田とは一度も対戦したことがない。山本は“未知の相手”と対決する難しさを語りつつも、絶対的な自信をのぞかせた。

「（近江は）1回も対戦したことがない相手です。市立船橋に勝ったから満足するのではなく、決勝に向けてもう1回、チーム全員でいい準備をしたいです。優勝は簡単じゃないと思いますが、次こそ優勝したいので、圧倒して勝ちたいです」

　青森山田と近江の決勝は、8日14時5分より国立競技場にて行われる。