「緊張を和らげた」大会第1号ゴール　猛攻凌いだ帝京DFラビーニ未蘭「これまでの日常生活が活きた」

　第103回全国高校サッカー選手権大会の開幕戦が28日に行われ、帝京（東京B）が京都橘（京都）を2－1で下した。試合後、帝京に先制点をもたらしたDFラビーニ未蘭がメディア取材に応じた。

　戦後最多タイ6度の優勝を誇る名門校だが、出場は15年ぶり。帝京に選手権本大会を知る選手は一人もいない。ラビーニも試合前を振り返り、「やっぱりチームメイト全員、緊張していて、試合の入りは堅かった」と明かす。

　それでも、開幕戦特有の独特な緊張感が漂う中で迎えた開始5分、セットプレーからチャンスをものにした。左サイドからのコーナーキックをMF堀江真広が蹴ると、ラビーニ未蘭がクロスボールに打点の高いヘディングシュート。これが見事にゴールネットを揺らし、国立競技場の観衆を沸かした。ラビーニは貴重な先制点の場面を振り返り、「（味方に）ブロックしてとお願いしていたなかで、しっかりブロックしてくれたので、ドフリーで打つことができました」とチームメイトに感謝しつつ、「（点を取る）予想は立ててたんですけど、本当に来るとは思ってなかったです」と笑顔を浮かべた。

　その後、73分に京都橘のMF桐原惺琉に同点弾を許したものの、75分に途中出場のFW宮本周征が逆転ゴールを奪取。リードはわずか1点差のまま終盤に突入した。残り時間は少なくなり、京都橘が攻撃の圧力を強める。しかし、帝京イレブンはゴール前で体を張り、京都橘のシュートコースを限定。決定的なシュートもクロスバーに救われた。ラビーニは「京都橘さんの攻撃がものすごくて、守備で耐えて、耐えてを続けていたので、気持ちとしては大変でした」と心情を明かす。ただ、「焦ってはいたんですけど、クロスバーにあたるということは、今日は運を持っているという感じがしました」と冷静さは失っていなかったようで、「日常生活からしっかりやってきたので、そういうところで、ゴールに入らないと思いましたし、これまでの日常生活が活きてきたんだなと思いました」と、選手権までの積み重ねを誇った。

　試合はこのまま2－1で終了。ラビーニは安堵に満ちた表情で「歓声がすごかったです。一つひとつチャンスがあったりすると、一気に歓声が上がるので、それが鳥肌がたちました」と選手権1回戦突破の喜びを噛みしめた。

　帝京は2回戦で12月31日に金沢学院大附（石川）と鹿児島城西（鹿児島）の勝者と『Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu』で対戦する。