大津と対戦した福井商[写真]=柳澤健太
第103回全国高校サッカー選手権大会・1回戦が29日に行われ、福井商（福井）は大津（熊本）に0－4で敗戦。試合後、福井商の高木謙治監督がメディア取材に応じた。
今年の高円宮杯プレミアリーグファイナルを制した“高校年代最強”チームは、やはり強かった。福井商は試合の立ち上がりから徹底して守備を固め、両サイドハーフが最終ラインに吸収される『6バック』の布陣でなんとか大津の猛攻を耐え凌いだ。しかし、築いた壁が決壊するのは、時間の問題だった。36分、警戒していたクロスからMF兼松将にヘディングシュートを決められ、先制点を許してしまう。
ただ、それでも前半の1失点は想定内だった。大津が福井商の堅固な守備を崩すことに苦労していたのは間違いない。高木監督も「最低でも1失点でなんとか凌いで、後半にワンチャンスをものにできたらいいなと考えていました。理想は0－0だったんですが、1失点ならまだ大丈夫だと。選手たちもまだまだ諦めてませんでしたし、ハーフタイムも粘り強く守って、ワンチャンスを決めに行くという部分をみんなで決意して臨みました」と明かした。
福井商は後半に入っても、前半と大きく戦い方を変えず、『6－3－1』の布陣にも見える徹底した守備で大津の攻撃を受ける形を選択した。しかし、守備に人数を割いたことで、攻撃面での脅威はほとんど与えられず。我慢強く守っていたものの、61分にFW岩中翔大、70分にFW山下景司、80＋3分にはMF溝口晃史にゴールを許し、終わってみれば、0－4の完敗に終わった。
初戦で選手権を去ることになった福井商。高木監督は試合を終えて「私の力不足です」と悔しさを滲ませた。「本当はいままで1年間やってきたサッカーで戦わせてあげたかった」が、大津との実力差を考え、守備的な戦い方を選択したという。
「（大津は）どのポジションも強力なので、単純な5バックでは太刀打ちできないと思っていました。サイドで崩す大津さんの形をなんとか消したかったので、一応4バックですが、5枚にも6枚にもなる形で練習してきました。ただ、結局サイドからのクロスでやられてしまう課題はあったんですが、（選手たちは）試合中にも修正しながらやってくれて、感謝しています」
実際に“プレミア王者”と対戦し、「一枚も二枚も上手だった」と振り返った高木監督。最後まで懸命に戦い抜いた選手たちには「私がこの作戦、この戦い方を選んで、選手もそれに納得してくれて、1カ月よく練習に取り組んでくれたので、本当に感謝しています」と、あらためて感謝を語っていた。
By サッカーキング編集部
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