試合終了後、西目GK成田と握手をする日章学園FW高岡 [写真]=佐藤博之
第103回全国高校サッカー選手権大会1回戦が29日に首都圏各会場で開催。サウサンプトンへの加入が内定しているU-19日本代表FW高岡伶颯を擁する日章学園(宮崎)は西目(秋田)と対戦。前半で5得点を挙げる破壊力を見せ、6-1で勝利して2回戦へと駒を進めた。
今大会最注目選手の一人である高岡は3得点2アシストと爆発。過去2大会はともに先発しながら敗退となっていた1回戦をようやく突破に導いたが、「まだまだ満足していないです。3得点という形でしたが、次につながる得点かと言われたらまだまだだと思うので、自分のフィーリングをしっかりと合わせたいて次の試合に臨みたいです。しっかり決め切る部分で後半はフィーリングが合わず、決めきれなかった。そこを決める選手になれるよう、今からの準備は難しいですが、自分にはその力があると思うので、しっかり調整していきたいです」と貪欲に語った。
日章学園は高岡やFW水田祥太朗を起点に、南創太がチャンスメイクするなどで西目を押し込んで、セットプレーを含む4得点を24分までに挙げる攻撃力を見せた。一方で後半は1得点にとどまり、高岡自身もシュートが枠をとらえられないシーンもいくつかあり、「数字だけ見ればハットトリックという、いい形で終われたんですけど、4点、5点、6点と取れたと思うので、そこがまだまだ自分が成長してない部分。でも、自分がやってきたことは間違いではないと思うので、4点、5点、6点以上取れる選手だと思っているので、そこを次の試合でもっと見せていきたいと思います」と量産宣言をしている。
今大会開幕前から「目標は大会20得点」と掲げる高岡。「目標はなんぼでも言えるので」と言い切り、「いろいろな人から(目標数が)大きいと言われますが、自分としては普通だと思っています。自分を信じて、チームを信じて、保護者やスタッフを信じて、しっかり得点を取っていきたいです。プレッシャーもありますが、成長した姿を見せたいので。大きな数字を言って、いろいろな人がバーンと言うことに対して、それを力にしていく。今日も力にできたと思います。こういった緊迫感のある試合でもワクワクして、楽しくモチベーションを持っていけるので、堂々と『20点』ということは言えます」と、決して過信ではなく、自身の活力、チームへのエネルギーにできていると話す。
サウサンプトン内定もあって注目を集めている状況だが、高岡自身は「(内定発表から)より自覚も持っているので。サウサンプトンという肩書きはありますけど、個人としては今、日章学園に在籍しているので、そこをしっかりわきまえて、まずは日本一になってから飛び出したいので、しっかり準備していきたい」と、一方で地に足をつけているとコメント。「最後の大会ですし、今いろいろな人たちが家で見ていたり、会場に来て見ている子どもたちだったり、そういった子たちに夢を与える場でもありますし、自分としてもそういう夢を与えられて、この高校サッカー選手権に来ているので。日本一を取って終わりたい強い気持ちがあるので、そこは強く行ければと思います」と、全国制覇を見据え、続く2回戦の矢板中央(栃木)戦に向かう。
By 小松春生
Web『サッカーキング』編集長