大津・嶋本悠大は1ゴール1アシストの活躍 [写真]=柳澤健太
第103回全国高校サッカー選手権大会2回戦が31日に行われ、札幌大谷(北海道)と大津(熊本)が対戦した。
“冬の風物詩”である選手権は28日より開幕しており、大晦日の31日には大会3日目に突入。千葉県『県立柏の葉公園総合競技場』の第2試合では、4大会ぶり4回目の出場となる札幌大谷と、4年連続21回目の出場を果たした大津が対戦した。
札幌大谷は29日に行われた1回戦で寒川(香川)と激突。試合は1-1でPK戦に突入すると、最終的に合計28名もの選手が蹴り合う壮絶なPK戦を制し、2回戦への切符を掴み取った。一方、Jユース勢も参戦する高円宮杯JFAU-18サッカープレミアリーグWEST2024を制し、“西の王者”となった大津は、横浜FCユースと対戦したプレミアリーグファイナルでも3-0と完勝しており、同校史上初となる“高校年代最強”の称号を手に入れて選手権に参戦。1回戦では福井商業(福井)に4-0と完勝しており、“2冠”に向けて好発進を切っていた。
そんな両校によるゲームは、序盤から互いに細かいパスを繋いで前進を試みる。札幌大谷は背後のスペースを狙う姿勢が強く、大津はサイドを起点として多彩な攻撃を繰り出す場面が目立つ。両チーム攻撃面で特徴を発揮しながらも、立ち上がりの時間帯はスコアレスで進む。
時間の経過とともに大津がセカンドボールを連続して拾い、敵陣でプレーする時間を増やす。来季からの清水エスパルス加入が内定している嶋本悠大が攻撃を操り、シュートまで持ち込むシーンも複数回作ったが、札幌大谷のGK高路地琉葦が守るゴールをこじ開けることはできない。札幌大谷もカウンター攻撃でチャンスの気配を漂わせたものの、前半のうちにゴールネットが揺れることはなく、このままスコアレスで終了した。
後半に入っても試合の様相は大きく変わらず、押し込む大津と守る札幌大谷といった構図。均衡が破れたのは51分のことで、大津が左コーナーキックを獲得すると、嶋本はインスイングで高めのボールを供給。これがGK高路地の頭を超え、ファーサイドで待っていた野口悠真の頭にピタリ。嶋本の精度の高いキックがゴールを呼び込み、セットプレーから先手を取った。
1点ビハインドとなった札幌大谷は15分、同じくセットプレーで生まれた混戦から、来季のFC今治加入が内定している笹修大が右足を振り抜くも、大津のブロックを打ち破ることはできない。先制直後の時間を守り切った大津は60分、自陣でのボール奪取から細かくボールを繋いで右サイドにボールを届けると、舛井悠悟がスピードを上げて縦へ突破。グラウンダーのボールを折り返すと、ニアサイドに走り込んでいた嶋本がダイレクトで沈め、大津が大きな追加点を奪った。
終盤に入った77分には大津にビッグチャンスが到来。この試合幾度となく右サイドからスピード溢れる突破を見せていた舛井がペナルティエリア内で倒され、PKを獲得したが、山下景司の放った左下をめがけたシュートは、GK高路地が完全にコースを読み切る。再三のビッグセーブでチームを救っていた札幌大谷の“守護神”が、これ以上点差を広げさせることを許さない。
最後まで諦めない札幌大谷は後半アディショナルタイム、岡拓希からのロングフィードで右サイドの背後を取った中村哲爾が1点を返したものの、反撃はここまで。試合はこのままタイムアップを迎え、大津が札幌大谷を2-1で下した。
勝利した大津は、1月2日に控えた3回戦で、流通経済大柏(千葉)と対戦する。
【得点者】
0-1 51分 野口悠真(大津)
0-2 60分 嶋本悠大(大津)
1-2 80+4分 中村哲爾(札幌大谷)
By サッカーキング編集部
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